「mummy」と「mommy」の違い!ママの呼び方は国で変わる

「mummy」と「mommy」、どちらも「お母さん」や「ママ」を意味する愛らしい言葉ですが、実は使う地域によって明確に区別されています。

結論から言うと、イギリス英語圏では「mummy」、アメリカ英語圏では「mommy」を使うのが一般的。

さらに、「mummy」には全く別の「ミイラ」という意味もあるため、文脈によっては注意が必要です。

この記事を読めば、国による使い分けや発音の違い、そして少し驚く言葉の背景までスッキリと理解でき、英語圏の文化の違いを楽しめるようになります。

それでは、まず最も重要な違いを一覧表で見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「mummy」と「mommy」の最も重要な違い

【要点】

基本的には、イギリス英語なら「mummy(マミィ)」、アメリカ英語なら「mommy(マミィ/モミィ)」を使います。最大の違いは使われる地域と綴りの「u」か「o」かです。また、「mummy」には「ミイラ」という意味もあります。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。

項目mummymommy
主な使用地域イギリス、オーストラリア、NZアメリカ、カナダ
綴り(スペル)u (mummy)o (mommy)
発音の目安マミィ(口をあまり開けない)マミィ〜モミィ(口を大きく開ける)
短縮形mummom
別の意味ミイラなし

一番大切なポイントは、自分が話している相手や場所が「イギリス式」か「アメリカ式」かによって使い分けるということです。

例えば、ロンドンで「I love my mommy.」と書くと、「アメリカ綴りだね」とすぐに気付かれます。

なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

どちらも幼児語の「mama」から派生しましたが、地域ごとの発音の癖が綴りに反映されました。イギリスの少しこもった「ア」の音は「u」で、アメリカの口を大きく開ける「ア(オ)」に近い音は「o」で表記されるようになりました。

なぜこの二つの言葉に綴りの違いが生まれるのか、語源と言語の歴史を紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

共通のルーツ:「ma」という音

「mummy」も「mommy」も、元を辿れば世界中の赤ちゃんが最初に発する音の一つ「ma(マ)」に由来します。

「mama」という言葉は多くの言語に共通していますが、英語圏でそれが定着する過程で、地域ごとのアクセント(訛り)の違いが綴りに影響を与えました。

イギリスの「mummy」とミイラ

イギリス英語では、短母音の「ア」に近い音を「u」で表す傾向があります(bus, cupなど)。

そのため、「mammy」のような音が「mummy」として定着しました。

一方で、「ミイラ」を意味する「mummy」は、ペルシャ語やアラビア語で「蝋(ろう)」や「防腐処理された死体」を意味する言葉が語源で、偶然綴りが同じになった同音異義語です。

アメリカの「mommy」

アメリカ英語では、同様の音を「o」で表すことが多くなりました。

アメリカ人の発音する「o」は、口を大きく開けた「ア」と「オ」の中間のような音になるため、「mommy」という綴りがその音をより正確に表しているとされたのです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

使い方はどちらも同じで、子供が母親を呼ぶときや、親しい間柄で母親について話すときに使います。ただし、地域によって自然な響きが異なるため、相手に合わせるのがベストです。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

日常会話での使い分けと、間違いやすいNG例を見ていきましょう。

地域別の使い分け

自分がどこにいるか、誰と話しているかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:イギリス英語(mummy)】

  • Mummy, can I have a biscuit?
    ママ、ビスケット食べていい?)
  • I want to go home to my mummy.
    ママのところに帰りたいよ。)
  • Happy Birthday, Mummy!
    ママ、お誕生日おめでとう!)

【OK例文:アメリカ英語(mommy)】

  • Mommy, look at this!
    ママ、これ見て!)
  • My mommy drives me to school.
    ママが車で学校まで送ってくれるんだ。)
  • I love you, Mommy.
    ママ、大好き。)

これはNG!違和感のある使い方

意味は通じますが、文脈によっては少し奇妙に聞こえる例を見てみましょう。

  • 【△】 (エジプト博物館で)Look at that scary mommy!
    (見て、あの怖いママ(!?)!)
  • 【OK】 Look at that scary mummy!
    (見て、あの怖いミイラ!)

アメリカ人が「ミイラ」と言いたくて発音する場合、「mommy(お母さん)」と発音が似ているため、文脈がないと「怖いお母さん」と言っているように聞こえるジョークのような状況が生まれることがあります。綴りは明確に「mummy(ミイラ)」です。

【応用編】似ている言葉「mum」「mom」との違いは?

【要点】

「mum」と「mom」はそれぞれ「mummy」と「mommy」が成長して短くなった形です。子供が少し大きくなると、または大人が自分の母親を呼ぶときは、幼児語的な「-my」を取って「mum(英)」や「mom(米)」を使います。

「mummy」「mommy」から卒業すると、使われる言葉も変化します。

これもセットで覚えておくと、年齢や成長に合わせた自然な英語が使えますよ。

「mum」:イギリス英語の標準

イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、子供が成長すると「Mummy」から「Mum」へと呼び方を変えます。

大人が自分の母親の話をするときは「My mum」と言うのが一般的です。

  • I’ll ask my mum later.
    (あとでお母さんに聞いてみるよ。)

「mom」:アメリカ英語の標準

アメリカやカナダでは、同様に「Mommy」から「Mom」へと変化します。

ティーンエイジャーや大人はこちらを使います。

  • Hi Mom, I’m home!
    母さん、ただいま!)

「mummy」と「mommy」の違いを文化的に解説

【要点】

イギリスでは、階級や地域によって「Mam(北イングランドなど)」や「Ma」が使われることもあります。一方、アメリカでは地域差はあれど「Mom/Mommy」が圧倒的に主流です。また、イギリスの上流階級では大人になっても「Mummy」を使うことが許容される(あるいは特徴とされる)文化があります。

ここでは少し専門的な視点から、文化的な背景について解説します。

イギリスの階級と「Mummy」

イギリスは階級社会の名残があり、言葉遣いが階級を表すことがあります。

一般的に、子供は成長すると「Mummy」から「Mum」に移行しますが、上流階級(Upper Class)の人々は、大人になっても母親を「Mummy」と呼ぶ傾向があります。

これは甘えではなく、彼らの社会的なコード(決まり事)の一つとされています。

チャールズ国王がエリザベス女王を公の場で「Mummy」と呼んだエピソードは有名ですね。

アイルランドや北部の「Mammy」

アイルランドやイギリスの北部では、「u」でも「o」でもなく、「a」を使った「Mammy(マミィ)」や「Mam(マム)」がよく使われます。

これは方言の一種ですが、地元愛やアイデンティティを表す言葉として親しまれています。

「mummy」と「mommy」に関する失敗体験談

僕もイギリスに留学していた頃、この言葉の違いでちょっとした恥ずかしい思いをしたことがあります。

ホストファミリーの子供たち(小学生)と遊んでいたときのことです。

お絵かきをしていて、子供が描いた家族の絵を見て、僕はアメリカ映画で覚えた知識でこう言いました。

「Is this your Mommy?(これは君のママ?)」

発音もアメリカ寄りの「マミィ(口を大きく開ける)」で言ったつもりでした。

すると、子供はキョトンとして、「No, that’s my Mummy. You sound like an American movie!(違うよ、マミィだよ。アメリカの映画みたいな喋り方だね!)」と笑われてしまいました。

彼らにとって「Mommy(モミィ/マミィ)」という響きは、テレビの中のアメリカ人の言葉であって、自分たちの「Mummy(マミィ)」とは別物だったんです。

さらに後日、ハロウィンの時期に「I want to be a mummy!(ミイラ男になりたい!)」と言ったときは、「お母さんになりたいの?」と聞き返され、発音の難しさと同音異義語のややこしさを痛感しました。

この経験から、「郷に入っては郷に従え」で、その国の発音と単語を使うことが、スムーズなコミュニケーションの第一歩だと学びました。

「mummy」と「mommy」に関するよくある質問

「mummy」と「mommy」の発音の違いは聞き取れますか?

正直なところ、文脈なしで単語単体だけを聞き分けるのは難しい場合があります。しかし、イギリス英語の「u」は少しこもった「ア」、アメリカ英語の「o」は口を大きく開けた明るい「ア(またはオ)」に近い音になる傾向があります。文脈や話者のアクセント全体で判断するのが自然です。

大人が自分の母親を「mummy/mommy」と呼ぶのは変ですか?

一般的には、大人が他人に対して自分の母親を話すときは「my mother」や「my mum/mom」を使います。「mummy/mommy」は幼児語の響きがあるため、親しい家族間や、甘えたいとき、あるいはジョークとして使う以外は、少し幼稚に聞こえる可能性があります(イギリス上流階級を除く)。

メールやSNSでどちらを使うべきですか?

相手の出身地や住んでいる地域に合わせるのがベストです。相手がイギリス人なら「Mummy/Mum」、アメリカ人なら「Mommy/Mom」と書くと親近感が湧きます。自分が日本人であれば、どちらを使っても間違いではありませんが、学校で習ったアメリカ英語(Mommy)を使う人が多いかもしれません。

「mummy」と「mommy」の違いのまとめ

「mummy」と「mommy」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本は地域差:イギリス英語は「mummy」、アメリカ英語は「mommy」。
  2. 綴りの違い:イギリスは「u」、アメリカは「o」。
  3. 別の意味:「mummy」には「ミイラ」という意味もある。

たった一文字の違いですが、そこには海を隔てた文化や発音の歴史が詰まっています。

これからは自信を持って、相手やシーンに合わせて「ママ」を書き分けてみてくださいね。

さらに日常英会話で役立つ言葉の使い分けを知りたい方は、日常会話の外来語の違いまとめの記事もぜひ参考にしてください。

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