「cause」と「because」の違い!原因と理由を使い分けるコツ

「cause」は「原因」や「引き起こす」という意味の名詞・動詞、「because」は「~なので」という意味の接続詞。

スペルや音が似ているため混同しやすいですが、文の中での役割(品詞)は全く異なります。

この記事を読めば、それぞれの正しい意味と使い分けが分かり、英会話やライティングで迷うことがなくなります。

それでは、まず最も重要な違いから一覧表で見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「cause」と「because」の最も重要な違い

【要点】

基本的には、「原因」そのものを指すなら「cause」、「~だから」と理由をつなぐなら「because」と覚えるのが簡単です。「cause」は名詞や動詞として使い、「because」は接続詞として文をつなぎます。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの単語の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。

項目cause(コーズ)because(ビコーズ)
品詞名詞動詞接続詞
主な意味原因、理由、~を引き起こす~なので、なぜなら~だから
文での役割主語や目的語になる、述語動詞になる理由を表す節(文)を作る
省略形なし‘cause(コーズ/コズ)※口語

簡単に言うと、「火事の原因(cause)」のように名詞で使ったり、「疲れたので(because)寝る」のように文をつないだりする使い分けになります。

注意点として、会話では「because」を省略して「’cause」と言うことがあり、発音が「cause」と同じになるため混乱を招きやすいですが、文法的な役割は別物です。

なぜ違う?英語の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

「cause」はラテン語の「causa(原因、理由)」が語源です。「because」は「by(~によって)」+「cause(原因)」が組み合わさった言葉で、「原因によって=~なので」という意味になりました。

なぜこの二つの言葉が似ているのか、単語の成り立ちを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「cause」の成り立ち:直接的な「発生源」

「cause」は、ラテン語の「causa(争点、理由、原因)」に由来します。

ここから、ある結果を生み出す「直接的な原因」や、結果を「引き起こす(動詞)」という意味で使われるようになりました。

「Cause and Effect(原因と結果)」という言葉があるように、物事の「発端」を指す言葉です。

「because」の成り立ち:「原因によって」という説明

一方、「because」は、中英語の「bi cause」に由来します。

これは「by(~によって)」+「cause(原因)」という意味です。

つまり、「その原因によって導かれると……」というロジックで、後ろに続く「理由」を説明するための接着剤(接続詞)として機能するようになったのです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「cause」は「The cause of…(~の原因)」や「Stress causes…(ストレスは~を引き起こす)」のように使います。「because」は「…because I was busy(忙しかったので)」のように文と文をつなぎます。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け

原因を分析するのか、理由を説明するのかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:cause(名詞・動詞)】

  • We are investigating the cause of the system error.
    (システムエラーの原因を調査しています。)
  • The delay may cause serious problems.
    (遅延は深刻な問題を引き起こす可能性があります。)

【OK例文:because(接続詞)】

  • I was late because the train was delayed.
    (電車が遅れていたので、遅刻しました。)
  • We chose this vendor because their quality is high.
    (品質が高いので、この業者を選びました。)

日常会話での使い分け

日常会話では、省略形の「’cause」も頻繁に登場します。

【OK例文:cause】

  • What was the cause of the fight?
    (喧嘩の原因は何だったの?)
  • Don’t cause trouble.
    (トラブルを起こさないでね。)

【OK例文:because / ‘cause】

  • I like him because he is kind.
    (彼が好き、だって優しいから。)
  • I did it just ‘cause I wanted to.
    (ただやりたかったからやっただけだよ。)
    ※「’cause」は「because」のカジュアルな短縮形。

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じることもありますが、文法的に誤りとなる使い方を見てみましょう。

  • 【NG】 I was late cause the traffic.
    (※「cause」を接続詞として使っている誤り。または「because of」のつもりで「of」が抜けている)
  • 【OK】 I was late because of the traffic.
    (渋滞のせいで遅れました。)

名詞(the traffic)を理由として挙げる場合は、接続詞の「because」ではなく、前置詞句の「because of」を使います。あるいは「The traffic caused my lateness.(渋滞が遅刻を引き起こした)」のように動詞として使うなら正解です。

【応用編】似ている言葉「reason」との違いは?

【要点】

「cause」は結果を直接引き起こした「物理的な原因」を指し、「reason」は行動や判断の根拠となる「論理的な理由」を指します。「火事の原因」は「cause」、「遅刻の言い訳(理由)」は「reason」が適しています。

「cause」と似ていて混同しやすい言葉に「reason(理由)」があります。

これも押さえておくと、表現の解像度がさらに上がりますよ。

「cause」は、「結果を生み出した直接的な原因・元凶」です。

事故、病気、火事など、何かが「起きてしまった」原因を指す場合によく使われます。

一方、「reason」は、「ある行動や結論に至った正当な根拠・理由」です。

人が何かをするときの動機や、論理的な説明を指します。

  • The cause of the accident(事故の原因:スピードの出し過ぎなど)
  • The reason for the decision(決断の理由:コスト削減のためなど)

「Why(なぜ)」に対して論理的に答えるのが「reason」、現象の発生源を突き止めるのが「cause」というイメージですね。

「cause」と「because」の違いを文法・ニュアンスで深掘り

【要点】

「cause」は名詞として冠詞(a/the)がついたり、動詞として三単現のsがついたりします。「because」は接続詞なので、後ろに必ず「主語+動詞」を伴う完全な文が来ます。口語の「’cause」は書くときはアポストロフィをつけるのが一般的です。

少し専門的な視点から、文法構造における決定的な違いを解説します。

「cause」は名詞か動詞なので、文の主要素(S・O・V)になります。

  • The cause (S:名詞) is unknown.
  • Smoking causes (V:動詞) cancer.

「because」は接続詞(副詞節を導く)なので、文の骨組みにはならず、説明を加える役割です。

  • I smiled [because I was happy].

ここで注意が必要なのが、「because of」という熟語です。

これは「前置詞」の働きをするので、後ろには「名詞」が来ます。

  • I stayed home because of the rain.(雨のために家にいた。)

「because(接続詞)+文」と「because of(前置詞)+名詞」の使い分けは、TOEICなどのテストでも頻出のポイントです。

さらに詳しい英語学習に関する情報は、文部科学省の外国語教育のページなども参考になります。

僕が「’cause」をビジネスメールで使って注意された体験談

僕も海外クライアントとのやり取りを始めたばかりの頃、この「cause」と「because」の使い分けで冷や汗をかいた経験があります。

ある日、納期の遅れを説明するメールを親しい担当者に送りました。

チャットのような感覚で、ついカッコつけてこう書いてしまったんです。

「Sorry for the delay, ‘cause we had a system trouble.(システムトラブルがあったから遅れました)」

自分としては「こなれた英語」を使っているつもりでした。

しかし、後日、上司(ネイティブ)から優しく、でも真剣に指摘されました。

「クライアントへのメールで『’cause』は砕けすぎだよ。友達じゃないんだから、ちゃんと『because』と書くか、もっとフォーマルに『due to』などを使いなさい。あと、『’cause』と書かずに単に『cause』と書くと、動詞の『cause(引き起こす)』と誤読されて文意が通じなくなることもあるから注意してね」

顔から火が出るかと思いました。

口語の省略形である「’cause」をビジネス文書で使うことは、日本語で言えば取引先に「~なんで、遅れました」と書くようなものだったのです。

単語の選び方一つで、ビジネスの品格が問われる」と痛感した出来事です。

それ以来、ビジネスメールでは省略形を使わず、正しい「because」を使うように徹底しています。

「cause」と「because」に関するよくある質問

SNSで「cuz」や「cos」を見かけますが、これは何ですか?

それらはすべて「because」のカジュアルな省略表記です。「’cause」と同じく、発音(コズ/カズ)を文字ったスラングです。友人同士のチャットやSNSでは頻繁に使われますが、フォーマルな場では使いません。

「Just because」はどういう意味ですか?

文脈によりますが、「ただなんとなく」という意味で使われることが多いです。「Why did you do that?(なんでそんなことしたの?)」に対し「Just because.(なんとなくね/ただそうしたかったから)」と答える定番フレーズです。

「Cause」を「Because」の意味で使っても通じますか?

会話(スピーキング)では、文脈から判断して通じることがほとんどです。ネイティブも「’Cause」と言っています。ただし、書き言葉(ライティング)でアポストロフィなしの「Cause」を接続詞として使うと、文法ミスと見なされたり、動詞の「引き起こす」と混同されたりするリスクがあります。

「cause」と「because」の違いのまとめ

「cause」と「because」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本の品詞:「cause」は名詞・動詞、「because」は接続詞。
  2. 意味の違い:「cause」は「原因・引き起こす」、「because」は「~なので」。
  3. 省略形:「’cause」は「because」の口語形だが、ビジネスでは避ける。
  4. 使い分け:原因を名詞で言うなら「cause」、理由を文で言うなら「because」。

言葉の背景にある品詞の役割を理解すると、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになりますね。

英文メールや英会話で、これらの違いを意識することで、より正確でTPOに合わせたコミュニケーションができるはずです。

これから自信を持って、適切な単語を選んでいきましょう。

英語の表現についてさらに詳しく知りたい方は、英語由来語の違いまとめのページもぜひご覧ください。より深い理解に役立つはずです。

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