「recommend」と「recommended」。
英語のメールや資料作成でよく見かけるこの二つの単語、あなたは自信を持って使い分けられていますか?
「どっちを使うのが正しいんだっけ…?」と一瞬手が止まってしまうこと、ありますよね。実はこの二つの違いは、英語の基本的な文法ルール、つまり「動詞」なのか「形容詞(過去分詞)」なのかという点さえ理解すれば、驚くほど簡単なんです。
この記事を読めば、「recommend」と「recommended」の根本的な意味の違いから、具体的な使い方、さらには文法的な背景までスッキリ理解でき、ビジネスシーンでも日常会話でも迷うことはもうありません。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「recommend」と「recommended」の最も重要な違い
基本的には、「recommend」は動詞(勧める)、「recommended」は形容詞(勧められた、おすすめの)と覚えるのが最も簡単です。「recommend」は誰かが何かを勧める行為を、「recommended」は何かが勧められている状態や性質を表します。
まず、結論からお伝えしますね。
「recommend」と「recommended」の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | recommend | recommended |
|---|---|---|
| 品詞 | 動詞 | 形容詞(動詞 recommend の過去分詞形) |
| 中心的な意味 | 〜を勧める、推薦する | 勧められた、推薦された、おすすめの |
| 基本的な使い方 | 主語 + recommend + 目的語 (例:I recommend this book.) |
recommended + 名詞 (例:This is a recommended book.) be動詞 + recommended (例:This book is recommended.) |
| ニュアンス | 誰かが積極的に勧める行為 | 誰かによって勧められている状態、または「おすすめ」という性質 |
| 時制 | 現在形(三人称単数現在形は recommends)、過去形(recommended)、未来形(will recommend)など、動詞として変化する | 形容詞なので時制による形自身の変化はない(be動詞などで時制を表す) |
一番大切なポイントは、文の中で「勧める」という動き(動作)を表したいのか、それとも「勧められている」「おすすめの」という状態や性質を表したいのかを考えることですね。
「I recommend this restaurant.」(私はこのレストランを勧めます)のように、自分が主体的に勧める場合は動詞の「recommend」を使います。
一方、「This is a recommended restaurant.」(これはおすすめのレストランです)のように、レストランが「おすすめ」という性質を持っていることを示したり、「This restaurant was recommended by Mr. Yamada.」(このレストランは山田さんに勧められました)のように、受け身の形で使ったりする場合は形容詞(過去分詞)の「recommended」を使います。
なぜ違う?動詞と形容詞(過去分詞)の基本的な役割を理解する
「recommend」は「勧める」という行為そのものを表す動詞です。一方、「recommended」は動詞「recommend」の過去分詞形で、「勧められた」という受け身の意味や、「おすすめの」という形容詞的な意味を持ち、名詞を修飾したり、be動詞と共に使われたりします。
なぜこの二つの言葉に違いが生まれるのか、それは英語の基本的な文法、特に動詞とその変化形である過去分詞の役割を理解すると、とてもクリアになりますよ。
「recommend」の役割:動詞としての「勧める」
「recommend」は、英語の基本的な「動詞」です。動詞は、文の中で「動き」や「行為」を表す言葉ですよね。
「recommend」の場合、その行為は「〜を勧める」「〜を推薦する」という意味になります。
主語(誰が)の後ろに来て、「(主語)は〜を勧める」という形で使われるのが基本です。
例えば、「He recommends this book.」(彼はこの本を勧める)のように、主語が三人称単数(He)で現在形なら `s` が付きますし、「I recommended that movie yesterday.」(私は昨日その映画を勧めた)のように過去形なら `ed` が付きます。これが動詞としての「recommend」の基本的な働きですね。
「recommended」の役割:形容詞(過去分詞)としての「勧められた」「おすすめの」
一方、「recommended」は、動詞「recommend」の「過去分詞形」です。
過去分詞形というのは、英語の動詞の変化形の一つで、主に二つの大きな働きがあります。
- 受け身(受動態)を作る:be動詞と一緒に使って、「〜される」「〜された」という意味を表します。(例:be recommended = 勧められる)
- 形容詞として使う:名詞の前に置かれたり、be動詞の後ろに置かれたりして、その名詞の状態や性質を説明します。(例:recommended book = おすすめの本、This book is recommended = この本はおすすめだ)
つまり、「recommended」は、「recommend」(勧める)という行為を受けた結果の状態、「勧められた」という受け身の意味合いが根底にあります。そこから派生して、「(誰かによって勧められた結果、価値があるとされる)おすすめの」という意味で、形容詞のように使われるんですね。
動詞そのものである「recommend」と、動詞から派生した形容詞的な役割を持つ「recommended」。この品詞の違いを意識すれば、使い分けはもう怖くありません。
具体的な例文で使い方をマスターする
「Can you recommend a good hotel?」(良いホテルを勧めてくれますか?)のように依頼する場合は動詞「recommend」。「Here are the recommended settings.」(こちらが推奨設定です)のように名詞を修飾する場合は形容詞「recommended」を使います。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
「勧める」動作なのか、「勧められた」状態なのかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。
【OK例文:recommend】
- We strongly recommend implementing this new system. (弊社はこの新システムの導入を強く推奨します。)
- Could you recommend a candidate for this position? (この役職に適任な候補者を推薦していただけますか?)
- Our consultant recommends reviewing the marketing strategy. (弊社のコンサルタントは、マーケティング戦略の見直しを勧めています。)
【OK例文:recommended】
- Please find the list of recommended actions attached. (推奨されるアクションのリストを添付にてご確認ください。)
- This software is highly recommended by industry experts. (このソフトウェアは業界の専門家から高く推奨されています。)
- Following the recommended procedure is crucial. (推奨される手順に従うことが極めて重要です。)
依頼する場面では動詞の「recommend」、推奨される「もの」や「こと」を示す場合は形容詞の「recommended」が使われることが多いですね。
日常会話での使い分け
日常会話でも、考え方は同じです。
【OK例文:recommend】
- I recommend trying the pizza here. It’s delicious! (ここのピザを試してみるのをおすすめするよ。美味しいよ!)
- What music do you recommend? (どんな音楽がおすすめ?)
- My friend recommended this movie to me. (友達がこの映画を私に勧めてくれたんだ。)
【OK例文:recommended】
- Is this the recommended route to the station? (これは駅へのおすすめのルートですか?)
- I bought the book that was recommended in the magazine. (雑誌でおすすめされていた本を買いました。)
- Staying hydrated is always recommended in summer. (夏は水分補給をすることが常に推奨されます。)
これはNG!間違えやすい使い方
意味が通じてしまうこともありますが、文法的には正しくない、あるいは不自然な使い方を見てみましょう。
- 【NG】I recommended you this restaurant. (動詞 recommend の語法として不自然)
- 【OK】I recommend this restaurant to you. (私はあなたにこのレストランを勧めます。)
- 【OK】This restaurant is recommended. (このレストランはおすすめです。)
動詞「recommend」は、「recommend + 人 + モノ」という形(SVOO、第4文型)を取ることが一般的ではありません。「recommend + モノ + to + 人」の形(SVO + 前置詞句)にするのが自然です。または、「recommended」を使って受け身の形にするのも良いでしょう。
- 【NG】It is recommend to book in advance. (recommend は動詞なのでこの位置には来られない)
- 【OK】It is recommended to book in advance. (事前に予約することが推奨されます。)
- 【OK】We recommend booking in advance. (事前に予約することをお勧めします。)
「It is 〜 to …」の構文では、be動詞の後ろには形容詞が来ることが多いです。そのため、動詞の「recommend」ではなく、形容詞的な役割を持つ過去分詞の「recommended」を使うのが正しいですね。あるいは、「recommend」を動詞として使い、「We recommend doing…」という形にする方法もあります。
うっかりミスしやすいポイントなので、注意が必要ですよね。
「recommend」と「recommended」の違いを文法的に解説
文法的には、「recommend」は能動態の動詞であり、「(主語が)~を勧める」という意味を表します。一方、「recommended」は過去分詞であり、be動詞と共に受動態(~が勧められる)を作るか、名詞を修飾する形容詞(勧められた、おすすめの)として機能します。文の中での役割(品詞)が根本的に異なります。
もう少し踏み込んで、文法的な観点から「recommend」と「recommended」の違いを見てみましょう。難しく考える必要はありません。基本的な動詞と、その変化形である過去分詞の役割を再確認するだけです。
英語の文は、基本的に「主語(S)+ 動詞(V)」という骨格を持っていますよね。「recommend」はこの「動詞(V)」の位置に来る単語です。
S(主語) + recommend(s) / recommended + O(目的語)
例: My boss recommended this book. (私の上司がこの本を勧めた。)
この文では、「My boss」が主語、「recommended」が過去形の動詞、「this book」が目的語です。動作(勧める)を行う主体(上司)が存在する、能動態の文ですね。
一方、「recommended」は動詞ではなく、「過去分詞」です。過去分詞は単独では文の主要な動詞にはなれません。主に次の二つの形で使われます。
- 受動態(be動詞 + 過去分詞)
S(主語) + be動詞 + recommended例: This book was recommended by my boss. (この本は私の上司によって勧められた。)
この文では、「This book」が主語、「was recommended」が受動態の動詞部分(be動詞の過去形 + 過去分詞)です。「勧められる」という受け身の意味を表していますね。
- 形容詞的用法(名詞を修飾)
recommended + 名詞または名詞 + is/are + recommended例1: This is a recommended book. (これはおすすめの本です。)
例2: The recommended procedure is written here. (推奨される手順はここに書かれています。)
例3: All items listed here are recommended. (ここにリストされているすべての品物はおすすめです。)
これらの例では、「recommended」は名詞(book, procedure, items)を修飾する形容詞として機能しています。「勧められた」状態にある、あるいは「おすすめの」という性質を持つ、という意味合いですね。
このように、「recommend」が文の核となる「動詞」であるのに対し、「recommended」は動詞の変化形であり、「受け身」を作ったり「形容詞」として名詞を説明したりする役割を担っています。この文法的な役割の違いを理解することが、正確な使い分けの鍵となります。
もし英語の文法についてさらに詳しく知りたい場合は、文部科学省の外国語教育に関するページなども参考になるかもしれませんね。
僕がプレゼン資料で「recommended」を誤用した恥ずかしい体験談
僕も新人時代、この「recommend」と「recommended」の使い分けで、ちょっと恥ずかしい思いをしたことがあるんです。
初めて海外のクライアント向けの提案資料を英語で作っていた時のこと。競合製品と比較して、自社製品の優位性をアピールするパートでした。自信を持って、「Our product is highly recommend!」と書いてしまったんですね。「高く推奨される」と言いたかったのですが、頭の中で「recommend = 推奨する」という動詞の意味が強く残りすぎていて、形容詞的に使うべき場面で動詞の原形を使ってしまったんです。
意気揚々と先輩にレビューをお願いしたところ、真っ先に赤ペンが入ったのがその箇所でした。
「ここの『recommend』は動詞だから、『is』の後には置けないよ。『高く推奨される』って言いたいなら、受け身の形にするか、形容詞として使う必要があるから、『recommended』が正しいね。」
先輩は優しく教えてくれましたが、基本的な文法ミスをしていたことがとにかく恥ずかしくて…。頭では分かっていたつもりでも、いざ使うとなると混乱してしまうことって、ありますよね。特に `ed` が付くだけで意味が変わる単語は、意識しないと間違えやすいなと痛感しました。
この経験から、英語で文章を書くときは、単語の意味だけでなく、文の中での役割(品詞)を常に意識するようになりました。動詞なのか、形容詞なのか、それとも他の品詞なのか。それを確認するだけで、基本的なミスはずっと減るんですよね。
「recommend」と「recommended」に関するよくある質問
Q.「recommend」と「recommended」、結局どちらを使えばいいか分からなくなります…
A.迷ったときは、まず文の中で「勧める」という動作を表したいのか、「勧められた」や「おすすめの」という状態や性質を表したいのかを考えてみてください。動作なら動詞の「recommend」、状態や性質なら形容詞(過去分詞)の「recommended」を選びます。例えば、「私があなたに勧める」なら “I recommend…”、「これはおすすめです」なら “This is recommended…” や “This is a recommended…” となりますね。
Q.「highly recommend」と「highly recommended」はどう使い分けるのですか?
A.これも品詞の違いです。「highly recommend」は「強く勧める」という意味で、動詞「recommend」を副詞「highly」が修飾しています(例:We highly recommend this product.)。一方、「highly recommended」は「強く推奨される」「非常におすすめの」という意味で、形容詞(過去分詞)「recommended」を副詞「highly」が修飾しています(例:This product is highly recommended. / This is a highly recommended product.)。文脈に合わせて使い分けましょう。
Q.「recommended for you」という表現を見かけますが、これはどういう意味ですか?
A.これは「あなたへのおすすめ」という意味ですね。例えば、ネット通販サイトなどで「Recommended for you」と表示され、個々のユーザーに合わせた商品が表示されることがあります。ここでの「recommended」は形容詞(過去分詞)で、「(システムや他のユーザーによって)あなたのために勧められた」というニュアンスです。
「recommend」と「recommended」の違いのまとめ
「recommend」と「recommended」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 品詞の違いが基本:「recommend」は動詞(〜を勧める)、「recommended」は形容詞(勧められた、おすすめの)または受動態を作る過去分詞。
- 文脈で判断:「勧める」という行為・動作を表すなら「recommend」、勧められている状態や「おすすめ」という性質を表すなら「recommended」。
- 文法的な役割:「recommend」は文の主要な動詞になる。「recommended」はbe動詞とセットで受動態を作るか、名詞を修飾する。
英語の基本的な文法ルールですが、意外と混同しやすいポイントですよね。これからは、文の中での役割(品詞)を意識して、自信を持って「recommend」と「recommended」を使い分けていきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、カタカナ語・外来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。