「have」と「has」の違いは主語だけ!現在形の肯定文・否定文・疑問文

英語を学び始めると、最初に出会う動詞の一つが “have” ですよね。

でも、「持つ」という意味で使いたいのに、”have” だったり “has” だったり… 「あれ、どっちを使うんだっけ?」と迷った経験、きっとあるはずです。

この二つの使い分け、実はとってもシンプル。文の主語が誰(何)なのかだけで決まるんです。これは英語の超基本ルール、「三人称単数現在形」に関わるお話なんですよ。

この記事を読めば、「have」と「has」の明確な使い分けルールから、否定文・疑問文での形、よくある間違いまでしっかり理解できます。「どっちだっけ?」ともう迷うことはありません。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「have」と「has」の最も重要な違い

【要点】

基本的には、主語が「三人称単数(he, she, it など)」で「現在形」のときだけ「has」を使い、それ以外の主語(I, you, we, they, 複数形)や過去形の場合は「have」(または過去形の had)を使います。「持つ」「食べる」「(時間を)過ごす」など様々な意味で使われます。

まず、結論からお伝えしますね。

「have」と「has」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目 have has
使う主語 三人称単数以外
(I, you, we, they, 複数の名詞)
三人称単数
(he, she, it, 単数の名詞)
時制 現在形(または原形・過去形 had) 現在形
主な意味 持つ、食べる、飲む、(時間を)過ごす、経験する など 持つ、食べる、飲む、(時間を)過ごす、経験する など
否定文 (do/does) don’t have doesn’t have
疑問文 (do/does) Do you have …? Does she have …?
文法的な説明 一般動詞(原形) 一般動詞 have の三人称単数現在形

一番のポイントは、主語が「彼(he)」「彼女(she)」「それ(it)」または「一人の人」「一つの物」のときだけ、現在形では “has” を使うという点です。それ以外の場合(私、あなた、私たち、彼ら、複数の人・物)は “have” を使います。

例えば、「私はペンを持っています」なら “I have a pen.” ですが、「彼はペンを持っています」なら “He has a pen.” となります。

たったこれだけのルールなんですよ!

なぜ違う?文法的な違い(主語の一致)からイメージを掴む

【要点】

「has」は動詞「have」が、主語が三人称単数(he, she, it など)で時制が現在形のときに特別に変化した形(不規則変化)です。これは英語の基本的なルール「主語と動詞の一致」によるものです。

なぜ主語によって “have” と “has” を使い分ける必要があるのでしょうか?

これは英語の基本的な文法ルールである「主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)」に基づいています。簡単に言うと、「主語に合わせて動詞の形を変えましょう」というルールです。

そして、この使い分けに直接関係するのが、英語学習で最初につまずきやすい「三人称単数現在形」、通称「三単現のs」のルールです。

「have」を使う主語

“have” は、以下のような主語と一緒に使われます。

  • 一人称単数: I (私)
  • 二人称単数: you (あなた)
  • 一人称複数: we (私たち)
  • 二人称複数: you (あなたたち)
  • 三人称複数: they (彼ら、彼女ら、それら)、複数の名詞(例: Ken and Mari, my dogs)

これらの主語の場合、現在形の一般動詞は基本的に原形(元の形)のまま使いますよね。(例: I play tennis. They like sushi.) “have” も同じで、これらの主語のときはそのまま “have” を使います。

  • I have breakfast at seven. (私は7時に朝食をとります。)
  • You have a nice smile. (あなたは素敵な笑顔をしていますね。)
  • We have two cats. (私たちは猫を2匹飼っています。)
  • They have a meeting every Monday. (彼らは毎週月曜日に会議があります。)

「has」を使う主語(三人称単数現在形)

一方、「has」を使うのは、主語が「三人称単数」で、文の時制が「現在形」の場合に限られます。

三人称単数とは、話し手(I, we)と聞き手(you)以外の、一人または一つのもののことです。

  • 三人称単数: he (彼), she (彼女), it (それ)、単数の名詞(例: Ken, my dog, the company)

この三人称単数の主語で現在形の文を作るとき、一般動詞には原則として「s」や「es」がつきます(例: He plays tennis. She likes sushi.)。

“have” はこのルールに従う際、”haves” とはならず、不規則に形を変えて “has” になります

  • He has a brother. (彼には兄弟がいます。)
  • She has lunch at noon. (彼女は正午に昼食をとります。)
  • It has a long tail. (それには長いしっぽがあります。)
  • Ken has many friends. (ケンにはたくさんの友達がいます。)
  • My dog has blue eyes. (私の犬は青い目をしています。)

この「主語が三人称単数・現在形なら has!」というルールを覚えてしまえば、使い分けは簡単ですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

肯定文では主語に合わせて have/has を使い分けます。否定文・疑問文では助動詞 do/does を使い、have は常に原形の have になります(例: doesn’t have, Does he have…?)。

ルールが分かったところで、肯定文・否定文・疑問文それぞれのパターンで例文を見て、使い方に慣れていきましょう。

肯定文での使い方

主語に合わせて “have” または “has” を使い分けます。「持つ」以外の意味(食べる、過ごすなど)でもルールは同じです。

【例文:have】

  • I have a question. (質問があります。)
  • You have beautiful hair. (あなたは美しい髪をしていますね。)
  • We usually have dinner around 7 PM. (私たちはたいてい午後7時ごろ夕食をとります。)
  • They have fun at the party. (彼らはパーティーで楽しんでいます。)
  • My friends have good ideas. (私の友達は良いアイデアを持っています。)

【例文:has】

  • He has a new car. (彼は新しい車を持っています。)
  • She has a meeting this afternoon. (彼女は今日の午後、会議があります。)
  • It has four legs. (それには脚が4本あります。)
  • The cat has breakfast early. (その猫は朝食を早く食べます。)
  • This company has many employees. (この会社には多くの従業員がいます。)

否定文での使い方(don’t have / doesn’t have)

一般動詞 “have” の現在形の否定文を作るには、助動詞 “do” または “does” の否定形(don’t / doesn’t)を使います。この場合、”has” は使わず、必ず動詞の原形である “have” を使います

【例文:don’t have】

  • I don’t have any money with me. (私は今、お金を持ち合わせていません。)
  • You don’t have to worry. (あなたは心配する必要はありません。)
  • We don’t have classes tomorrow. (私たちは明日、授業がありません。)
  • They don’t have children. (彼らには子供がいません。)

【例文:doesn’t have】

  • He doesn’t have a driver’s license. (彼は運転免許を持っていません。)
  • She doesn’t have much time. (彼女にはあまり時間がありません。)
  • It doesn’t have any batteries. (それには電池が入っていません。)
  • My brother doesn’t have breakfast. (私の兄(弟)は朝食を食べません。)

「He doesn’t has…」とはならない点に注意が必要ですね。

疑問文での使い方(Do you have…? / Does he have…?)

一般動詞 “have” の現在形の疑問文(Yes/Noで答えられる質問)を作るには、助動詞 “Do” または “Does” を文の最初に置きます。ここでも“has” は使わず、必ず動詞の原形 “have” を使います

【例文:Do … have?】

  • Do I have enough time? (私には十分な時間がありますか?)
  • Do you have any siblings? (あなたには兄弟姉妹がいますか?)
  • Do we have homework today? (私たちは今日、宿題がありますか?)
  • Do they have pets? (彼らはペットを飼っていますか?)

【例文:Does … have?】

  • Does he have a girlfriend? (彼には彼女がいますか?)
  • Does she have coffee every morning? (彼女は毎朝コーヒーを飲みますか?)
  • Does it have Wi-Fi? (それにはWi-Fiが付いていますか?)
  • Does your sister have a car? (あなたのお姉さん(妹さん)は車を持っていますか?)

ここでも「Does she has…?」とはならないのがポイントです。

What, Where などの疑問詞を使う場合は、「疑問詞 + do/does + 主語 + have …?」の語順になります。

  • What do you have in your bag? (あなたはカバンの中に何を持っていますか?)
  • How many books does he have? (彼は本を何冊持っていますか?)

これはNG!間違えやすい使い方

ルールは単純ですが、慣れないうちは間違えやすいものです。よくある間違いを見てみましょう。

  • 【NG】 She have two dogs. (主語が三人称単数なので have は間違い)
  • 【OK】 She has two dogs.
  • 【NG】 He don’t has much money. (否定文では doesn’t を使い、動詞は have に)
  • 【OK】 He doesn’t have much money.
  • 【NG】 Do your father has a car? (疑問文では Does を使い、動詞は have に)
  • 【OK】 Does your father have a car?
  • 【NG】 They has a big house. (主語が三人称複数なので has は間違い)
  • 【OK】 They have a big house.

特に否定文と疑問文で “has” を使ってしまう間違いが多いので、しっかり意識したいですね。

【応用編】似ている助動詞「be動詞」との違いは?

【要点】

「have/has」は「持つ」「食べる」などの意味を持つ一般動詞(否定文・疑問文では助動詞 do/does を使う)です。一方、「be動詞(is, am, are など)」は「〜です」「〜いる」という意味で、否定文・疑問文は be動詞自体を変化させて作ります。完了形(have/has + 過去分詞)を除き、「have/has」と「be動詞」を単純に一緒に使うことはありません。

英語の基本的な動詞として、「have/has」と「be動詞」(is, am, are など)はよく比較されますが、役割が全く異なります。

「have/has」は、「持つ」「食べる」「過ごす」などの意味を持つ一般動詞です。否定文や疑問文を作る際には、原則として助動詞「do/does」が必要です。

一方、「be動詞」は、「〜です」「〜いる」「〜ある」といった主語の状態や存在を表す動詞です。否定文や疑問文は、be動詞自体を変化させたり(例: is not)、語順を変えたり(例: Is he…?)して作ります。「do/does」は使いません。

【have/has (一般動詞) の場合】

  • He has a book. (彼は本を持っています。)
  • He doesn’t have a book.
  • Does he have a book?

【be動詞の場合】

  • He is busy. (彼は忙しいです。)
  • He is not busy.
  • Is he busy?

「He is have a book.」や「Does he is busy?」のように、単純に両方を一緒に使うことはできません

ただし、例外として現在完了形(have/has + 過去分詞)があります。この場合の “have/has” は助動詞として使われます。

  • He has finished his homework. (彼は宿題を終えました。)
  • Have you ever been to Kyoto? (あなたは京都に行ったことがありますか?)

この完了形の用法は少し発展的な内容になりますが、「持つ」という意味の一般動詞 “have/has” と、be動詞は基本的に一緒に使わない、と覚えておくと混乱が少ないでしょう。

「have」と「has」の違いを英語学習の視点から解説

【要点】

「have/has」の使い分けは、英語の「主語と動詞の一致」という fundamental なルールを理解するための第一歩です。特に「三人称単数現在形」は日本語にない概念のため、多くの学習者がつまずきますが、これを意識的に練習し自動化することが、正確な英語を話す・書くための基礎固めとなります。

英語教育において、「have」と「has」の使い分けは、学習者が英語の最も基本的な文法規則の一つである「主語と動詞の一致」、特に「三人称単数現在形」を理解しているかを測る、最初の関門と言えます。

なぜこれが重要かというと、英語では「誰が(何が)〜するか」によって動詞の形が変わるという感覚が非常に大切だからです。日本語では「私が行く」「彼が行く」のように主語が変わっても動詞の形は変わりませんが、英語では “I go” に対し “He goes” と変化しますよね。”have” が “has” になるのも、これと全く同じ原理です。

多くの学習者、特に非英語圏の学習者は、この「三人称単数現在形」の概念に慣れるまで時間がかかります。頭では理解していても、会話や作文になるとつい “He have…” や “She don’t have…” のような間違いをしてしまいがちです。

これは、単なる知識不足というよりは、ルールを意識せずに使えるレベルまで「自動化」できていないことが原因です。スポーツでフォームを体に覚え込ませるのと同じように、文法ルールも反復練習によって無意識レベルで使えるようにする必要があります。

そのため、英語の授業や教科書では、

  1. まず「I have」「You have」「He has」「She has」… と主語と動詞の正しい組み合わせを提示し、
  2. 次に、否定文(doesn’t have)や疑問文(Does he have?)での「have」への統一ルールを教え、
  3. 最後に、様々な主語を使った文の穴埋め問題や並べ替え問題、英作文などで定着を図る、

というステップで指導することが一般的です。

この「have/has」の使い分けは、一見小さな違いに見えますが、これができないと、英語の基本的な文構造に対する理解が不十分であると見なされかねません。逆に言えば、ここをしっかりマスターすることで、英語の基礎が固まっているという印象を与え、より複雑な文法事項へのスムーズな移行が可能になるのです。

僕がプレゼンで「has」を使い間違えて冷や汗をかいた体験談

大人になってからも、うっかり「have」と「has」を間違えて恥ずかしい思いをしたことがあります…。あれは入社3年目、初めて海外のクライアント向けに英語でプレゼンをする機会があったときのことです。

準備は万端、何度も練習して臨んだ当日。質疑応答の時間に、クライアントの一人から自社製品の機能について質問がありました。

「Does your product have the function for data analysis?」(御社の製品にはデータ分析機能はありますか?)

練習していなかった質問に少し焦りつつも、「はい、あります」と答えたかった僕は、自信を持ってこう答えました。

“Yes, it have.”

言い終わった瞬間に、「しまった!」と思いました。主語は “it” (your product) で三人称単数。だから “Yes, it has.” と言うべきだったのです!

クライアントは特に表情を変えませんでしたが、隣にいた上司の眉が一瞬ピクリと動いたのを見逃しませんでした…。プレゼン自体はなんとか乗り切りましたが、終了後、上司から「基本的なミスは避けよう。特に主語と動詞の一致は基本中の基本だぞ」と、やんわり注意を受けました。

学生時代にあれだけ練習したはずの「三人称単数現在形」。頭では分かっているのに、緊張や焦りがあると、つい簡単なミスをしてしまうものだなと痛感しました。特に “Yes, it does.” と答えるべきところを “Yes, it have.” と言ってしまうのは、主語が省略されがちな返答だからこそ、より意識しないといけない点でした。

この経験から、どんなに基本的なことでも、体に染みつくまで練習し、どんな状況でも自然に出てくるレベルにしておくことの重要性を再認識しました。プレゼンの前には、基本的な応答パターンも含めて、声に出して練習するようになりましたね。あの時の冷や汗は、今でも良い教訓です。

「have」と「has」に関するよくある質問

Q1: なぜ三人称単数現在形だけ動詞の形が変わるのですか?

A1: 歴史的な経緯によるもので、古英語の時代の活用形の名残が、現代英語では三人称単数現在形の -(e)s という形で残っている、と一般的に説明されます。言語のルールとしてそうなっている、と割り切って覚えるのが現実的です。

Q2: 否定文や疑問文では、なぜ “has” ではなく “have” を使うのですか?

A2: 否定文や疑問文では、助動詞 “does” が主語に合わせて変化する役割(三人称単数現在形を示す役割)を担ってくれるため、その後に続く一般動詞 “have” は元の形(原形)のままで良い、というルールだからです。一つの文の中で、同じ役割(三単現を示す)を二度繰り返す必要はない、と考えると分かりやすいかもしれません。

Q3: 過去形の場合はどうなりますか?

A3: 過去形の場合は、主語が何であっても動詞は過去形“had”を使います。”have” や “has” のような使い分けはありません。例えば、「I had a dog.」「She had a dog.」のように、主語に関わらず “had” になります。否定文・疑問文では助動詞 “did” を使い、動詞は原形 “have” になります(例: Did she have a dog? / I didn’t have a dog.)。

「have」と「has」の違いのまとめ

英語の基本動詞、「have」と「has」の違い、これでバッチリですね!

最後に、この記事のポイントをまとめておきましょう。

  1. 違いは主語だけ!:主語が三人称単数(he, she, it など)現在形のときだけ「has」、それ以外は「have」
  2. 意味は同じ:「持つ」「食べる」「過ごす」など、基本的な意味はどちらも同じ。
  3. 否定文・疑問文に注意:助動詞「do/does」を使う場合、動詞は必ず原形の「have」になる(doesn’t have / Does he have?)。
  4. be動詞とは区別:「have/has」は一般動詞、「be動詞」とは役割も使い方も違う(完了形を除く)。

このルールは、英語の文を作る上で絶対に欠かせない基礎です。最初は少し意識する必要があるかもしれませんが、練習を重ねれば必ず自然に使いこなせるようになります。

今日から自信を持って “have” と “has” を使い分けて、より正確な英語表現を目指してくださいね。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。