「ワクワクする!」「興奮する!」そんな気持ちを表すとき、英語の「exciting」と「excited」で迷ったことはありませんか?
形が似ているだけに、どっちがどっちだっけ?となりやすいですよね。
実はこの二つの言葉、何が(誰が)ワクワク「させる」のか、それとも誰がワクワク「している」のか、つまり感情の原因なのか、感情そのものなのかで使い分けるのが基本なんです。
この記事を読めば、「exciting」と「excited」の根本的な意味の違いから、文法的な使い分け、具体的な例文、さらには似た言葉「excitement」との違いまでスッキリ理解できます。これで、あなたの英語表現がより正確になりますよ。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「exciting」と「excited」の最も重要な違い
基本的には、ワクワクさせる「モノ・コト」には exciting、ワクワクしている「人(や動物)」には excited と覚えるのが簡単です。「-ing」は原因、「-ed」は感情、と考えると分かりやすいでしょう。
まず、結論からお伝えしますね。
「exciting」と「excited」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | exciting | excited |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | (人・モノ・コトが)ワクワクさせる、興奮させるような | (人・動物が)ワクワクしている、興奮している |
| 説明する対象 | 感情の原因となるモノ・コト・状況・人 | 感情を感じている人・動物 |
| 品詞 | 形容詞(現在分詞由来) | 形容詞(過去分詞由来) |
| 文法的な役割 | 名詞を修飾するか、補語になる。 例:an exciting game / The game was exciting. |
名詞を修飾するか、補語になる。 例:an excited crowd / I was excited. |
| ニュアンス | スリリング、面白い、活気のある。 | 嬉しい、楽しみにしている、高揚している。 |
一番大切なポイントは、「何が」興奮させるのか(exciting)、「誰が」興奮しているのか(excited)という視点の違いですね。
例えば、「面白い試合」なら、試合が面白さ(興奮)の原因なので “an exciting game”。「興奮した観客」なら、観客が興奮を感じているので “an excited crowd” となります。
なぜ違う?言葉の由来(語源)からイメージを掴む
「exciting」も「excited」も、ラテン語の「excitare(外へ呼び出す、刺激する)」を語源とする動詞「excite」から派生しています。「-ing」が付くと「刺激するような(原因)」、「-ed」が付くと「刺激された(感情)」というニュアンスになります。
なぜこの二つの言葉が「原因」と「感情」で使い分けられるのか、元の動詞「excite」の語源を紐解くと、その理由が見えてきます。
「excite」の由来:「外へ呼び出す」感情を揺さぶるイメージ
「exciting」「excited」の元となる動詞「excite」は、ラテン語の「excitare(エクスキターレ)」に由来します。
これは、「ex(外へ)」と「citare(呼び出す、動かす、刺激する)」が組み合わさった言葉で、元々は「外へ呼び出す」「奮い立たせる」「刺激する」といった意味合いを持っていました。
眠っていた感情やエネルギーを「外へ呼び出して」揺り動かす、そんなイメージですね。
この「感情を刺激する」という意味合いが、英語の「excite(興奮させる、ワクワクさせる)」につながっています。
そして、この動詞から派生した形容詞が「exciting」と「excited」です。
- exciting (-ing形): 動詞の現在分詞が形容詞化したもので、「~させるような」という能動的な意味合いを持ちます。つまり、「感情を刺激するような」「ワクワクさせるような」という意味になります。感情の原因を表すわけですね。
- excited (-ed形): 動詞の過去分詞が形容詞化したもので、「~させられた」という受動的な意味合いを持ちます。つまり、「感情を刺激された」「ワクワクさせられた」=「ワクワクしている」という意味になります。感情を感じている状態を表すわけです。
このように、元の動詞「excite」の意味と、現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed)の持つ基本的な役割を理解すると、使い分けがスッキリしますね。
具体的な例文で使い方をマスターする
ビジネスでは「exciting opportunity(ワクワクするような機会)」、「excited about the new project(新しいプロジェクトにワクワクしている)」のように使います。日常会話では「exciting movie(面白い映画)」、「excited children(興奮した子供たち)」のように使います。「I am exciting.(私は人をワクワクさせる人だ)」と「I am excited.(私はワクワクしている)」は意味が全く異なるので注意が必要です。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
何が原因で、誰が感情を感じているかを意識しましょう。
【OK例文:exciting】
- This is an exciting opportunity for our company. (これは当社にとってワクワクするような機会です。) ※機会がワクワクさせる原因
- We received some exciting news about the sales figures. (売上数値に関して、いくつか素晴らしいニュースを受け取りました。) ※ニュースが原因
- The presentation included some exciting new ideas. (そのプレゼンには、いくつか興味深い新しいアイデアが含まれていました。) ※アイデアが原因
【OK例文:excited】
- Everyone on the team is very excited about the new project. (チームの皆が新しいプロジェクトにとてもワクワクしています。) ※チームのメンバーが感情を感じている
- She was excited to hear that she got the promotion. (彼女は昇進したと聞いて興奮していました。) ※彼女が感情を感じている
- Are you excited about your upcoming business trip to London? (今度のロンドン出張、楽しみですか?) ※相手(あなた)が感情を感じている
新しい機会やニュース、アイデアなどが「exciting」であり、それらに対して人が「excited」になる、という関係ですね。
日常会話での使い分け
日常会話でも、考え方は同じです。
【OK例文:exciting】
- That was an exciting soccer match! (すごいサッカーの試合だったね!) ※試合が原因
- Visiting a new city is always exciting. (新しい街を訪れるのはいつもワクワクする。) ※訪れるという行為が原因
- She told us an exciting story about her travels. (彼女は旅行についての面白い話をしてくれた。) ※話が原因
【OK例文:excited】
- The children were so excited on Christmas morning. (子供たちはクリスマスの朝、とても興奮していました。) ※子供たちが感情を感じている
- I’m really excited about the concert tonight! (今夜のコンサート、本当に楽しみ!) ※私が感情を感じている
- He got excited when he saw his favorite band on TV. (彼はテレビで好きなバンドを見て興奮した。) ※彼が感情を感じている
スポーツの試合や旅行、物語などが「exciting」で、それらに対して子供や自分が「excited」になるわけです。
これはNG!間違えやすい使い方
特に主語が「人」の場合に混同しやすいので注意しましょう。
- 【NG】I am so exciting about the party!
- 【OK】I am so excited about the party!
パーティーを楽しみにしているのは「私」なので、「excited」を使います。「I am exciting」と言ってしまうと、「私は(他人を)ワクワクさせるような面白い人間です」という意味になり、意図しない自己アピールになってしまいます。
- 【NG】The movie was really excited.
- 【OK】The movie was really exciting.
映画が観客をワクワクさせる原因なので、「exciting」を使います。「excited」を使うと、まるで映画自体が感情を持っているかのような不自然な表現になります。
- 【NG】He is an excited speaker.
- 【OK】He is an exciting speaker.
聴衆をワクワクさせるような話をする人、という意味なら「exciting speaker」です。「excited speaker」だと、単に「(何かに対して)興奮している話し手」という意味になってしまいます。
「自分が~している」なら -ed、「何かが~させる」なら -ing、と覚えておくとミスを防ぎやすいですね。
【応用編】似ている言葉「excitement」との違いは?
「excitement」は「興奮」「ワクワクすること」という名詞です。「exciting」(形容詞)が「ワクワクさせるような」性質を表し、「excited」(形容詞)が「ワクワクしている」状態を表すのに対し、「excitement」はその感情・状態そのものを指します。
「exciting」「excited」と関連する言葉に「excitement(エキサイトメント)」があります。これも合わせて覚えておくと、表現の幅が広がりますよ。
「excitement」は、「興奮」「ワクワク(すること)」「刺激」といった意味を持つ名詞です。
形容詞である「exciting」(ワクワクさせるような)や「excited」(ワクワクしている)とは異なり、感情や状態そのものを指す言葉です。
【例文:excitement】
- The children were full of excitement before the party. (子供たちはパーティーの前、ワクワク感でいっぱいだった。) ※感情そのもの
- There was a lot of excitement in the air as the results were announced. (結果が発表されるとき、会場は大きな興奮に包まれた。) ※雰囲気、状態
- The main excitement of the trip was visiting the ancient ruins. (その旅行の主な楽しみは古代遺跡を訪れることだった。) ※楽しみなこと、刺激
- He could hardly contain his excitement. (彼は興奮をほとんど抑えきれなかった。) ※感情そのもの
形容詞(exciting/excited)で表現するか、名詞(excitement)で表現するかは、文の構造によって使い分けます。
- The game was exciting. (試合はワクワクするものだった。) – 形容詞
- The game generated a lot of excitement. (試合は多くの興奮を生んだ。) – 名詞
- I was excited by the game. (私は試合に興奮した。) – 形容詞
- I felt great excitement during the game. (私は試合中、大きな興奮を感じた。) – 名詞
これらの関係性を理解しておくと、より自然な英語表現ができるようになりますね。
「exciting」と「excited」の違いを言語学的に解説
言語学的には、「exciting」は動詞「excite」の現在分詞が形容詞化したもので、能動的(~させる)な意味合いを持ち、感情の原因となる性質を表します。「excited」は過去分詞が形容詞化したもので、受動的(~させられた)な意味合いを持ち、感情を感じている状態を表します。これは他の感情動詞(bore, interest, surprise など)から派生する形容詞ペアにも共通する原則です。
「exciting」と「excited」の違いは、言語学における「分詞形容詞(Participial Adjectives)」の典型的な例として説明できます。これは、動詞の分詞(現在分詞 -ing形 / 過去分詞 -ed形)が形容詞として機能するものです。
-ing 形容詞と -ed 形容詞の原則
多くの感情を表す動詞(emotion verbs)は、-ing形と-ed形の形容詞ペアを持ちます。その基本的な使い分けの原則は以下の通りです。
- -ing 形容詞(現在分詞由来):
- 能動的な意味合い:「~させるような」
- 感情の原因となる「モノ・コト・ヒト」の性質や特徴を説明する。
- 例:
- boring lecture (退屈させる講義)
- interesting book (興味を引かせる本)
- surprising news (驚かせるニュース)
- exciting game (興奮させる試合)
- -ed 形容詞(過去分詞由来):
- 受動的な意味合い:「~させられた」→「~している」
- 感情を感じている「人(や動物)」の状態を説明する。
- 例:
- bored students (退屈させられた学生 → 退屈している学生)
- interested reader (興味を引かせられた読者 → 興味を持っている読者)
- surprised audience (驚かせられた観客 → 驚いている観客)
- excited child (興奮させられた子供 → 興奮している子供)
この原則を理解すれば、「exciting」がなぜ感情の原因を説明し、「excited」がなぜ感情を感じている状態を説明するのかが、文法的な観点からも明確になりますね。
「excite」という動詞が持つ「(感情を)刺激する」という意味に対して、
- exciting → 刺激するような → ワクワクさせるような
- excited → 刺激された → ワクワクしている
という関係になっているわけです。この-ing/-edの原則は、他の多くの感情形容詞にも応用できるので、覚えておくと非常に便利ですよ。
僕が「I’m exciting」と言って赤面した初デートの話
いやー、思い出すだけでも顔が熱くなりますが、僕も若い頃、「exciting」と「excited」を盛大に間違えて、大恥をかいたことがあるんです。
あれは大学1年生の夏、初めて外国人の女の子とデートする機会があったときのこと。相手は大学の交換留学生で、笑顔が素敵なアメリカ人の子でした。僕の拙い英語にも一生懸命耳を傾けてくれる、とても優しい人でした。
デート当日、待ち合わせ場所に向かう途中、僕は心臓がバクバクしていました。緊張と期待で、まさに「ワクワクしている」状態。そして、彼女が現れた瞬間、その気持ちを伝えようと、とびっきりの笑顔(のつもり)でこう言ったんです。
「Hi! I’m so exciting to see you!」
自信満々に言いました。だって、「ワクワクしてる」んだから!
すると、彼女は一瞬キョトンとした顔をして、それからクスクスと笑いながら言いました。
「Oh, you’re exciting? That’s good to know! But maybe you mean you’re excited?」
(「へえ、あなたがワクワクさせる人なの?知れてよかったわ!でも、もしかしてワクワクしてるって言いたいのかな?」)
その瞬間、僕は全身の血の気が引くのを感じました。「やらかした…!」と。
自分が「ワクワクしている」と言いたかったのに、「自分は(君を)ワクワクさせるような面白い人間だ!」と、とんでもない勘違い自己紹介をしてしまったわけです。初対面で、しかも初デートで!
彼女は笑って流してくれましたが、僕はもう恥ずかしさで顔が真っ赤。その後のデート中も、しばらくはその失敗を引きずって、ぎこちなかったのを覚えています。
この強烈な体験のおかげで、「自分が~している」なら -ed、「何かが~させる」なら -ing というルールは、二度と忘れることのない教訓として、僕の脳に深く刻み込まれました。
皆さんも、特に自分の感情を伝えるときは、「excited」を使うのを忘れないでくださいね。僕のような赤面体験は、できれば避けてほしいですから!
「exciting」と「excited」に関するよくある質問
物事に対して「excited」を使うことはありますか?
通常、物事が感情を持つことはないので、「excited」で物事を説明することはありません。例えば、「excited news」や「excited plan」のような言い方はしません。ニュースや計画が人々をワクワクさせるので、「exciting news」「exciting plan」となります。ただし、動物(例:an excited dog)に対しては「excited」を使うことができます。
「exciting」と「excited」以外に「ワクワクする」を表現する言葉は?
「thrilling(スリリングな、ゾクゾクするような)」、「looking forward to ~(~を楽しみにしている)」、「enthusiastic(熱狂的な、熱心な)」、「pumped up(興奮している、意気込んでいる:スラング)」など、状況やニュアンスに応じて様々な表現があります。
結局、どちらを使うか迷ったら?
主語(説明したい対象)が感情を感じる「人」や「動物」なら「excited」、感情の原因となる「モノ」や「コト」、「状況」なら「exciting」と判断するのが最も簡単で確実です。「-ing は原因、-ed は感情」と覚えておきましょう。
「exciting」と「excited」の違いのまとめ
「exciting」と「excited」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本は視点の違い:ワクワクさせる原因(モノ・コト)は「exciting」。ワクワクしている感情(人・動物)は「excited」。
- -ing vs -ed:「-ing」は能動(~させるような)、「-ed」は受動(~させられた → ~している)。これは他の感情形容詞(boring/boredなど)にも応用可能。
- 文法:どちらも形容詞だが、修飾する対象が異なる。「I am exciting(私はワクワクさせる人)」と「I am excited(私はワクワクしている)」は全く意味が違うので注意。
- 語源イメージ:「excite(外へ呼び出す、刺激する)」から派生し、「刺激するような(exciting)」と「刺激された(excited)」という意味合いを持つ。
- 似た言葉:「excitement」は名詞で「興奮、ワクワクすること」そのものを指す。
この原則をしっかり押さえれば、もう「exciting」と「excited」の使い分けで迷うことはありませんね。
自分の感情を表すときは「I’m excited!」、何か面白いことについて話すときは「It’s exciting!」と、自信を持って使い分けて、英語の表現力をさらにアップさせましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。