「lol」と「lmao」。
どちらも英語圏のネットスラングで「(笑)」や「www」のように、面白いことを示すチャット用語ですよね。
ですが、この二つの使い分け、あなたは自信を持ってできていますか?
「どっちがどのくらい面白い時に使うの?」「lmaoってちょっと下品?」と迷う方も多いでしょう。実はこの二つ、笑いの「強度」と「品性」が全く異なります。
この記事を読めば、「lol」と「lmao」の厳密なニュアンスの違いから、使うべきシーン、さらには「rofl」との違いまでスッキリ理解でき、ネイティブとのチャットでも迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「lol」と「lmao」の最も重要な違い
基本的には、「lol」は日本語の「(笑)」や「www」に相当する一般的な笑い、「lmao」は「爆笑」や「クソワロタ」に相当する、より強烈な笑いを指します。「lmao」は「ass(尻)」という俗語を含むため、よりカジュアル(下品)な表現です。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | lol(エルオーエル) | lmao(エルエムエーオー) |
|---|---|---|
| 元の英語 | laughing out loud | laughing my ass off |
| 日本語訳 | 大声で笑う | 尻が(ちぎれて)取れるほど笑う |
| ニュアンス | (笑)、www、ウケる | 爆笑、クソワロタ、腹筋崩壊 |
| 笑いの強度 | 中(軽い笑いから普通の笑い) | 強~最上級(本当に面白い時) |
| 品性(丁寧さ) | 中立(非常に一般的) | カジュアル・下品(”ass”を含むため) |
| 使う相手 | 友人、同僚、家族(ビジネス不可) | 親しい友人、家族(目上・ビジネス絶対不可) |
一番大切なポイントは、「lmao」は「lol」よりもはるかに強い笑いを示す、ということです。
日常的に面白いと感じたら「lol」、お腹を抱えて笑うほど面白いと感じたら「lmao」と使い分けるのが基本ですね。
なぜ違う?言葉の成り立ち(元ネタ)からイメージを掴む
「lol」は「大声で笑う」というシンプルな状態描写です。一方、「lmao」は「laughing my ass off」の略で、「ass(尻)」という俗語を使い、「尻が取れるほど」という物理的な誇張表現で「爆笑」を意味します。
この二つの言葉は、どちらも「Abreviation(頭字語)」と呼ばれる、インターネット初期のチャット文化から生まれた略語です。
「lol」の成り立ち:「laughing out loud(大声で笑う)」
「lol」は、キーボードを打つ手間を省くために生まれたスラングの元祖とも言える存在です。
「laughing out loud(ラッフィング・アウト・ラウド)」の頭文字を取ったもので、直訳は「大声で笑っている」です。
日本語の「(笑)」や、それが発展した「www」とほぼ同じ使われ方をします。当初は本当に声に出して笑っていることを示す言葉でしたが、現代では非常に一般的になり、特に面白くなくても文末につける「。」のような句読点的な使われ方や、軽い皮肉として使われることもありますね。
「lmao」の成り立ち:「laughing my ass off(尻が取れるほど笑う)」
「lmao」も同じく頭字語ですが、こちらは「lol」よりも後発で、より強い笑いを表現するために生まれました。
「laughing my ass off(ラッフィング・マイ・アス・オフ)」の略です。
「ass off」は英語のスラングで「〜でたまらない」「死ぬほど〜」といった意味の強調表現です。「ass」は直訳すると「尻」という意味で、あまり上品な言葉ではありません。
つまり「lmao」とは、「(面白すぎて)尻がちぎれて取れるほど笑っている」という、非常に大げさな誇張表現なんですね。
日本語で言うところの「爆笑」や「腹筋崩壊」、「クソワロタ」といったニュアンスに最も近いです。
具体的な例文で使い方をマスターする
軽い冗談や相槌には「lol」を使います(例:「That’s funny lol」)。一方、本当にツボに入った爆笑には「lmao」を使います(例:「Stop it lmao」)。「lmao」は下品な言葉を含むため、使う相手を選びます。
実際のチャットやSNSでの使われ方を見ていきましょう。
「lol」を使うシーン(一般的な笑い・軽いウケ)
日常的な「ウケる」「面白いね」という感覚で使います。文末につけることが多いですね。
【OK例文:lol】
- You’re so funny lol.
(あなたって本当に面白いねw) - I just spilled coffee all over my desk lol.
(今デスクにコーヒー全部こぼした(笑)) - A: Did you finish the homework?
B: …homework? lol
(A: 宿題終わった? B: …宿題? マジかw) - He really said that? lol
(彼、本気でそう言ったの? ウケる)
このように、本当に笑っている時だけでなく、ちょっとした失敗の照れ隠しや、相槌のように使われることも多いのが「lol」の特徴です。
「lmao」を使うシーン(本気の爆笑・強いウケ)
「lol」では足りない、本気の「爆笑」を伝えたいときに使います。
【OK例文:lmao】
- Stop it, I’m gonna pee! LMAO!
(やめて、おしっこ漏れる!爆笑!) - I just watched that video you sent me. LMAO!!
(君が送ってくれた動画、今見たよ。腹筋崩壊www) - A: I tried to look cool but fell down the stairs.
B: NO WAY LMAO
(A: カッコつけようとしたら階段から落ちた。 B: ウソでしょクソワロタ)
大文字で「LMAO」と書くと、さらに笑いが止まらない感じが伝わりますね。
これはNG!間違えやすい使い方
「lmao」のニュアンスを間違えると、相手に不快感を与えてしまいます。
- 【NG】(ビジネスメールや目上の人へのチャットで)
Thank you for the information, lmao. - 【OK】(同じくビジネスメールで)
Thank you for the information. That’s very funny.
→「lmao」には「ass(尻)」という下品なスラングが含まれます。ビジネスシーンや教授・上司など目上の人には絶対に使ってはいけません。「lol」ですら避けるべきで、面白いと伝えたいなら “That’s funny” などと文章で書くのがマナーです。
- 【NG】(友人の軽い冗談に対して)
A: I bought a new pen.
B: LMAO! - 【OK】A: I bought a new pen.
B: Nice lol.
→「新しいペン買ったよ」という普通の報告に「LMAO(爆笑)」と返すと、「何がそんなにおかしいんだ?バカにしてるのか?」と不自然に思われます。軽い相槌には「lol」が適切ですね。
【応用編】似ている言葉「rofl」との違いは?
「rofl(またはrotfl)」は「rolling on the floor laughing(床を転げ回るほど笑う)」の略です。笑いの強さとしては「lmao」と同等か、それ以上とされます。「lmao」ほど下品な単語を含まないため、使いやすい爆笑表現とも言えます。
「lmao」と同じくらい強い笑いを表す言葉に「rofl」があります。これも押さえておくと表現の幅が広がりますよ。
- rofl (または rotfl):Rolling on the floor laughing
直訳は「床の上を転げ回るほど笑っている」です。
これも「lmao」と同じく、本気の爆笑、腹筋崩壊レベルの面白さを示すスラングです。「lmao」と「rofl」のどちらが上かについては議論が分かれますが、ほぼ同等の「最上級の笑い」として使われます。
大きな違いは、やはり「ass」という俗語の有無です。「lmao」は下品さを伴いますが、「rofl」は下品な単語を含まないため、「爆笑」を伝えたいけれど「ass」という言葉は使いたくない時に便利です。
笑いの強度をあえて並べると、こんなイメージでしょうか。
lol(笑) < rofl(床ローリング笑) ≦ lmao(尻取れ笑)
「lol」と「lmao」の違いを英語スラングの歴史から解説
「lol」は1980年代後半のインターネット初期(Usenet時代)に生まれたとされ、非常に歴史が古いスラングです。一方「lmao」は1990年代に入ってから、「lol」では表現しきれない、より強い笑いを求めて派生した言葉です。現在「lol」は笑いの記号として形骸化しつつありますが、「lmao」は今でも強い爆笑の意味を保っています。
少し専門的な視点になりますが、インターネットスラングの歴史から見ると、この二つの言葉の役割は明確に異なります。
「lol」は、1980年代後半、インターネットがまだ一般的でなかった時代の電子掲示板システム(Usenet)で生まれたとされています。当時はテキストのみのコミュニケーションで、相手の感情が読み取れないため、「今、大声で笑っていますよ」と意図的に感情を伝えるための記号として発明されました。
しかし、30年以上の時を経て、あまりにも広く使われすぎた結果、「lol」は意味がインフレ(希薄化)してしまいました。今では、本当に笑っていなくても、会話の潤滑油として、あるいは文末の句点代わりとして使われる「記号」のような存在になっています。
そこで登場したのが「lmao」や「rofl」です。
1990年代に入り、「lol」が「(笑)」程度の軽い意味になったことで、それ以上の「爆笑」を表現する言葉が必要になりました。そこで、「ass off(尻が取れるほど)」や「on the floor(床を転げ回る)」といった、物理的な誇張表現を伴うスラングが生まれたのです。
「lmao」は、単なる笑いの記号ではなく、「本当に、物理的に笑いが止まらない」という本来の(lolが失ってしまった)強い感情を伝えるために、今も機能し続けている言葉だと言えますね。
僕が「lmao」の意味を知らずに上司に使ってしまった体験談
僕も昔、「lmao」の意味を正確に知らずに使い、冷や汗をかいた体験があります。
海外の取引先(Aさん)とチャットでやり取りをしていた時のことです。Aさんは非常にフランクな方で、チャットの最後によく「lol」を使っていました。「OK, got it lol」といった具合です。
当時の僕は、「lol」も「lmao」も、どちらも「www」くらいの違いだろうと安易に考えていました。そして「lmao」の方が4文字で、なんとなく「通」っぽくてカッコイイとさえ思っていたんです。
ある日、Aさんからプロジェクトのスケジュール変更依頼が来ました。僕は承諾の意を込めて、いつもの「lol」の代わりに、覚えたての「lmao」を使ってみたんです。
「Sure, I will adjust the schedule. lmao」
((訳)承知しました、スケジュール調整します。クソワロタ)
その瞬間、Aさんからの返信がピタッと止まりました。5分ほど経ってから来た返信は、一言だけ。
「…What is ‘lmao’?」
僕は慌てて「lmao」の本当の意味を調べました。そして「laughing my ass off(尻が取れるほど笑う)」という意味だと知り、血の気が引きました…。
ビジネスのスケジュール調整という真剣な場で、「尻が取れるほど爆笑してます」と送ってしまったのです。フランクなAさんでさえ、どう返していいか困惑したことでしょう。
僕はすぐに「I’m so sorry, I misused the word. I meant ‘OK’.(すみません、言葉を誤用しました。「OK」という意味です)」と平謝りしました。
この経験から、スラング、特に「ass」のような下品な言葉を含むスラングは、意味を100%理解し、相手との関係性を完璧に把握するまで絶対に使ってはいけないと痛感しました。
「lol」と「lmao」に関するよくある質問
ここでは、「lol」と「lmao」について、皆さんが疑問に思いがちな点にお答えしますね。
質問1:「www」や「(笑)」と完全に同じ意味ですか?
回答:ニュアンスは非常に近いです。
「lol」は「(笑)」や「www」とほぼ同じ感覚で使えます。一方、「lmao」は「www」をたくさん重ねた「wwwwww」や、「爆笑」「クソワロタ」といった、より強い笑いに相当します。
質問2:「lmao」は失礼な言葉ですか?
回答:使う相手によります。
「lmao」は「ass(尻)」という俗語を含むため、下品な言葉(profanity / curse word)に分類されます。親しい友人同士なら問題ありませんが、家族(特に親世代)、目上の人、ビジネスの場では非常に失礼にあたるため、絶対に使ってはいけません。
質問3:「lmfao」というのも見たことがあるのですが…
回答:はい、これは「lmao」の更なる強調形です。
「lmfao」は「laughing my fucking ass off」の略です。「fucking」という非常に強い俗語(放送禁止用語)を挟むことで、「マジでクソ爆笑」といったニュアンスになります。これも、使える相手は「lmao」以上に限定される、非常に下品な表現です。
「lol」と「lmao」の違いのまとめ
「lol」と「lmao」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本の「lol」:「laughing out loud(大声で笑う)」の略。日本語の「(笑)」や「www」に相当する一般的な笑い。
- 爆笑の「lmao」:「laughing my ass off(尻が取れるほど笑う)」の略。日本語の「爆笑」「クソワロタ」に相当する強烈な笑い。
- 品性の違い:「lmao」は「ass(尻)」という俗語を含むため、下品な表現。ビジネスや目上の人には絶対に使えない。
- 強度の順番:一般的に lol < rofl ≦ lmao < lmfao の順で笑いの強度と下品さが増していく。
ネイティブとのコミュニケーションでは、この笑いの強度とTPOを使い分けることが非常に重要です。
これから自信を持って、的確な「笑い」を伝えていきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、スラング・俗語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。