リスティング広告の「フレーズ一致」と「部分一致」の違い

「フレーズ一致」と「部分一致」の違いは、広告を配信するターゲット層の広さにあります。

なぜなら、前者はキーワードと同じ意味を持つ語句に絞って堅実に配信するのに対し、後者は関連する幅広い語句にまで柔軟に拡張して配信するからです。

この記事を読めば、それぞれのメリットやデメリット、そして広告効果を最大化するための正しい使い分けがハッキリと分かります。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「フレーズ一致」と「部分一致」の最も重要な違い

【要点】

フレーズ一致は「指定したキーワードと同じ意味を持つ語句」に反応し、部分一致は「キーワードに関連する幅広い語句」に反応するという明確な違いがあります。

まずは、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的なリスティング広告の設定方針はバッチリです。

項目フレーズ一致部分一致
中心的な意味キーワードと同じ意味を含む検索語句に反応キーワードに関連する幅広い検索語句に反応
配信される範囲中程度(適度に絞り込まれる)とても広い(予想外の語句にも拡張される)
メリット無駄なクリックを防ぎやすく、費用対効果が安定しやすい自分では思いつかない潜在的な顧客を獲得できる
デメリット検索ボリュームが少なくなり、機会損失が起こる可能性意図しない検索語句で広告費を無駄に消費するリスク
機械学習との相性データが溜まるのに少し時間がかかる大量のデータが集まるため、非常に相性が良い

表を見ると、それぞれの役割が全く異なることがお分かりいただけるでしょう。

フレーズ一致は「守り」のディフェンス型、部分一致は「攻め」のオフェンス型と言えるかもしれません。

あなたが広告予算をどうコントロールしたいかによって、選ぶべきマッチタイプは変わるのです。

なぜ違う?言葉の意味からイメージを掴む

【要点】

フレーズは「意味のまとまり」を指し、部分は「全体から広がる関連性」を指すため、配信される語句の拡張レベルが大きく異なります。

ここからは、言葉の成り立ちや英語での表現から、二つの違いをさらに深掘りしていきましょう。

言葉の裏側にあるニュアンスを知ることで、より直感的に使い分けられるようになります。

フレーズ一致(Phrase Match)のイメージ

フレーズ(phrase)とは、複数の単語からなる「意味のまとまり」のことですよね。

つまり、あなたが設定したキーワードの「意味」が検索語句の中にしっかりと含まれていれば、広告が表示される仕組みです。

昔のリスティング広告では「語順が一致していること」が絶対条件でした。

しかし、現在では検索エンジンのAIが進化し、語順が逆でも「意味が同じ」と判定されれば広告が表示されるようになっています。

検索ユーザーの意図を大きく外さないのが、最大の魅力ですね。

部分一致(Broad Match)のイメージ

一方で、部分一致は英語で「Broad Match」と呼ばれます。

ブロード(broad)は「幅広い」「広範囲な」という意味を持ちます。

あなたが設定したキーワードの文字が含まれていなくても、AIが「関連性が高い」と判断すれば、広告を拡張して表示する仕組みです。

例えば「パソコン」というキーワードを設定した場合、「PC」や「ノートブック」といった類義語での検索にも反応します。

思わぬお宝キーワードを発見できる可能性がある反面、手綱を握るのが難しいじゃじゃ馬のような存在でしょう。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

設定キーワードに対して、実際にどのような検索語句で広告が表示されるのか、具体例を見比べることで仕組みを正確に理解できます。

それぞれのマッチタイプを設定したとき、実際にどんな検索語句で広告が表示されるのか。

具体的なシチュエーションを想定して、比較してみましょう。

今回は、あなたが「東京 賃貸オフィス」というキーワードを設定したと仮定します。

フレーズ一致を設定した場合の検索語句例

フレーズ一致の場合は、「東京」と「賃貸オフィス」の意味が検索語句に含まれている必要があります。

・東京 賃貸オフィス おすすめ(〇)

・賃貸オフィス 東京 相場(〇:順序が逆でも意味は同じ)

・東京都 貸しオフィス(〇:同じ意味を持つと判断される)

このように、元のキーワードの意味合いをしっかりと残したまま、前後に別の単語がくっついた形で配信されます。

・東京 ホテル(✕:意味が全く異なるため表示されない)

意図しないターゲットへの配信を防げるので、安心感がありますよね。

部分一致を設定した場合の検索語句例

部分一致の場合は、AIが関連性を広く解釈して配信を拡張します。

・東京 賃貸オフィス(〇)

・新宿 貸事務所(〇:東京の一部であり、賃貸オフィスと同義)

・シェアオフィス 都内(〇:関連性が高いと判断される)

ここまでは非常に優秀な働きをしてくれます。

・東京 オフィス 移転業者(△:関連はあるが、オフィスを探しているのではなく業者を探している可能性がある)

このように、ターゲット層から少しズレた検索ユーザーにも広告が表示されるリスクを伴うのです。

【応用編】似ている言葉「完全一致」との違いは?

【要点】

完全一致は「キーワードと全く同じ意味や意図を持つ検索語句」にのみ配信を限定する、最もターゲットを絞り込んだマッチタイプです。

リスティング広告のマッチタイプには、実はもう一つ「完全一致」という重要な選択肢があります。

せっかくなので、この機会に完全一致との違いも整理しておきましょう。

完全一致は、設定したキーワードと「全く同じ意味や意図」を持つ検索語句に対してのみ広告を表示します。

例えば「東京 賃貸オフィス」を完全一致で設定した場合、どうなるでしょうか。

・東京 賃貸オフィス(〇)

・東京 貸事務所(〇:全く同じ意味)

・東京 賃貸オフィス おすすめ(✕:別の単語が追加されているため表示されない)

前後に他の単語がついた時点で、広告は表示されなくなります。

確実にコンバージョン(成果)に繋がると分かっている指名キーワードなどに使うのが、鉄板の戦略ですね。

「フレーズ一致」と「部分一致」の違いを専門的な視点で解説

【要点】

現代のリスティング広告運用においては、AIの機械学習を最大化するために「部分一致+スマート自動入札」の組み合わせが推奨されています。

少し専門的なマーケティングの視点からも、この二つの違いを紐解いてみましょう。

昔の広告運用担当者は、無駄なクリックを避けるためにフレーズ一致や完全一致を多用し、手動で入札単価を細かく調整していました。

しかし、現在は検索エンジンのアルゴリズムが劇的に進化しています。

AIがユーザーの過去の検索履歴、位置情報、時間帯などを分析し、コンバージョンする確率をリアルタイムで予測する「スマート自動入札」が主流となりました。

このAIの力を最大限に引き出すための燃料となるのが「データ」です。

部分一致を使うことで膨大な検索データがAIに供給され、機械学習の精度が飛躍的に向上するのです。

そのため、現在はGoogleなどの媒体側も「部分一致と自動入札の組み合わせ」を強く推奨しています。

ただし、学習が安定するまでは費用が高騰するリスクがあるため、予算が少ない初期段階ではフレーズ一致で慎重に運用をスタートする戦略も有効でしょう。

リスティング広告運用で失敗から学んだマッチタイプの使い分け体験談

僕自身も過去に、このマッチタイプの設定で冷や汗をかくような失敗を経験しました。

Web広告の運用担当になってまだ日が浅かった頃、ある美容サロンのキャンペーン案件を任されたんです。

「とにかくたくさんの人に広告を見てもらいたい!」と意気込んだ僕は、主要なキーワードをすべて「部分一致」で設定して広告を配信しました。

数日後、管理画面を見て青ざめました。

用意していた広告予算の半分が、あっという間に消えていたのです。

慌てて「検索語句レポート」を確認すると、そこには驚くべき事実が記録されていました。

美容サロンの予約とは全く関係のない「美容師 求人」「エステ 開業 資金」といった、関連するだけの検索語句で大量にクリックされていたんです。

「やってしまった……」と、頭を抱えました。

AIの拡張力を完全に甘く見ていたんですね。

すぐにすべてのキーワードを「フレーズ一致」に変更し、無駄なクリックを引き起こしていた単語を「除外キーワード」に設定しました。

その結果、クリック数は減りましたが、確実に予約に繋がるユーザーだけを集客できるようになり、無事に目標の獲得単価をクリアすることができました。

この経験から、部分一致を使う時は日々の検索語句チェックと除外設定がセットで必須であることを痛感しました。

便利だからとAIに丸投げするのではなく、人間がしっかりと手綱を握る必要があるのですよね。

「フレーズ一致」と「部分一致」に関するよくある質問

Q. 広告の運用を始めたばかりです。最初はどちらを設定すべきですか?

A. 予算に余裕がない場合は「フレーズ一致」から始めるのが安全です。無駄なクリックを抑えつつ、どんな語句で成果が出るのかを確認してから、少しずつ「部分一致」へ拡張していくのがおすすめです。

Q. 部分一致を使うのは怖いのですが、何か対策はありますか?

A. 「除外キーワード」の設定を徹底してください。配信開始後、毎日「検索語句レポート」を確認し、自社のサービスに無関係な単語をこまめに除外していくことで、AIの学習精度が高まり、精度の高い配信が可能になります。

Q. フレーズ一致は昔と仕様が変わったと聞きましたが?

A. はい、かつては「語順」が完全に一致していないと表示されませんでした。現在は仕様が変更され、語順が逆でも「意味が同じ」であれば広告が表示されるようになり、以前よりも柔軟性が増しています。

「フレーズ一致」と「部分一致」の違いのまとめ

最後に、それぞれの違いを簡単におさらいしましょう。

・フレーズ一致は、キーワードの「意味」が含まれる検索語句に堅実に配信する。
・部分一致は、キーワードに「関連」する幅広い検索語句にまで柔軟に拡張して配信する。

どちらが優れているというわけではなく、目的に応じた使い分けが肝心です。

最近のインターネット利用状況は多様化しており、総務省の統計局のデータを見ても、ユーザーの検索行動はますます複雑になっています。

ひとつの検索キーワードから広がるユーザーの意図を正確に捉えることは、現代のビジネスにおいて欠かせないスキルと言えるでしょう。

リスティング広告に限らず、言葉の定義を正しく理解することはマーケティングの第一歩です。

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