「コルジリネ」と「ドラセナ」の違い!園芸店で迷わないための境界線

「コルジリネ」と「ドラセナ」、園芸店で見かけるどちらも笹のような細長い葉を持つ観葉植物ですが、同じ仲間だと思って迷った経験はありませんか?

実はこの2つの植物、植物学的な分類(根や葉の構造)が異なるのはもちろん、寒さへの強さや育てる場所で使い分けるのが基本のルール。

この記事を読めば、それぞれの植物学的な背景から具体的な選び方までスッキリと理解でき、もうお花屋さんで迷うことはありません。

それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「コルジリネ」と「ドラセナ」の最も重要な違い

【要点】

基本的には地下に太い根(塊根)があり寒さに比較的強いのが「コルジリネ」、根がオレンジ色で寒さに弱く室内向けの観葉植物が「ドラセナ」と覚えるのが簡単です。見た目は似ていますが、葉のつき方や根の色が大きく異なります。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの植物の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な見分け方と育て方の違いはバッチリです。

項目コルジリネ(Cordyline)ドラセナ(Dracaena)
根の特徴白くて太い多肉質の根(塊根)がある塊根がなく、根が黄色〜オレンジ色
葉のつき方葉柄(茎と葉をつなぐ柄)がある葉柄がなく、茎を抱きかかえるようにつく
葉脈の走り方主脈から側脈が斜めに出る(羽状)葉脈が縦に平行に走る(平行脈)
耐寒性・用途比較的強い(0〜5度程度)。庭植えも可能弱い(10度以上必要)。基本的に室内向け

一番大切なポイントは、根の構造と耐寒性の違いということですね。

冬の寒さが厳しい庭に「見た目がかっこいいから」とドラセナを地植えしてしまうと、枯らしてしまう原因になります。

なぜ違う?植物学的な特徴から見分け方を掴む

【要点】

どちらもキジカクシ科の植物ですが、属が異なります。「コルジリネ」はギリシャ語の「こん棒(kordyle)」を語源とする太い根が特徴です。「ドラセナ」は「メスの竜(drakaina)」を語源とし、傷つけると赤い樹液を出す品種があることに由来します。

なぜこの二つの植物が似ているのに違うのか、その植物学的な特徴を紐解くと見分け方がよくわかりますよ。

「コルジリネ」の特徴:地下に塊根を持ち、葉柄がある

「コルジリネ」は、キジカクシ科コルジリネ属の植物です。オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域を中心に分布しています。

最大の特徴は、土の中に「塊根(かいこん)」と呼ばれる白くて太い多肉質の根を持っていることです。学名の由来にもなったこの太い根に水分や養分を蓄えるため、乾燥に強い性質があります。

また、地上部を見ると、茎と葉の間に「葉柄(ようへい)」と呼ばれる短い柄があるのも見分けるポイントです。

「ドラセナ」の特徴:根がオレンジ色で、葉が茎を抱くようにつく

一方、「ドラセナ」はキジカクシ科ドラセナ属の植物で、熱帯アフリカを中心に分布しています。

植え替えの時に土から抜いてみると一目瞭然なのですが、ドラセナには塊根がなく、細い根が黄色からオレンジ色を帯びているという明確な特徴があります。

葉の付き方も異なり、葉柄を持たず、笹の葉のように茎をスッポリと抱き込むように葉が生え、葉脈も真っ直ぐに平行に走っています。

具体的な例文で使い方(選び方)をマスターする

【要点】

お庭のドライガーデンや屋外の寄せ植えには耐寒性のある「コルジリネ」、室内のインテリアグリーンや贈り物には「ドラセナ」と使い分けるのが基本です。

植物の違いは、園芸の場面での具体的な例文(選び方)で確認するのが一番ですよね。

園芸店やインテリアグリーンでの使い分け

対象が「屋外で育てる」のか「室内で育てる」のかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:コルジリネ】

  • 庭のドライガーデンのシンボルツリーとして、耐寒性の強いコルジリネ・オーストラリスを地植えした。
  • 秋の寄せ植えに、銅葉のコルジリネをアクセントとして加えるとシックにまとまります。
  • コルジリネは根が太いので、植え替えの際は深めの鉢を選ぶと良いでしょう。

【OK例文:ドラセナ】

  • オフィスの受付に、スタイリッシュなドラセナ・コンシンネを飾ってインテリアのポイントにする。
  • 新築祝いに、「幸福の木」として知られるドラセナ・マッサンゲアナをプレゼントした。
  • ドラセナは寒さに弱いので、冬場は窓際から離して部屋の中央に移動させましょう。

日常会話での使い分け

日常会話では、植物の特性に合わせた置き場所を語る際に使い分けます。

【OK例文:コルジリネ】

  • ベランダに出しっぱなしでも、このコルジリネは元気に冬を越してくれたよ。

【OK例文:ドラセナ】

  • リビングのドラセナ、暖房の風が直接当たらない場所に移動させなきゃ。

これはNG!間違えやすい使い方

園芸において、植物の性質を無視した環境設定は致命的です。NG例を見てみましょう。

  • 【NG】庭の花壇にドラセナを地植えして、雪が降る冬を越えさせよう。
  • 【OK】庭の花壇にコルジリネを地植えして、雪が降る冬を越えさせよう。

熱帯育ちのドラセナは、日本の屋外の冬(特に霜や雪)には耐えられません。屋外でエキゾチックな景観を作りたい場合は、耐寒性のあるコルジリネ(特にオーストラリスなどの品種)を選ぶのが正解です。

【応用編】「赤ドラセナ」はドラセナじゃない?流通名による混同の罠

【要点】

園芸店で「赤ドラセナ」「青ドラセナ」として売られている植物は、実はドラセナではなく「コルジリネ」の仲間です。昔の分類や見た目の類似から、流通名(商品名)として定着してしまいました。

ここで、お花屋さんで一番混乱しやすいポイントを解説します。

園芸店に行くと、赤紫色の美しい葉を持つ「赤ドラセナ」や、緑色の細い葉を持つ「青ドラセナ」という名札が刺さった植物を見かけることがあります。

しかし、実はこれ、植物学的にはどちらも「コルジリネ」なのです。

  • 赤ドラセナの正体 = コルジリネ・ターミナリス
  • 青ドラセナの正体 = コルジリネ・ストリクタ

なぜこんなややこしいことになったのでしょうか?
昔は植物の分類技術が今ほど発達しておらず、見た目がそっくりなコルジリネとドラセナは同じグループとして扱われていました。その当時の名残で、現在でも生産者や園芸店が「〇〇ドラセナ」という昔ながらの流通名(商品名)で販売しているのです。

「ドラセナだと思って買ったら、実はコルジリネだった」ということはよくあるので、ラベルの裏に小さく書かれている学名や、根の色を確認すると確実です。

「コルジリネ」と「ドラセナ」の違いを園芸・学術的に解説

【要点】

DNA解析が進んだ現代の植物分類学(APG分類体系)では、両者は共に「キジカクシ科」に分類されますが、属のレベルで明確に分けられています。

少し専門的な話になりますが、この二つの植物の分類は歴史の中で二転三転してきました。

昔の図鑑を見ると、どちらも「リュウゼツラン科」や「ユリ科」と分類されていた時代がありました。しかし、20世紀末からDNAの塩基配列を元に植物を分類し直す「APG分類体系」が導入されました。

その結果、現在では両者とも「キジカクシ科(クサスギカズラ科)」という大きなグループに属することが判明しています。アスパラガスなどと同じグループですね。

大きなグループは同じですが、そこから「コルジリネ属」と「ドラセナ属」に枝分かれしています。近縁種であるからこそ見た目がそっくりなのですが、進化の過程で「寒さに耐えられる太い根」を獲得したコルジリネと、熱帯で「木のように高く育つこと」を選んだドラセナという、生態学的な違いが生まれたのです。

観葉植物の植え替えでハッとした私の体験談

僕も以前、この「コルジリネ」と「ドラセナ」の違いについて深く実感させられた出来事がありました。

春になり、自宅で育てていた鉢植えが窮屈になってきたので、2つの植物を同時に植え替えることにしました。
一つは友人からもらった「幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)」、もう一つはホームセンターで「赤ドラセナ」という名札で買った植物でした。

僕は「どちらも同じドラセナだから、同じような土でいいだろう」と軽く考えていました。

しかし、鉢から株を抜いてみて驚きました。
幸福の木の根は、細くて鮮やかなオレンジ色をしていました。一方、赤ドラセナの根元には、大根の赤ちゃんのような白くて太いゴロっとした根(塊根)が形成されていたのです。

後で調べてみて、赤ドラセナが実は「コルジリネ」であり、この塊根があるからこそ水切れに強く、育て方が少し違うのだと知りました。

地上に出ている葉っぱの姿はそっくりなのに、土の中で見えない根が全く違う進化を遂げている。

その事実に気づいた時、植物の多様性と生命力の奥深さに触れた気がして、思わずスコップを持ったまま感心してしまいました。それ以来、園芸店で似た植物を見るときは、そのルーツや隠れた特徴を意識するクセがついたように思います。

「コルジリネ」と「ドラセナ」に関するよくある質問

「幸福の木」はコルジリネですか、ドラセナですか?

「幸福の木」はドラセナの仲間で、正式な品種名は「ドラセナ・マッサンゲアナ(フラグランス)」です。ハワイなどで縁起の良い木とされていることから、その流通名がつけられました。寒さに弱いので室内で育ててください。

「赤ドラセナ」と書かれて売られていましたが、本物のドラセナですか?

いいえ、園芸店で「赤ドラセナ」として売られている植物の多くは、植物学的にはコルジリネの仲間(コルジリネ・ターミナリスなど)です。見た目が似ているため、古い分類時代の名残でそう呼ばれています。

地植え(ドライガーデン)にしたいのですが、どちらが向いていますか?

地植えにするなら「コルジリネ」が向いています。特に「コルジリネ・オーストラリス」などの品種は耐寒性が高く、関東以西の温暖な地域であれば屋外で冬越しが可能です。ドラセナは熱帯植物のため、日本の冬の屋外では枯れてしまいます。

「コルジリネ」と「ドラセナ」の違いのまとめ

「コルジリネ」と「ドラセナ」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 根の特徴:白い太い塊根があるのが「コルジリネ」、オレンジ色の細い根が「ドラセナ」。
  2. 耐寒性と用途:寒さに強く庭植えできるのが「コルジリネ」、寒さに弱く室内向けの「ドラセナ」。
  3. 流通名の罠:「赤ドラセナ」「青ドラセナ」という名前で売られていても、実はコルジリネである。

土に隠れた根の特徴や、植物本来のルーツを知ると、機械的な暗記ではなく、感覚的に育て方を使い分けられるようになります。

これからは園芸店で名札を見た時、自信を持ってそれぞれの植物に合った置き場所や育て方をイメージできるはずです。

本記事のような「コルジリネ」と「ドラセナ」の違いをはじめとする生き物・自然の言葉についても、ぜひ日常の中で意識してみてください。

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