庭の芝生づくりで迷いがちな「高麗芝」と「姫高麗芝」ですが、手入れの楽さをとるか、見た目の美しさをとるかが選ぶ際の最大のポイントです。
どちらも日本の気候に適した代表的な日本芝ですが、葉の細さや成長スピードに明確な違いが存在。
この記事を読めば、あなたのライフスタイルや庭の環境にぴったり合う芝生がどちらなのか、自信を持って選べるようになるでしょう。
それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「高麗芝」と「姫高麗芝」の最も重要な違い
管理の手軽さを重視するなら「高麗芝」、繊細で美しい景観を求めるなら「姫高麗芝」を選ぶのが基本です。姫高麗芝は成長が早いため、こまめな芝刈りが求められます。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの芝生の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、ご自身の庭にどちらが合うかが見えてくるはずです。
| 項目 | 高麗芝 | 姫高麗芝 |
|---|---|---|
| 中心的な特徴 | 葉がやや広く、丈夫で育てやすい | 葉が細く柔らかく、密度が高い |
| 見た目の印象 | 一般的な芝生。適度な野性味がある | まるでじゅうたんのような繊細な美しさ |
| 成長スピード | 普通 | 早い |
| 芝刈りの頻度 | 比較的少ない(ピーク時で月1〜2回) | 多い(ピーク時で週1回程度) |
| おすすめの人 | 手間をかけずに緑の庭を楽しみたい人 | こまめに手入れをして極上の庭を保ちたい人 |
一番大切なポイントは、自分が芝生の手入れにどれだけの時間を割けるかということです。
いくら見た目が美しくても、手入れができずに荒れてしまっては本末転倒でしょう。
なぜ違う?植物としての特徴と名前の由来からイメージを掴む
「姫高麗芝」は、野生の「高麗芝」の中から葉が細く美しいものを選抜して人工的に作られた品種です。「姫」という言葉には、小さくて可憐、繊細といった意味が込められています。
なぜこの二つの芝生に手間の違いが生まれるのか、植物としての成り立ちを知るとよくわかりますよ。
「高麗芝」は、古くから日本に自生している野芝の仲間で、日本の気候に最も適応した丈夫な品種です。
一方の「姫高麗芝」は、その高麗芝の群生の中から、特に葉が細くて美しい個体を選び出し、品種改良を重ねて生み出されたもの。
名前の頭に「姫」と付いている通り、通常の高麗芝よりも小さく、細く、繊細な葉を持っているのが特徴ですね。
しかし、葉が細い分、美しい密度を保つためには成長スピードを早める必要があり、結果として頻繁なカット(芝刈り)を要求されるというわけです。
庭づくりで失敗しない!具体的な選び方と活用シーン
子どもやペットが走り回る庭なら踏み圧に強い「高麗芝」、観賞用として和風庭園や洋風の美しい中庭を作るなら「姫高麗芝」が適しています。環境と目的に応じて使い分けることが成功の秘訣です。
それぞれの特性がわかったところで、実際の庭づくりにおける具体的な選び方を見ていきましょう。
ライフスタイルによって、正解はまったく異なりますよ。
手軽さ重視の「高麗芝」が向いているケース
庭の目的が「遊ぶこと」や「バーベキュー」などであれば、圧倒的に高麗芝がおすすめです。
- 子どもやペットが走り回る、遊び場としての庭
- 共働きなどで、週末の庭の手入れにあまり時間をかけられない家庭
- ホームセンターなどで手軽かつ安価に苗(切り芝)を手に入れたい場合
葉がしっかりしているため、多少踏みつけられてもすぐに回復するタフさを持っていますね。
美観重視の「姫高麗芝」が向いているケース
一方で、庭を「眺める作品」として捉えるなら、姫高麗芝の右に出るものはありません。
- リビングから眺める、まるで緑のじゅうたんのような美しい庭を作りたい
- ゴルフのパター練習ができるような、きめ細かい芝生を目指している
- ガーデニングが趣味で、毎週末の芝刈りや水やりを苦にしない人
しっかり手入れが行き届いた姫高麗芝の美しさは、思わずため息が出るほど素晴らしいものです。
【注意点】これはNG!環境に合わない選び方
どんなに素晴らしい芝生でも、環境に合わない選び方をすると確実に失敗します。
- 【NG】日当たりが悪い北側の庭に、姫高麗芝を植える。
- 【NG】芝刈り機を持っていないのに、姫高麗芝を選ぶ。
どちらの芝も日光を好みますが、特に姫高麗芝は十分な日照と風通し、そして道具を使った定期的なメンテナンスが必須条件となる点に注意してくださいね。
【応用編】近年人気の改良品種「TM9」との違いは?
「TM9(ティーエムナイン)」はトヨタ自動車が開発した高麗芝の改良品種で、高麗芝よりも成長が遅く、芝刈りの手間を大幅に減らせるのが最大の違いです。
ホームセンターや園芸店に行くと、「TM9(ティーエムナイン)」という芝生を見かけることがあるかもしれません。
これは、手入れの楽さを極限まで追求して開発された、高麗芝の進化系とも言える品種です。
一般的な高麗芝と比べても草丈が伸びにくく、芝刈りの回数を年1〜2回程度にまで減らすことができるという画期的な特徴を持っています。
苗の導入コストは高麗芝や姫高麗芝よりも高価ですが、長期的なメンテナンスの手間や時間を考えると、忙しい現代人に非常に人気がある選択肢となっています。
「高麗芝」と「姫高麗芝」の違いを専門的な視点から解説
高麗芝と姫高麗芝はどちらも「暖地型芝草」に分類され、夏場に旺盛に成長し、冬は休眠して枯れ色になります。葉幅のわずかな違い(姫高麗芝は1〜2mm程度)が、景観と管理の手間に決定的な差を生み出しています。
園芸学的な分類で見ると、両者は同じゾイシア属(Zoysia)の暖地型芝草です。
暖地型芝草の特徴は、気温が25〜30度前後になる真夏に最も旺盛に成長し、冬場は地上部が枯れたようになって休眠すること。
専門的な観点から見ると、両者の最大の違いは「葉幅」と「節間(茎の節と節の間隔)」にあります。
姫高麗芝は葉幅が約1〜2mmと非常に狭く、節間が短いため、緻密なターフ(芝生の表面)を形成します。この密度の高さが、雑草の侵入を防ぐ役割も果たします。
ただ、密度が高い分、病害虫が発生した際に被害が広がりやすいという弱点も。
農林水産省のガイドライン等でも推奨されている通り、美しい芝生を維持するためには、適切な時期の施肥(肥料やり)や、病害虫対策としての農薬の適正使用に関する正しい知識を持っておくことが大切ですね。
僕が憧れの芝生づくりで直面した「手入れの壁」と教訓
僕も以前、自宅の庭に芝生を張る際、この二つの選択で大失敗をした経験があるんです。
ホームセンターの園芸コーナーで、青々と美しく、葉が細くて上品な「姫高麗芝」の切り芝を一目見てすっかり心を奪われてしまいました。自分の庭がゴルフ場のグリーンのようになる光景を思い浮かべ、迷わず車に大量の姫高麗芝を積み込んだのです。
春に植え付け、初夏までは順調でした。しかし、本格的な夏が到来した途端、事態は急変しました。
姫高麗芝の成長スピードは想像を絶するものでした。週末に芝刈りをして綺麗に整えても、翌週の金曜日にはもうボサボサに伸びているのです。「今週は疲れたから来週にしよう」と一度サボったのが運の尽き。
伸びすぎた芝を一気に短く刈り込んだ結果、緑の葉の部分がなくなり、茶色い茎だけが残る「軸刈り」という致命的なミスを犯してしまいました。
青々としていた庭は、無残な枯れ野原に。あの時の絶望感たるや、言葉では表現しきれません。
この経験から、植物を選ぶ時は、完成形の美しさだけでなく「自分にそれを維持する時間と労力があるか」をリアルに想像することが不可欠だと思い知らされました。
「高麗芝」と「姫高麗芝」に関するよくある質問
初心者にはどちらの芝生がおすすめですか?
間違いなく「高麗芝」をおすすめします。病害虫や乾燥への耐性が強く、芝刈りの頻度も姫高麗芝より少なくて済むため、初めての芝生管理でも失敗するリスクを大きく減らせます。
姫高麗芝の芝刈りをサボるとどうなりますか?
成長が早いため、あっという間に草丈が伸びて景観が損なわれます。伸びすぎた後に慌てて短く刈ると、成長点ごと刈り取る「軸刈り」になり、芝生全体が茶色く枯れ込んでしまう原因になるので非常に危険です。
維持にかかる費用はどちらが高いですか?
一般的に、初期に購入する苗(切り芝)の価格は姫高麗芝のほうがやや高価です。また、維持管理にかかる肥料代、殺虫剤、そして頻繁に芝刈り機を動かす労力を含めると、姫高麗芝のほうが長期的なコストも手間もかかると言えるでしょう。
「高麗芝」と「姫高麗芝」の違いのまとめ
「高麗芝」と「姫高麗芝」の違い、明確にご理解いただけたでしょうか。
最後に、失敗しない選び方のポイントをまとめておきますね。
- 手入れの楽さなら「高麗芝」:月1〜2回の芝刈りで済み、丈夫で子どもが遊ぶ庭に最適。
- 極上の美しさなら「姫高麗芝」:葉が細く柔らかいが、週1回程度の芝刈りが必要。
- 究極の手軽さを求めるなら「TM9」:初期費用はかかるが、芝刈りの手間が激減する。
庭の芝生は、一度植えると何年も付き合っていく大切なパートナーです。
無理なく管理できる品種を選んで、ぜひ素敵な緑のある暮らしを実現してください。
なお、他の植物や動物に関する用語の使い分けをもっと知りたい方は、生き物・自然に関する言葉の違いのまとめ記事も参考にしてみてください。
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