ゼライスとゼラチンの違い!ふやかし不要が最大の違い?

ゼリーやムース、ババロアなど、冷たいお菓子を作るときに欠かせない「ゼライス」と「ゼラチン」。

名前がとてもよく似ていますが、この二つの関係性を正確にご存知ですか?

実は、この二つは「特定の商品名」と「原材料の総称」という根本的な違いがあるんです。「ゼラチン」は動物のコラーゲンから作られる凝固剤そのものを指す「原料」であり、「ゼライス」はマルハニチロ社が販売する「ふやかし不要の顆粒ゼラチン」という「商品名」なんですね。

この記事を読めば、なぜゼライスが使いやすいと言われるのか、そして一般的な粉ゼラチンや板ゼラチンとどう使い分ければよいかがスッキリと理解できますよ。

それでは、まずこの2つの関係性から詳しく見ていきましょう。

結論|ゼライスとゼラチンの違いを一言で

【要点】

「ゼラチン」が動物性コラーゲン由来の凝固剤という原料の総称であるのに対し、「ゼライス」はマルハニチロ株式会社が製造・販売する、ふやかす手間が不要な顆粒(かりゅう)タイプのゼラチン「商品名」であるという点が最大の違いです。

つまり、「ゼライスはゼラチンの一種(特定の商品)」ということですね。

スーパーなどで手軽に手に入る「ゼライス」は、ゼラチンの中でも特にお菓子作り初心者や手軽さを求める人向けに、使いやすく加工された製品なんです。

【比較表】ゼライス vs ゼラチン(一般的な形態)の違い

【要点】

ゼライスは「ふやかし不要」の利便性に特化した顆粒ゼラチンです。一方、ゼラチンという原料カテゴリーには、他にも「粉ゼラチン」や「板ゼラチン」といった形態があり、これらは基本的に使用前の「ふやかし」作業が必須となります。

「ゼライス」という特定の商品と、「ゼラチン」という原料カテゴリ(一般的な粉ゼラチンや板ゼラチンを含む)を比較すると、以下のようになります。

項目ゼライス(商品名)ゼラチン(一般的な原料)
分類商品名(マルハニチロの登録商標)原材料名(凝固剤の総称)
主な形態顆粒(かりゅう)タイプ粉末、顆粒、板(シート)など様々
主な原料動物性コラーゲン(豚皮、牛骨など)動物性コラーゲン
使い方(ふやかし)原則不要(50〜60℃の液体に直接溶ける)原則必要(冷水でふやかしてから使用)
入手性スーパー、コンビニなどで容易スーパー、製菓材料店など

ゼライスとゼラチンの根本的な違い

【要点】

「ゼラチン」は動物の皮や骨に含まれるコラーゲンを原料とするタンパク質(凝固剤)そのものを指します。「ゼライス」はそのゼラチンを、誰でも使いやすいように「ふやかし不要」の顆粒状に加工したマルハニチロの商品名です。

この二つの関係は、例えば「バンドエイド(商品名)」と「絆創膏(総称)」の関係によく似ていますね。

「ゼラチン」とは?(動物性コラーゲン由来の凝固剤)

「ゼラチン(Gelatin)」とは、動物の皮や骨、腱(けん)などに含まれるタンパク質の一種「コラーゲン」を加熱して抽出・精製して作られる、食品用の凝固剤です。

最大の特徴は、温かい液体(約50℃〜60℃)で溶け、冷やす(約20℃以下)と固まる(ゲル化する)性質を持っていることです。

ゼラチンには、主に以下の3つの形態があります。

  • 粉ゼラチン:最も一般的な粉末状。通常、水でふやかす必要がある。
  • 顆粒ゼラチン:粉末より粒子が大きい。ふやかしが必要なタイプと不要なタイプ(ゼライスなど)がある。
  • 板ゼラチン(シートゼラチン):透明なシート状。水でふやかして使う。

「ゼライス」とは?(ふやかし不要の顆粒ゼラチン)

「ゼライス」は、マルハニチロ株式会社が製造・販売する顆粒ゼラチンの登録商標(商品名)です。

ゼライスが広く普及している最大の理由は、ゼラチン調理で最も手間のかかる「水でふやかす」作業を不要にした点にあります。

独自の技術により、50℃〜60℃程度の液体に直接振り入れるだけで、ダマにならずにきれいに溶けるように開発されています。これにより、お菓子作りや料理の手間が大幅に削減されました。

最大の違い:使い方と「ふやかし」の手間

【要点】

ゼライスは温かい液体に直接振り入れて溶かすだけです。一方、一般的な粉ゼラチンや板ゼラチンは、必ず使用前に「冷水」でふやかし、水分を均一に吸わせてからでないと、ダマになったり、うまく固まらなかったりします。

この「ふやかし」の有無が、使い勝手を決める決定的な違いです。

ゼライス(顆粒)の使い方(ふやかし不要)

ゼライスは非常にシンプルです。

  1. ジュースや牛乳など、固めたい液体を50℃〜60℃程度に温めます。(沸騰させると固まる力が弱まるので注意!
  2. 温めた液体に、ゼライスを直接振り入れ、ダマにならないようによくかき混ぜて溶かします。
  3. 粗熱が取れたら、容器に移して冷蔵庫で冷やし固めます。

このように、冷水でふやかすボウルや、湯煎にかける手間が一切かからないのが最大の強みですね。

一般的な粉ゼラチン・板ゼラチンの使い方(ふやかし必要)

一方、伝統的なゼラチンは「ふやかす」工程が必須です。このひと手間を怠ると、確実に失敗します。

【粉ゼラチンの場合】

  1. ゼラチンの重量の3〜5倍の冷水(お湯はNG)を用意します。
  2. 水の中にゼラチンを振り入れ、全体が均一に水分を吸うまで数分間置きます。
  3. ふやけてスポンジ状になったゼラチンを、湯煎にかけるか、温めた液体(50〜60℃)に加えて完全に溶かします。

【板ゼラチンの場合】

  1. たっぷりの氷水(冷水)を用意します。(常温水だと溶けてしまうため)
  2. 板ゼラチンを1枚ずつ離して氷水に入れ、数分間ふやかします。
  3. 芯がなくなってテロテロに柔らかくなったら、手で水気をしっかり絞ります
  4. 温めた液体(50〜60℃)に加え、溶かします。

味・香り・仕上がりの違い

【要点】

ゼラチンもゼライスも、正しく使えばそれ自体はほぼ無味無臭です。ただし、仕上がりの透明度や食感には差が出ることがあります。一般的に、手間のかかる「板ゼラチン」が最も透明で滑らかな食感に仕上がると言われています。

どちらも原料はコラーゲン(タンパク質)なので、それ自体に味や強い香りはありません。料理の風味を邪魔することはないですね。

ただし、仕上がりには形態による特徴が出ることがあります。

  • ゼライス・粉ゼラチン:手軽な反面、わずかに濁りが出ることがあります。食感は「プリッ」とした弾力を感じやすい傾向があります。
  • 板ゼラチン:ふやかす手間はかかりますが、透明度が非常に高く、不純物が少ないため、素材の色をクリアに出したい場合に適しています。食感も、弾力というよりは「プルプル」とした滑らかな口当たりに仕上がりやすいのが特徴です。

プロのパティシエが、手間がかかっても板ゼラチンを好んで使うのは、この透明感と繊細な口当たりを重視するためですね。

栄養・成分・原材料の違い

【要点】

ゼライスもゼラチンも、主成分は動物(主に豚皮や牛骨)のコラーゲンから抽出されたタンパク質です。栄養成分(カロリー、タンパク質量)に本質的な違いはありません。

ゼライスも、粉ゼラチンも、板ゼラチンも、すべて同じ「ゼラチン」です。

原材料は、動物(主に豚や牛)の皮や骨に含まれるコラーゲンです。これを精製して作られています。マルハニチロの公式サイトによると、ゼライスの主な原料は豚皮由来のコラーゲンとされていますね。

文部科学省の「日本食品標準成分表」によれば、ゼラチン(粉末)100gあたりのタンパク質は約87.6g、カロリーは約344kcalと、ほぼタンパク質の塊です。脂質や炭水化物はほとんど含まれていません。

ゼライスも他のゼラチンも、栄養成分に大きな違いはないと考えてよいでしょう。

【体験談】ゼライスでコーヒーゼリーを作った時の手軽さ

僕がお菓子作りに目覚めた頃、まず挑戦したのは板ゼラチンを使った本格的なパンナコッタでした。

レシピ通りに氷水を用意し、板ゼラチンをふやかし、水気を絞って……と進めましたが、夏場だったため氷水がすぐにぬるくなり、ゼラチンが少し溶けてしまったり、水気を絞りすぎて量が減った気がしたりと、非常に神経を使いました。

その点、「ゼライス」の存在を知ってからは、ゼリー作りが日常の「ちょっとした楽しみ」に変わりましたね。

特に感動したのはコーヒーゼリーを作った時です。

ドリップした熱いコーヒー(80℃以上)に直接砂糖を溶かし、少し冷まして60℃くらいになったところにゼライスをパラパラと振り入れ、スプーンで静かに混ぜるだけ。

あの「冷水でふやかすボウル」も「水気を絞る手間」も一切不要。洗い物がマグカップとスプーンだけで済むという手軽さに衝撃を受けました。

仕上がりも、家庭で楽しむには十分すぎるほどの弾力と美味しさです。この「圧倒的な手軽さ」こそが、ゼライスという商品の最大の価値なのだと、使うたびに実感します。

ゼライスとゼラチンに関するよくある質問(FAQ)

ゼライスとゼラチンは結局、同じものですか?

はい、「ゼライス」は「ゼラチン」の一種(商品名)です。ゼラチンという大きなカテゴリの中に、ゼライス(ふやかし不要の顆粒ゼラチン)や、板ゼラチン、昔ながらの粉ゼラチンなどがある、とイメージしてもらうと分かりやすいですね。

ゼライスはアガーや寒天の代わりになりますか?

いいえ、代用はできません。原料も食感も性質も全く異なります。

ゼラチン(ゼライス)は動物性タンパク質で、食感は「プルプル・とろける」感じで、常温(25℃以上)で溶け始めます。

アガーや寒天は海藻由来(植物性)で、食感は「サクッ・ホロッ(寒天)」や「ツルン・滑らか(アガー)」となり、常温でも溶けません。

ゼライスがうまく固まりません。なぜですか?

いくつか理由が考えられますね。

  1. 沸騰させませんでしたか?:ゼラチンは高温に弱く、沸騰させるとタンパク質が変性して固まる力が弱まってしまいます。必ず50℃〜60℃の液体で溶かしてください。
  2. 酵素のせいかも?:生のパイナップル、キウイ、マンゴー、パパイヤ、生姜などには、タンパク質分解酵素が含まれています。これらの酵素がゼラチンを分解してしまうため、生のままでは固まりません。一度加熱(缶詰はOK)してから使えば固まりますよ。

まとめ|ゼライスとゼラチン、どちらを選ぶべきか?

ゼライスとゼラチンの違い、明確にご理解いただけたでしょうか。

「ゼラチン」は原料の総称「ゼライス」はふやかし不要の手軽な商品名、というのが結論です。

どちらを選ぶかは、あなたの「手間」と「求める仕上がり」次第ですね。

ゼライス(ふやかし不要ゼラチン)がおすすめな人

  • とにかく手軽に、失敗なくゼリーやムースを作りたい人
  • 洗い物や工程を極力減らしたい人
  • 計量スプーンでサッと使いたい人

一般的なゼラチン(粉・板)がおすすめな人

  • プロのように、仕上がりの透明度や滑らかな食感にこだわりたい人(特に板ゼラチン)
  • 冷水でふやかす手間を惜しまない人
  • お菓子作りの工程そのものを楽しみたい人

この使い分けを知っておけば、お菓子作りがもっと楽しく、身近になりますね。食感の違いは、様々な食材・素材の違いの中でも特に奥深い世界です。