「is」と「are」、どちらもbe動詞で「〜です」「〜がある」という意味ですが、瞬時に使い分けられていますか?
この2つの違いは、主語が「単数(ひとり・ひとつ)」か「複数(ふたり・ふたつ以上)」かという点にあります。
この記事を読めば、「Everyone(みんな)」は複数っぽいけれど「is」なのか「are」なのか、といった迷いやすいポイントも含めて、自信を持って正しい英語を使えるようになります。
それでは、まず最も重要な結論から見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「is」と「are」の最も重要な違い
基本的には主語が「単数」なら「is」、「複数」なら「are」と覚えるのが鉄則です。ただし、「I(私)」と「You(あなた)」は例外的なルールを持つため注意が必要です。
まずは、この2つの言葉の決定的な違いを以下の表で確認しましょう。
どちらを使うかは、「誰(何)が主語か」によって自動的に決まります。
| 項目 | is | are |
|---|---|---|
| 対象の数 | 単数(1人、1つ) | 複数(2人以上、2つ以上) ※Youは単数でもare |
| 主語の例 | He, She, It, This, That, Tom, The dog | We, They, These, Those, Tom and Jerry, The dogs, You |
| 人称 | 三人称単数 | 二人称(単・複)、一人称複数、三人称複数 |
| 覚え方 | 「一人(一つ)」は is | 「みんな(二つ以上)」と「あなた」は are |
このように、「is」は「孤独(単独)」、「are」は「集団」というイメージで捉えることができます。
最大の注意点は「You(あなた)」です。相手が一人でも複数でも、常に「are」を使います。
なぜ違う?主語との関係(単数と複数)からイメージを掴む
「be動詞」は主語の状態や存在をイコールで結ぶ接着剤です。主語の形に合わせて接着剤の形も変わるとイメージしてください。「is」は小さな点(単数)に、「are」は広い面(複数)に対応します。
なぜ同じ「〜です」という意味なのに、形を変える必要があるのでしょうか。
それは、英語が「数」に対して非常に敏感な言語だからです。
- is(単数用):
主語が「三人称単数」の場合に使います。三人称とは「私(I)」と「あなた(You)」以外の全てです。
イメージ:スポットライトがたった一人の人物や、一つの物に当たっている状態。「This is a pen.」のように、対象が明確に一つであることを示します。 - are(複数・You用):
主語が「複数」の場合、または「You」の場合に使います。
イメージ:広角レンズで複数の人々や物全体を映している状態。また、「You」に「are」を使うのは、相手(あなた)を自分と同等の存在として尊重する、あるいは目の前の相手だけでなくその背景も含めて捉えるような広がりがあるとも言われます。
「is」は「・(点)」、「are」は「・・(点々)」や「〇(広がり)」とイメージすると、感覚的に使い分けやすくなるでしょう。
具体的な例文で使い方をマスターする
「主語」を見れば答えは決まります。「My friend(単数)」なら「is」、「My friends(複数)」なら「are」です。特に「And」でつながれた主語は複数扱いになる点に注意しましょう。
ここでは、シーン別に自然な使い分けを見ていきましょう。
日常会話での使い分け
身の回りの人や物の状態を説明する場面です。
- My brother is a student.
(私の兄は学生です。)
※兄は「一人(三人称単数)」なので「is」。 - My parents are teachers.
(私の両親は教師です。)
※両親は「二人(複数)」なので「are」。 - Tom and Jerry are good friends.
(トムとジェリーは仲良しです。)
※トム一人なら「is」ですが、「トムとジェリー」で二人になるので「are」になります。
ビジネスでの使い分け
会社や製品について説明する場面です。
- Our company is located in Tokyo.
(当社は東京にあります。)
※会社は一つの組織(単数)として扱うので「is」。 - These documents are important.
(これらの書類は重要です。)
※書類が複数あるので「are」。
避けるべきNG例
主語の「s」の有無だけで判断すると間違えることがあります。
- × Everyone are happy.
(みんな幸せです。)
※「Everyone(みんな)」は意味は複数っぽいですが、文法上は「一人ひとり」に焦点を当てる単数扱いなので「is」が正解です。 - ○ Everyone is happy.
(みんな幸せです。)
【応用編】似ている言葉「am」との関係と「不可算名詞」の罠
「am」は「I(私)」専用のbe動詞です。また、水や情報などの「数えられない名詞(不可算名詞)」は、量が多くても単数扱いとして「is」を使います。
be動詞の仲間である「am」と、迷いやすい「不可算名詞」について整理します。
- am:
主語が「I(私)」の時だけに使います。
例:I am Japanese.(私は日本人です。) - 不可算名詞は「is」:
Water(水)、Money(お金)、Information(情報)などは数えられないため、単数扱いになります。
例:The water is cold.(その水は冷たい。)
例:Your information is helpful.(あなたの情報は役に立ちます。)
「News(ニュース)」は「s」がついていますが、不可算名詞扱いなので「The news is interesting.」となります。ここは多くの人が引っかかるポイントです。
「is」と「are」の違いを学術的に解説
言語学では「主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)」と呼ばれる規則です。英語はインド・ヨーロッパ語族の屈折語の特徴を残しており、主語の人称と数に応じて動詞が形態変化を起こす性質を持っています。
専門的な視点から見ると、be動詞は英語の中で最も激しく活用(変化)する動詞です。
現代英語では一般動詞の活用はかなり簡略化されました(例:play / plays)が、be動詞だけは古英語の複雑な活用体系を色濃く残しています。
- 三人称単数現在(三単現):
主語が「I」「You」以外で「単数」の場合、動詞に「s」がついたり形が変わったりします。「is」はこの規則の代表例です。 - 集合名詞の扱い(Collective Nouns):
「Family(家族)」や「Team(チーム)」のような言葉は、アメリカ英語では「一つのまとまり」として単数扱い(is)が一般的ですが、イギリス英語では「構成員」に焦点を当てて複数扱い(are)することも許容されます。
例(米):My family is big.
例(英):My family are all tall.
「is」と「are」に関する失敗体験談
僕が中学生の頃、英語のテストで悔しい思いをした体験談をお話しします。
テスト問題に「Everyone ( ) busy.」という穴埋め問題がありました。「Everyone」は日本語訳すると「みんな」です。
僕は自信満々に「みんな=たくさんいる=複数!」と考えて、迷わず「are」と書きました。
しかし、返ってきた答案用紙には無情にも赤ペンで「×」がつけられ、正解は「is」だと書かれていました。
「なんでだよ!みんなって言ったら複数じゃん!」
納得がいかず、放課後に先生に抗議しに行きました。
先生はニッコリ笑ってこう言いました。「『Everyone』はね、『every(どの〜も)』+『one(一人)』なんだよ。『一人ひとり、誰もが』という意味だから、文法的には『一人』扱いなんだ」
目から鱗が落ちました。
「みんな」という日本語訳のイメージだけで捉えていた自分の浅はかさを痛感した瞬間です。
それ以来、「Every」がついたら「単数(is)」、と脳に刻み込みました。この失敗のおかげで、大人になった今でも「Everyone is」を間違えることはありません。
「is」と「are」に関するよくある質問
ここでは、疑問に思いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
Q. 「There is」と「There are」はどう使い分けますか?
A. 後ろに来る言葉が単数なら「There is」、複数なら「There are」です。
例:There is a pen.(ペンが一本ある。)
例:There are two pens.(ペンが二本ある。)
Q. 「A number of」と「The number of」で動詞が変わるって本当?
A. はい、本当です。ここもテストによく出る難所です。
「A number of ~」は「たくさんの~」という意味で複数扱い(are)です。
「The number of ~」は「~の数」という意味で、数そのものは一つなので単数扱い(is)です。
Q. 「Tomorrow is…」ですか?「Tomorrow are…」ですか?
A. 「Tomorrow(明日)」は一つの概念なので単数扱い、「is」を使います(未来のことなので will be が使われることも多いですが、確定した予定なら is も使えます)。
「is」と「are」の違いのまとめ
いかがでしたでしょうか。
「is」と「are」は、どちらも「〜です」という意味ですが、主語の数によって明確に使い分けられます。
- is:主語が「単数(一人・一つ)」の時に使う。(IとYou以外)
- are:主語が「複数(二人・二つ以上)」または「You」の時に使う。
迷ったときは、「主語は一人ぼっちか?それとも仲間がいるか?」と考えてみてください。「一人ぼっち(単数)」なら「is」、「仲間がいる(複数)」なら「are」です。
この基本ルールさえ押さえておけば、英語の文法ミスはぐっと減るはずです。
英語由来の言葉や、カタカナ語の使い分けについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
また、より専門的な文法知識については、文化庁の日本語教育に関する資料や、信頼できる英語学習サイトでも知識を深めてみることをおすすめします。
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