「is」は「状態・性質(〜である)」を表すbe動詞であり、「does」は「動作・習慣(〜する)」への質問や否定を作る助動詞である点が決定的な違いです。
なぜなら、「is」は主語と情報をイコール(=)でつなぐ役割を持ちますが、「does」は隠れている「do(する)」という動作のエネルギーを引き出すスイッチのような役割を持つから。
この記事を読めば、「Is he…?」と「Does he…?」のどちらを使えばいいのか一瞬で判断できるようになり、英会話の初歩的なミスを完全に防げるようになります。
それでは、まず二つの違いを整理した一覧表から詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「is」と「does」の最も重要な違い
「is」は「状態(〜です)」を聞くときに使い、後ろには名詞や形容詞が来ます。「does」は「動作(〜しますか)」を聞くときに使い、後ろには動詞の原形が来ます。「静止画」か「動画」かで判断すると分かりやすいです。
まずは、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | is(be動詞) | does(助動詞) |
|---|---|---|
| 中心的な役割 | 状態・存在を表す | 動作・習慣を聞く |
| 後ろに来る言葉 | 名詞・形容詞・場所 | 動詞(原形) |
| イメージ | イコール(=)、静止画 | アクション(→)、動画 |
| 日本語訳の例 | 〜ですか?(学生ですか?忙しいですか?) | 〜しますか?(勉強しますか?行きますか?) |
一番大切なポイントは、聞きたい内容が「動き(アクション)」ならdoes、「様子(状態)」ならisを使うという点ですね。
例えば、「彼はテニスをしますか?」と聞きたい場合、「テニスをする」という動きがあるので「Does he play tennis?」となります。
一方で、「彼はテニス選手ですか?」と聞きたい場合、「選手である」という状態(イコール関係)なので「Is he a tennis player?」となるわけです。
この「動きの有無」を意識しておくと、迷うことが激減するでしょう。
なぜ違う?役割とコアイメージから「is」と「does」を掴む
「is」は左(主語)と右(情報)をつなぐ「=(イコール)」の記号です。「does」は一般動詞(動作)の中に隠れている「do」を疑問文のために外に出した「スイッチ」のような存在です。
なぜこの二つの言葉の使い分けが必要なのか、その文法的な役割とイメージを紐解くと、理由がよくわかりますよ。
「is」のイメージ:イコール(=)でつなぐ
「is(be動詞)」の本来の役割は、主語と、その説明(補語)をイコールでつなぐことです。
「He is happy.」は「彼 = 幸せ」という図式を成立させています。
疑問文の「Is he happy?」になっても、「彼 = 幸せ、ですか?」というイコールの関係を確認していることに変わりありません。
動きはなく、その場の状態や属性を「静止画」として捉えるイメージです。
「does」のイメージ:動作を引き出すスイッチ
一方、「play(遊ぶ)」「eat(食べる)」「run(走る)」などの一般動詞には、目には見えませんが「do(する)」というエネルギーが含まれています。
疑問文を作るとき、この隠れたエネルギーを文頭に引っ張り出す必要があります。
主語が三人称単数(he, she, itなど)の場合、この「do」が変化して「does」になります。
つまり、「does」は「これから動作の話をしますよ」という合図(スイッチ)なのです。
だから後ろには必ず「具体的な動作(動詞)」が続きます。
具体的な例文で使い方をマスターする
「Is he a teacher?(名詞)」「Is she kind?(形容詞)」のように、職業や性格を聞くならis。「Does he teach?(動詞)」「Does she like it?(動詞)」のように、行為や好みの動きを聞くならdoesです。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
「is」を使う場面(名詞・形容詞・場所)
【OK例文】
- Is he a doctor?
(彼は医者ですか? ※名詞:職業=状態) - Is this pen yours?
(このペンはあなたのですか? ※名詞:所有=状態) - Is she busy now?
(彼女は今忙しいですか? ※形容詞:様子=状態) - Is your father at home?
(お父さんは家にいますか? ※場所:所在=存在)
「does」を使う場面(動詞の原形)
【OK例文】
- Does he work here?
(彼はここで働いていますか? ※動詞:働く=動作・習慣) - Does this pen write well?
(このペンはよく書けますか? ※動詞:書く=機能・動作) - Does she play the piano?
(彼女はピアノを弾きますか? ※動詞:弾く=動作) - Does it rain a lot in June?
(6月はよく雨が降りますか? ※動詞:降る=自然現象の動作)
これはNG!間違えやすい使い方
日本人英語学習者が最も陥りやすい、典型的なミスです。
- 【NG】Does he a student?
(彼は学生しますか? ??) - 【OK】Is he a student?
(彼は学生ですか?)
「student(学生)」は名詞であり動作ではないので、「does(〜する)」は使えません。
- 【NG】Is she like coffee?
(彼女はコーヒー=好き、ですか??) - 【OK】Does she like coffee?
(彼女はコーヒーを好みますか?)
「like(好む)」は心の動きを表す一般動詞です。動詞があるときは「is」ではなく「does」を使います。
【応用編】「Is he playing?」進行形との違いは?
「Is he playing?」は現在進行形で、「今まさにしている最中か」を聞いています。この場合、ing形は形容詞的な役割(〜している状態)を持つため「is」を使います。「Does he play?」は「(普段・習慣として)しますか?」を聞いています。
ここで一つ疑問が浮かぶかもしれません。
「play(遊ぶ)」は動詞なのに、「Is he playing tennis?」と言うことがありますよね。
これは「現在進行形」と呼ばれる形です。
「playing」のように「-ing」がつくと、動詞は「〜している最中の」という形容詞のような性質(現在分詞)に変化します。
だから、「彼 = プレイしている最中の状態」というイコール関係が成り立ち、「is」を使うのです。
- Does he play tennis?
(彼は(習慣として)テニスをしますか? ※今しているかは関係ない) - Is he playing tennis?
(彼は(今まさに)テニスをしていますか? ※実況中継的なニュアンス)
「is」と「does」の違いを文法的に解説
文法的には、述語動詞の種類で決まります。述語がbe動詞なら疑問文もbe動詞(Is/Are)を前に出します。述語が一般動詞なら、助動詞do/does/didを借りてきて前に出します。一つの文に述語動詞は一つだけという大原則に基づいています。
少し専門的な視点から、この違いを深掘りしてみましょう。
英語の文法の鉄則に「1つの文に動詞は1つだけ」というルールがあります。
「Is he play soccer?」という間違いがなぜ起こるかというと、「Is(be動詞)」と「play(一般動詞)」という2つの動詞(主役)が喧嘩してしまうからです。
文を作るときは、まず「主役(動詞)は誰か?」を決めます。
- 「です・ます(状態)」が主役なら → be動詞(is/am/are)を使う。
疑問文は、be動詞をそのまま前に出す。(例:He is… → Is he…?) - 「する(動作)」が主役なら → 一般動詞(play/eatなど)を使う。
疑問文は、助っ人(助動詞)のdo/doesを呼んできて前に出す。(例:He plays… → Does he play…?)
この「主役はどっち?」という意識を持つことが、文法的に正しい使い分けの第一歩です。
「Is he play soccer?」と言って混乱を招いた僕の体験談
僕が中学生の頃、初めてのALT(外国語指導助手)の先生との会話で、大失敗をしたことがあります。
休み時間に、クラスメイトの男子が校庭で何かしているのが見えました。
僕は先生に「彼はサッカーをしてるの?」と聞きたくて、自信満々にこう言いました。
「Is he play soccer?」
先生は一瞬「ん?」という顔をして、優しくこう直してくれました。
「Do you mean, ‘Is he playing soccer?’ or ‘Does he play soccer?’」
当時の僕は、この2つの違いがよく分かっていませんでした。
先生の説明によると、僕の言った「Is he play soccer?」は、文法的に崩壊しているだけでなく、意味としても「彼はサッカー(という物体や概念)そのものですか?」と聞いているような、奇妙な響きがあったそうです。
「Is」を使った瞬間、ネイティブの頭の中には「彼 = ?」というイコールの方程式が準備されます。
そこに「play(動詞)」が放り込まれると、方程式が成立せず、脳がエラーを起こしてしまうのです。
「動詞を使いたいなら、Isは引っ込めてDoesを呼んでこい!」
その時の恥ずかしさと共に、このルールが僕の頭に深く刻まれました。
それ以来、文頭の言葉を選ぶときは「イコールかな?アクションかな?」と一瞬考える癖がつきました。
皆さんも、最初の一言でつまずかないよう、「is」と「does」の役割分担を意識してみてくださいね。
「is」と「does」に関するよくある質問
「Does he busy?」はなぜ間違いなのですか?
「busy(忙しい)」は形容詞だからです。形容詞は動作(〜する)を表せないので、助動詞「does」とは一緒に使えません。「彼=忙しい状態」というイコール関係なので、「Is he busy?」が正解です。「Does」を使うには動詞が必要です(例:Does he look busy? 彼は忙しそうに見えますか?)。
「What is he do?」と「What does he do?」の違いは?
「What is he do?」は文法的に誤りです。「What is he doing?(彼は今何をしていますか?)」なら現在進行形でOKです。「What does he do?」は「彼は(普段・仕事として)何をしていますか?=職業は何ですか?」という意味になります。
「is」と「does」が両方出てくる文はありますか?
あります。例えば「He is working hard, doesn’t he?(彼は一生懸命働いていますね?)」のような付加疑問文や、関係代名詞を使った文などで登場しますが、基本の「主語+動詞」のセットの中では、be動詞と一般動詞(doesが補助する場合含む)が並列して主役になることはありません。
「is」と「does」の違いのまとめ
「is」と「does」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本ルール:「is」は状態(〜である)、「does」は動作(〜する)。
- 後ろの言葉:「is」の後は名詞・形容詞。「does」の後は動詞の原形。
- イメージ:「is」はイコール(=)の静止画。「does」はアクションの動画。
- 進行形:「〜している最中」は「ing」をつけて「is」を使う。
「イコールで結べるか」それとも「動きがあるか」。
このシンプルな問いかけを頭の中で行うだけで、正しい英語が口から出てくるようになります。
これからは自信を持って、的確な質問を投げかけていきましょう。
言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、英語由来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。
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