「やよいひめ」と「とちおとめ」の違いは?味・食感・旬を徹底比較

「やよいひめ」と「とちおとめ」、スーパーのいちご売り場でよく見かける東日本を代表する2大品種ですが、その違いは「酸味の有無」と「果肉の硬さ」にあります。

実は「やよいひめ」は酸味が穏やかで果肉がしっかりしており日持ちが良いのが特徴なのに対し、「とちおとめ」は甘みと酸味のバランスが良く、ジューシーで香りが強いのが魅力なのです。

この記事を読めば、それぞれの品種が持つ味の傾向や最適な食べ頃、どちらが自分の好みに合うかが明確になり、自信を持っていちご選びができるようになるでしょう。

それでは、まず最も重要な違いの結論から詳しく見ていきましょう。

結論|やよいひめととちおとめの違いを一言でまとめる

【要点】

「やよいひめ」は酸味が少なくまろやかな甘さと、しっかりとした果肉で日持ちが良いのが特徴です。「とちおとめ」は糖度と酸味のバランスが絶妙で、濃厚な果汁と華やかな香りが特徴の定番品種です。

まず、この二つのいちごの決定的な違いを比較表で確認しましょう。

どちらも美味しいいちごですが、味の方向性と食感に明確な違いがあります。

項目やよいひめとちおとめ
最大の特徴酸味が少なくまろやかで日持ちする甘味と酸味のバランスが良い定番の味
味の傾向甘みが強く、酸味は控えめ濃厚な甘みと程よい酸味
食感果肉が硬めでしっかりしている適度な硬さでジューシー
果皮の色明るい朱色(オレンジ寄り)鮮やかな濃い赤色
旬の時期1月〜4月(3月以降も品質が高い)12月〜3月頃(春先まで)
主な産地群馬県栃木県(全国的にも栽培)

「やよいひめ」は、その名の通り3月(弥生)になっても品質が落ちにくいという特性を持っており、春先まで美味しいいちごを楽しみたい方に最適です。

一方、「とちおとめ」はいちごらしい甘酸っぱさと香りの良さが際立っており、ケーキなどの加工用としても生食としても万能な優等生と言えるでしょう。

定義・分類・品種の違い

【要点】

「やよいひめ」は群馬県で「とねほっぺ」に「とちおとめ」を掛け合わせて育成された品種です。「とちおとめ」は栃木県で「久留米49号」に「栃の峰」を掛け合わせて育成され、長年東日本のシェアNo.1を誇ってきた品種です。

「やよいひめ」は群馬県生まれの日持ちする品種

「やよいひめ」は、群馬県園芸試験場(現:群馬県農業技術センター)で育成された品種です。

親の掛け合わせは、「とねほっぺ」と「とちおとめ」です。

実は「やよいひめ」の親の一つは「とちおとめ」なんですね。

群馬県の気候に合わせて育成されており、大粒で果肉がしっかりしており、輸送性に優れているのが大きな特徴です。

最大のアピールポイントは、気温が高くなる3月(弥生)以降でも果肉が柔らかくなりにくく、食味を維持できる点にあります。

「とちおとめ」は栃木県生まれのいちご界のロングセラー

一方、「とちおとめ」は栃木県農業試験場で育成された品種です。

親の掛け合わせは「久留米49号(とよのか×女峰)」と「栃の峰」です。

1996年の品種登録以来、長きにわたり日本のいちご市場、特に関東地方で圧倒的なシェアを誇ってきました。

「女峰(にょほう)」の後継品種として登場し、粒が大きく、甘味が強いことから一気に普及しました。

現在では「とちあいか」などの新品種も登場していますが、その知名度と信頼感は依然として絶大です。

味・香り・食感・見た目の違い

【要点】

「やよいひめ」は酸味が弱く優しい甘さが際立ち、果肉は硬めで崩れにくいのが特徴です。「とちおとめ」は糖度が高く酸味もしっかりあるため味が濃く感じられ、果汁が豊富でジューシーな食感が特徴です。

味の違い|甘さ特化の「やよいひめ」とバランスの「とちおとめ」

味に関しては、酸味の感じ方が大きく異なります。

「やよいひめ」は、酸味が穏やかで、まろやかな甘みを強く感じます。

「いちごの酸っぱさが苦手」という子供や甘党の方には、やよいひめが非常に好まれる傾向にあります。

一方、「とちおとめ」は、高い糖度を持ちながら適度な酸味も兼ね備えています。

この酸味が甘みを引き立て、「甘酸っぱい」といういちご本来の濃厚な味わいを作り出しています。

飽きのこない味で、何個でも食べられるバランスの良さが魅力です。

食感と見た目の違い

見た目と食感にも個性が出ます。

「やよいひめ」は、果皮の色が少し淡く、明るい朱色(オレンジがかった赤)をしています。

色が薄いからといって熟していないわけではありません。

果肉は中まで淡い赤色で、繊維がしっかりしており、シャキッとした歯ごたえがあります。

「とちおとめ」は、光沢のある鮮やかな濃い赤色が特徴です。

中まで赤く染まることが多く、果肉は緻密ですが「やよいひめ」よりは果汁が多くジューシーな食感です。

カットした断面の美しさでは、赤みの強い「とちおとめ」が映えることが多いでしょう。

使い方・料理での扱い方の違い

【要点】

「やよいひめ」は果肉がしっかりして水っぽくなりにくいため、パフェやタルトのトッピングに向いています。「とちおとめ」は香りが強く断面も赤いため、ショートケーキの中身やジャムなどの加工用にも最適です。

それぞれの特性を活かした使い分けを提案します。

「やよいひめ」は、時間が経っても変色しにくく、果汁が出にくい(水っぽくならない)という特性があります。

そのため、作り置きするようなタルトや、形状を保ちたいパフェのトッピングに非常に適しています。

酸味が少ないので、そのまま練乳をかけずに食べるのが一番のおすすめですが、クリームの甘さに負けない存在感もあります。

「とちおとめ」は、甘酸っぱさと強い香りが持ち味です。

生クリームやスポンジケーキと一緒に食べても酸味がアクセントになり、味がぼやけません。

ショートケーキの主役としては不動の地位を築いています。

また、果肉の中まで赤いため、ジャムやソースにしたときにも綺麗な色が出やすいのが特徴です。

旬・産地・保存・価格の違い

【要点】

「やよいひめ」は群馬県を中心に栽培され、3月以降の春先でも品質が安定しているのが強みです。「とちおとめ」は栃木県を中心に全国で栽培され、1月から2月の寒い時期に最も味が乗ります。価格帯はどちらも幅広いです。

入手しやすさと時期についてです。

「とちおとめ」は、クリスマスシーズンの12月から春先まで長く出回りますが、最も味が濃厚になるのは1月から2月の寒さが厳しい時期と言われています。

生産量が多いため、スーパーでの特売品から高級贈答用まで価格帯は幅広いです。

「やよいひめ」も12月頃から出回りますが、名前の由来通り、他の品種の味が落ちてくる3月(弥生)になっても高い糖度と食感を維持できるのが最大の強みです。

春先になって「最近いちごが水っぽくなってきたな」と感じたら、「やよいひめ」を選んでみると良いでしょう。

産地は群馬県が中心ですが、最近では関東近県でも栽培が増えています。

保存に関しては、どちらも冷蔵庫の野菜室で保存し、洗うのは食べる直前にするのが鉄則です。

ただ、「やよいひめ」の方が果皮が硬いため、輸送や保存での傷みには比較的強いと言えます。

起源・歴史・開発背景の違い

【要点】

「とちおとめ」は1996年に品種登録され、東日本のいちご栽培を大きく変えた歴史的品種です。「やよいひめ」は2005年に品種登録され、春先の品質低下を克服するために開発された、比較的新しい品種です。

歴史的背景を知ると、それぞれの品種の役割が見えてきます。

「とちおとめ」は、かつて主流だった「女峰」の酸味が強いという課題を克服し、大きく甘いいちごとしてデビューしました。

その完成度の高さから、長年にわたり「東の横綱」として君臨し続けました。

「やよいひめ」は、その「とちおとめ」を親に持ちつつ、「春先になると味が薄くなる」「暖かくなると実が柔らかくなる」といういちご全般の課題を解決するために開発されました。

群馬県のいちご農家にとって、観光農園や直売所で長く販売できる品種として重宝されています。

詳しくは農林水産省の品種登録データベースなどで系譜を確認できます。

僕が実際に食べ比べて感じた「やよいひめ」と「とちおとめ」の決定的な違い

先日、近所の青果店で「やよいひめ」と「とちおとめ」が並んでいたので、実際に食べ比べてみました。

正直なところ、食べる前は「どちらも美味しいいちごでしょ?」と思っていました。

しかし、交互に食べてみると、その違いは歴然でした。

まず「とちおとめ」。口に入れた瞬間、華やかな香りが鼻に抜け、ジュワッと果汁が広がります。

「あ、これぞいちご!」と思わせる、甘さと酸味のコントラストが鮮やかでした。

次に「やよいひめ」。持った瞬間に実がしっかりしているのが分かります。

齧ってみると、「サクッ」に近いしっかりとした歯ごたえがあり、酸っぱさがほとんどなく、練乳のような優しい甘みが口に残りました。

個人的には、朝食のヨーグルトに入れたり、ケーキにするならパンチのある「とちおとめ」。

夜のデザートとして、そのままパクパク食べるなら、酸味が少なくて満足感のある「やよいひめ」が良いなと感じました。

特に3月に入ってからの「やよいひめ」の安定感は素晴らしく、春のいちご狩りなら迷わずこちらを選びたいですね。

「やよいひめ」と「とちおとめ」に関するよくある質問

Q. 甘いのはどちらですか?

酸味が少ない分、「やよいひめ」の方が甘みを強く感じやすいです。「とちおとめ」も糖度は高いですが、酸味もあるため「甘酸っぱい」味わいです。

Q. 日持ちするのはどちらですか?

果肉が硬くしっかりしている「やよいひめ」の方が、傷みにくく日持ちしやすい傾向にあります。

Q. ケーキ作りに向いているのはどっち?

生クリームの甘さに負けない酸味と香りを持つ「とちおとめ」がショートケーキには向いています。断面の赤さも綺麗です。

まとめ|どちらを選ぶべきか?

ここまで「やよいひめ」と「とちおとめ」の違いを見てきましたが、最後に選び方のポイントを整理しましょう。

  • 酸っぱいのが苦手で、とにかく甘いいちごが好きなら「やよいひめ」
  • 3月以降の春先に美味しいいちごを食べたいなら「やよいひめ」
  • いちごらしい甘酸っぱさと香りを楽しみたいなら「とちおとめ」
  • ケーキ作りやジャム作り、練乳をかけて食べるなら「とちおとめ」

もしスーパーで両方見かけたら、時期によって選ぶのも賢い方法です。

真冬のシーズンは王道の「とちおとめ」、暖かくなってきたら「やよいひめ」を選ぶと、それぞれの品種のポテンシャルを最大限に楽しめるでしょう。

さらに詳しいいちごの品種や分類については、野菜・果物の違いの記事も参考にしてみてください。