Wheat Flourの違いとは?強力粉・中力粉・薄力粉と英語分類を解説

“Wheat flour”(小麦粉)と一口に言っても、たくさんの種類があって戸惑いますよね。

スーパーに行けば「強力粉」「薄力粉」、海外のレシピを見れば「All-Purpose Flour」「Bread Flour」…。「一体どれを使えばいいの?」と迷った経験は誰にでもあるはずです。

実は、これらの違いは「タンパク質(グルテン)の含有量」で決まります。

このたった一つの違いが、パンをふっくらさせたり、ケーキをサクサクにしたりする鍵を握っているんです。タンパク質が多いほど弾力が強く少ないほどサクッと仕上がる。この原則を知るだけで、もう小麦粉選びで失敗することはありません。

この記事を読めば、日本と海外の小麦粉(Wheat Flour)の違いから、それぞれの特徴、栄養価、そして料理ごとの最適な使い分けまで、すべてが明確に理解できます。それでは、詳しく見ていきましょう。

結論|Wheat Flour(小麦粉)の違いが一言でわかる比較表

【要点】

“Wheat flour”(小麦粉)の最も重要な違いは、タンパク質(グルテン)の含有量です。タンパク質が多い順に「強力粉(Bread Flour)」「中力粉(All-Purpose Flour)」「薄力粉(Cake Flour)」と呼ばれ、多いほど弾力が強くパンなどに、少ないほどサクッと仕上がりケーキやお菓子に向いています。

まずは、日本とアメリカ(英語圏)で一般的に使われる小麦粉の分類と、その主な違いを表で比較してみましょう。

日本の分類アメリカの分類タンパク質(目安)主な用途
強力粉Bread Flour約11.5~13.0%パン、ピザ生地、餃子の皮
準強力粉(近い)Bread Flour約10.5~12.0%フランスパン、ハード系パン
中力粉All-Purpose Flour (AP Flour)約8.0~10.5%うどん、お好み焼き、一部の菓子
薄力粉Cake Flour / Pastry Flour約6.5~8.5%ケーキ、クッキー、天ぷら

※タンパク質の割合は国や製品によって異なります。

このように、名前は違っても、分類の基準は「タンパク質の量」で共通していることがわかりますね。

Wheat Flour(小麦粉)とは?その基本的な定義

【要点】

Wheat Flour(小麦粉)とは、その名の通り「Wheat(小麦)」を製粉して「Flour(粉)」にしたものです。単に “Flour” と言う場合、その地域で最も一般的に使われる穀物の粉を指すことが多く、欧米や日本では通常「小麦粉」を意味します。

まず基本として、”Wheat flour” は「小麦の粉」を意味します。

では、単に “Flour” と書かれている場合はどうでしょう?

これは文脈によりますが、欧米や日本のレシピで単に “Flour” と記載されている場合、その地域で最も一般的に使われる粉、すなわち「小麦粉」を指すのが通例です。

もし米粉(Rice Flour)やトウモロコシの粉(Corn Flour / Corn Starch)を使いたい場合は、必ず「Rice」や「Corn」といった原料名が明記されます。したがって、「Flour 100g」とあれば、それは「小麦粉 100g」と読み替えて問題ないでしょう。

【最重要】タンパク質(グルテン)含有量による分類の違い

【要点】

小麦粉の違いを生む核心は「タンパク質(グルテン)」の量です。小麦粉に含まれるタンパク質「グルテニン」と「グリアジン」は、水を加えてこねることで粘弾性のある「グルテン」に変化します。このグルテンの量が多いほど生地は強くモチモチに、少ないほど弱くサクサクになります。

小麦粉の使い道を決定づける最も重要な要素が、タンパク質の含有量です。

小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のタンパク質が含まれています。これらに水を加えてこねると、両者が絡み合って「グルテン」という網目状の組織が作られます。

このグルテンこそが、パン生地の「弾力(コシ)」と「粘り(モチモチ感)」の正体です。

  • タンパク質が多い(グルテンが多い):生地が強く、よく伸びる。ガス(炭酸ガス)をしっかり抱え込めるため、ふっくらと膨らむ。→ パン向き
  • タンパク質が少ない(グルテンが少ない):生地が弱く、もろい。粘りが出にくいため、サクッとしたり、ホロリとした食感になる。→ ケーキ・お菓子向き

このタンパク質含有量の違いによって、日本では「強力粉・中力粉・薄力粉」、アメリカでは「Bread Flour・All-Purpose Flour・Cake Flour」といった分類が生まれているのです。

日本の分類(強力粉・中力粉・薄力粉)

日本では、タンパク質の含有量によって、主に3つに分類されます。

  1. 強力粉(きょうりきこ):タンパク質が最も多い(約11.5%以上)。グルテンの力が強く、弾力と粘りが非常に強いのが特徴です。
  2. 中力粉(ちゅうりきこ):タンパク質は中間(約9%前後)。強力粉と薄力粉の中間の性質を持ち、適度な弾力と柔らかさを兼ね備えています。
  3. 薄力粉(はくりきこ):タンパク質が最も少ない(約8.5%以下)。グルテンの力が弱く、粘りが出にくいため、軽くサクッとした仕上がりになります。

アメリカの分類と日本の対応表

一方、英語圏(特にアメリカ)では、用途名で呼ばれることが一般的です。日本の分類と非常によく似ています。

  • Bread Flour(ブレッドフラワー):パン用の粉。タンパク質が最も多く、日本の「強力粉」に相当します。
  • All-Purpose Flour(オールパーパスフラワー):万能粉。タンパク質は中程度で、日本の「中力粉」に最も近いですが、製品によっては準強力粉や薄力粉に近いものまで幅があります。”AP Flour” と略されることも多いですね。
  • Cake Flour(ケーキフラワー):ケーキ用の粉。タンパク質が最も少なく、日本の「薄力粉」に相当します。さらにタンパク質が少ない “Pastry Flour”(ペストリーフラワー)もあります。

主要な “Wheat Flour” の種類と使い方の違い

【要点】

Bread Flour(強力粉)はパンやピザに、Cake Flour(薄力粉)はケーキや天ぷらに使います。迷ったときに便利なのがAll-Purpose Flour(中力粉)で、うどんや一部のお菓子など幅広く使えますが、パン作りでは膨らみが足りず、ケーキ作りでは重たくなりがちです。

タンパク質(グルテン)の量が違うということは、当然、得意な料理・苦手な料理も変わってきます。

Bread Flour(強力粉)の特徴と最適な使い方

タンパク質が多く、グルテンの力が最も強い粉です。

生地がよく伸び、酵母が発生させる炭酸ガスをしっかりと閉じ込める力があります。そのため、窯の中で大きく膨らみ、モチモチとした弾力のある食感を生み出します。

  • 最適な料理:食パン、菓子パン、ピザ生地、ベーグル、餃子の皮
  • NGな使い方:ケーキやクッキーに使うと、グルテンが強すぎて硬くなり、サクサク感が出ません。天ぷらの衣に使うと、重たくベチャッとした仕上がりになります。

All-Purpose Flour(中力粉)の特徴と最適な使い方

「万能粉」という名前の通り、強力粉と薄力粉の中間の性質を持っています。

適度な弾力と、適度な柔らかさを併せ持つのが特徴です。日本ではうどん用として有名ですが、アメリカでは家庭で最も一般的に使われる粉です。

  • 最適な料理:うどん、お好み焼き、たこ焼き、すいとん、一部のクッキーやスコーン
  • 注意点:万能とはいえ、専門の粉には劣ります。パン作りに使うと膨らみが足りず、目が詰まったパンになりがちです。ケーキに使うと、薄力粉ほどの軽さや口溶けは出ず、少し重たい仕上がりになります。

Cake Flour / Pastry Flour(薄力粉)の特徴と最適な使い方

タンパク質が少なく、グルテンの力が最も弱い粉です。

水を加えて混ぜても粘りが出にくいため、加熱すると水分が蒸発し、軽くサクサク、あるいはホロリとしたもろい食感が生まれます。

  • 最適な料理:スポンジケーキ、クッキー、パウンドケーキ、天ぷらの衣
  • NGな使い方:パン作りに使うと、グルテンの力が弱すぎて生地が膨らまず、硬く小さな塊になってしまいます。うどんに使うと、コシが全くないブツブツと切れる麺になります。

「白い小麦粉」と「茶色い小麦粉」の違い(精白 vs 全粒粉)

【要点】

色の違いは「精白しているかどうか」の違いです。一般的な “Wheat Flour”(強力粉・薄力粉など)は、小麦の胚乳部分だけを使った白い粉です。一方、”Whole Wheat Flour”(全粒粉)は、表皮(ふすま)や胚芽も丸ごと粉にした茶色い粉で、栄養価が高いのが特徴です。

ここまでの話は、すべて「精白された白い小麦粉」の話でした。店頭ではもう一つ、茶色い小麦粉も見かけますよね。それが「全粒粉」です。

一般的な Wheat Flour(精白小麦粉)

小麦の粒は、外側から「表皮(ふすま)」「胚乳(はいにゅう)」「胚芽(はいが)」で構成されています。

私たちが普段目にする強力粉や薄力粉などの白い小麦粉は、このうちの「胚乳」部分だけを取り出して粉にしたものです。胚乳は主にデンプンとタンパク質でできているため、白く、クセのない味わいになります。

Whole Wheat Flour(全粒粉)

一方、”Whole Wheat Flour”(ホール・ウィート・フラワー)は、その名の通り「Whole(丸ごと)」の小麦を使った粉です。

表皮(ふすま)や胚芽も丸ごとすべて粉砕して粉にしたもので、色が茶色っぽく、独特の香ばしい風味とプチプチとした食感があります。

パンやクッキーに使うと、素朴で風味豊かな仕上がりになりますが、グルテンの形成を妨げる成分(ふすま)が含まれるため、精白小麦粉だけで作るよりも膨らみにくくなる傾向があります。

栄養・健康面での違い

【要点】

栄養面では「全粒粉(Whole Wheat Flour)」が圧倒的に豊富です。精白小麦粉(Wheat Flour)が主に炭水化物(糖質)とタンパク質であるのに対し、全粒粉は食物繊維、ビタミンB群、鉄分、ミネラルなどを豊富に含んでいます。

精白小麦粉と全粒粉では、栄養価に大きな違いがあります。

精白小麦粉(強力粉・薄力粉など)の栄養は、主にエネルギー源となる炭水化物(デンプン)と、体を作るタンパク質(グルテン)です。製造工程で表皮や胚芽が取り除かれるため、ビタミンやミネラル、食物繊維は少なくなります。

全粒粉(Whole Wheat Flour)は、表皮(ふすま)や胚芽が持つ栄養素を丸ごと含んでいます。そのため、精白小麦粉と比較して、食物繊維、ビタミンB群、鉄分、マグネシウムなどのミネラルが非常に豊富です。

健康志向で選ぶなら全粒粉が優れていますが、風味が独特で、料理の膨らみや食感は精白小麦粉に劣るため、両者をブレンドして使うのも賢い方法ですね。

体験談|僕がAll-Purpose Flourでパンを焼いて失敗した話

僕が小麦粉の違いを痛感したのは、海外のレシピサイトを見てパン作りに挑戦した時のことです。

そのレシピには “Flour 300g” としか書かれていませんでした。当時の僕は「Flour=小麦粉」くらいの知識しかなく、家にあった「All-Purpose Flour(中力粉)」をそのまま使ってしまったんです。

レシピ通りにこねても、日本の強力粉(Bread Flour)を使った時のように生地がツルンとまとまらず、どこかベタベタしています。「こんなものかな?」と不安に思いながら発酵させましたが、案の定、いつもの半分くらいにしか膨らみません。

焼き上がったパンは、パンというより「目の詰まった硬いお餅」のようでした…。

原因は、タンパク質(グルテン)の量でした。All-Purpose Flourは中力粉なので、パンがふっくら膨らむために必要なグルテンの力が、Bread Flour(強力粉)に比べて圧倒的に足りなかったのです。

この失敗から、「作りたいものに合わせて、適切なタンパク質量(グルテンの力)の粉を選ぶ」ことが、料理やお菓子作りの大前提なのだと学びました。

レシピに単に “Flour” と書いてあっても、「何を作るのか?」を考えて、「これはパンだからBread Flourだな」「これはクッキーだからCake Flourか、All-Purposeでも良いかな」と判断するクセがつきましたね。

Wheat Flourに関するFAQ(よくある質問)

ここでは、小麦粉(Wheat Flour)に関するよくある疑問にお答えします。

日本の「中力粉」とアメリカの「All-Purpose Flour」は同じものですか?

最も近いですが、厳密には異なります。

日本の「中力粉」はタンパク質が約9%前後のものが主流で、主にうどん用に使われます。一方、アメリカの「All-Purpose Flour」はタンパク質が10~11.5%程度のものが多く、日本の中力粉より少し強力粉寄りの製品も多いです。名前の通りパンからクッキーまで幅広く使われますが、専門の粉には劣ります。

海外のレシピで “Plain Flour” と書かれていたら何を使えばいいですか?

All-Purpose Flour(中力粉)、または薄力粉で代用できます。

“Plain Flour” は主にイギリスやオーストラリアで使われる呼び方で、タンパク質が中程度~やや少なめの小麦粉を指します。アメリカのAll-Purpose Flourとほぼ同じように使われますが、お菓子作りに使われることも多いため、作るもの(クッキーやケーキ)によっては薄力粉を使う方がうまくいく場合もあります。

“Self-Rising Flour” って何ですか?

ベーキングパウダーと塩が最初から混ざっている小麦粉のことです。

アメリカ南部などでビスケットやスコーンを作る際によく使われます。これを使う場合、レシピ内のベーキングパウダーや塩を省略する必要があるため、注意が必要です。日本のホットケーキミックスに似た「調整粉」の一種ですね。

まとめ|目的別おすすめの “Wheat Flour” はこれ!

“Wheat flour” の様々な違い、ご理解いただけたでしょうか。

結局のところ、どの小麦粉を選ぶべきかは、あなたが「何を作りたいか」によって決まります。

  • モチモチのパンやピザを作りたい場合強力粉 (Bread Flour)
  • サクサクのケーキや天ぷらを作りたい場合薄力粉 (Cake Flour)
  • うどんや、ある程度万能に使いたい場合中力粉 (All-Purpose Flour)
  • 栄養価と香ばしさをプラスしたい場合全粒粉 (Whole Wheat Flour)

この「タンパク質の強弱」という物差しを持っていれば、もう小麦粉選びで迷うことはありません。ぜひ、それぞれの粉の個性を活かして、料理やお菓子作りを楽しんでくださいね。

小麦粉以外の粉も含めた違いに興味がある方は、他の食材・素材の違いに関する記事もぜひご覧ください。

小麦粉の詳しい分類や栄養価については、農林水産省の食育関連ページなども参考になりますよ。