中身は同じ?「リマケ」と「リタゲ」の違い

リマケとリタゲの違いは、実は「プラットフォームによる呼び方の違い」に過ぎません。

どちらも過去にサイトを訪れたユーザーを追跡して広告を配信する仕組みですが、Googleでは「リマケ」、Yahoo!などでは「リタゲ」と呼ばれているのです。

この記事を読めば、両者の正しい使い分けはもちろん、Cookie規制が迫る今後のWeb広告運用において押さえておくべきポイントまで明確に分かります。

それでは、まず最も重要な結論から詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「リマケ」と「リタゲ」の最も重要な違い

【要点】

リマケとリタゲは、どちらも「過去にサイトを訪問したユーザーに広告を再配信する仕組み」です。Google広告が提供する機能を「リマケ」、Yahoo!広告などが提供する機能を「リタゲ」と呼びます。

まずは、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の核心的な違いを、以下の表にまとめました。

項目リマケ(リマーケティング)リタゲ(リターゲティング)
中心的な意味サイト離脱者に広告を再配信する仕組みサイト離脱者に広告を再配信する仕組み
提供元(主な媒体)Google広告Yahoo!広告、Meta、Criteoなど
英語表記RemarketingRetargeting
仕組みの違い実質的に同じ実質的に同じ

このように、機能としては全く同じものを指していると言って良いでしょう。

あなたがWeb広告の運用を任されたとき、「リマケとリタゲ、両方やりましょう!」と提案されたらどう思いますか?

それはつまり、「Google広告と、それ以外の広告媒体(Yahoo!など)の両方で、追跡型の広告を配信しましょう」という意味になります。

機能に優劣があるわけではなく、単なる商標やサービス名の違いだと捉えてください。

なぜ違う?言葉の由来(語源)からイメージを掴む

【要点】

リマケは「再びマーケティングを行う」という広義な意味合いからGoogleが採用しました。一方のリタゲは「再びターゲット(標的)を絞る」という広告配信の機能面を端的に表した言葉です。

実質的な中身は同じでも、言葉が持つニュアンスは少し異なります。

それぞれの語源を紐解いてみましょう。

リマケ(リマーケティング)の由来

リマケは「Remarketing」の略称です。

「Re(再び)」+「Marketing(市場活動)」という成り立ちですね。

元々マーケティング業界では、一度接点を持った顧客に対して、メールやDMなどで再アプローチする手法全般を「リマーケティング」と呼んでいました。

その広義な概念を、Googleが自社の追跡型広告のサービス名として採用したことで、現在では「Googleの追跡型広告=リマケ」として定着しています。

リタゲ(リターゲティング)の由来

一方のリタゲは「Retargeting」の略称です。

「Re(再び)」+「Targeting(標的を絞る)」という意味を持っています。

こちらは、一度サイトを訪れたユーザーに「再び狙いを定めて(ターゲットにして)」広告を打つという、機能そのものを直接的に表現した言葉です。

Yahoo!広告をはじめ、Meta(Facebook/Instagram)広告やCriteoなどの多くのプラットフォームでは、この分かりやすい名称が使われています。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

プラットフォームを明確に区別したい場合は「Googleのリマケ」「Yahoo!のリタゲ」と使い分けます。しかし、実務上の会話では、媒体を問わずどちらか一方の言葉で「追跡型広告全体」を指すことも多いです。

ここでは、ビジネスシーンにおける具体的な使い方を見ていきましょう。

実際の現場をイメージしながら読んでみてくださいね。

リマケの正しい例文

・コンバージョン率を上げるために、Google広告のリマケリストを精査しよう。

・検索連動型広告だけでなく、リマケも併用して見込み客を取りこぼさないようにしたい。

・(広義の意味として)カート落ちしたユーザーにメールを送るリマケ施策を実施する。

Google広告の文脈や、再アプローチ全般を指す場合に使います。

リタゲの正しい例文

・Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)でリタゲを配信するためのタグをサイトに設置してください。

・Facebook広告のリタゲは、精度の高いターゲティングが可能だ。

・動的リタゲを活用して、ユーザーが閲覧した商品のバナーを自動で表示させよう。

こちらは、Google以外のプラットフォームを利用する際に使われます。

よくあるNGな使い方

・(NG)Yahoo!広告のリマケ設定は完了しましたか?

・(NG)Googleのリタゲタグの埋め込みをお願いします。

意味は通じますが、プラットフォーム名と機能名がちぐはぐになっています。

厳密に言えば間違いなので、クライアントや代理店と話す際は正確な名称を使い分けるのがプロの作法でしょう。

「リマケ」と「リタゲ」の違いを専門的に解説

【要点】

両者は「行動ターゲティング広告」の一種ですが、近年はサードパーティCookieの利用制限により、従来通りの追跡が困難になりつつあります。今後はファーストパーティデータの活用が不可欠です。

少し専門的な視点からも、この2つの関係性を覗いてみましょう。

リマケやリタゲは、ユーザーのWeb上での行動履歴(閲覧履歴など)をもとに広告を配信する「行動ターゲティング広告」の代表格です。

これまでは、ブラウザに付与される「サードパーティCookie」という技術を使って、ユーザーが様々なサイトを移動するのを追跡していました。

しかし近年、プライバシー保護の観点から、世界中でCookieの利用を制限する動きが加速しています。

つまり、今までのように簡単に「リマケ」「リタゲ」で追いかけることが難しくなっているのです。

日本でも、総務省が電気通信事業法の改正などを通じて、利用者情報の取り扱いに関するルールを厳格化しています。

これからのマーケターは、外部のCookieに依存するのではなく、自社で取得した顧客データ(ファーストパーティデータ)を活用する新たな「リマケ」「リタゲ」の手法を構築しなければなりません。

単なる言葉の違いを超えて、Web広告の仕組みそのものが大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。

知ったかぶりをして赤面した僕の失敗談

実は僕も新人時代、この「リマケ」と「リタゲ」を全くの別物だと勘違いして、痛い目を見たことがあります。

広告代理店に入社して数ヶ月、初めてクライアントへの提案資料を一人で作成することになりました。

僕は張り切って、「最新のWeb広告手法を取り入れたい」という思いから、資料の目玉としてこんなスライドを作ったのです。

「本キャンペーンでは、ユーザーの購買意欲を高めるために、高度な追跡手法である『リマケ』と、さらに精密な『リタゲ』の双方を駆使します!」

自信満々で先輩に資料を見せると、先輩はポカンとした顔で僕を見つめました。

「えっと……これ、GoogleとYahooの両方で配信するって意味で書いてるんだよね?」

「いえ!リマケで広く追跡して、リタゲでピンポイントに狙い撃ちするんです!」

僕がドヤ顔で答えると、先輩は呆れ半分、笑い半分で教えてくれました。

「あのさ、リマケとリタゲって、会社が違うだけでやってることは同じだよ?牛丼を吉野家で食べるか、すき家で食べるかみたいな違いしかないから」

その瞬間、僕は恥ずかしさのあまり顔から火が出るかと思いました。

専門用語を並べ立てればカッコいいと勘違いしていた、当時の僕の浅はかさ。

言葉の表面だけをなぞって本質を理解していなかった自分を、深く反省した出来事です。

それ以来、新しいマーケティング用語に出会ったときは、必ず「その言葉が生まれた背景」や「具体的な仕組み」まで調べるクセがつきました。

「リマケ」と「リタゲ」に関するよくある質問

ここでは、読者の皆様からよくいただく疑問にお答えします。

Q.スマホアプリの広告でもリマケやリタゲはできますか?

A.はい、可能です。ただし、アプリの場合はCookieではなく、端末固有の広告識別子(iOSのIDFAやAndroidのAAIDなど)を利用してユーザーを識別します。近年はAppleのトラッキング規制(ATT)などにより、同意を得たユーザーにしか配信できないケースが増えています。

Q.リマケとリタゲ、両方同時に配信する意味はありますか?

A.意味はあります。GoogleとYahoo!では提携している配信先のネットワーク(広告枠)が異なるため、両方を使うことでより多くのユーザーにリーチできるからです。ただし、同じ人に何度も広告が出すぎて不快感を与えないよう、表示回数の上限(フリークエンシーキャップ)を設定することが重要です。

Q.Cookie規制で、今後リマケやリタゲは完全に使えなくなるのですか?

A.完全に使えなくなるわけではありませんが、精度は落ちていくと予想されます。そのため、AIを活用してユーザーの行動を予測する代替技術(Googleのプライバシーサンドボックスなど)や、自社で集めた顧客データ(メールアドレスなど)を媒体に連携して配信する手法への移行が進んでいます。

「リマケ」と「リタゲ」の違いのまとめ

最後に、今回解説した内容をおさらいしましょう。

リマケ:Google広告における、サイト離脱者を追跡する機能の名称。
リタゲ:Yahoo!広告やMetaなどにおける、サイト離脱者を追跡する機能の名称。

このように、中身の仕組みは同じでも、提供している広告プラットフォームによって呼び方が違うことがお分かりいただけたと思います。

会議の場で「リマケ」と「リタゲ」が飛び交っても、もう焦る必要はありませんよね。

言葉の正確な意味を知ることは、説得力のあるマーケティング施策を立てるための第一歩です。

さらにビジネスの解像度を上げたい方は、ぜひマーケティング用語の違いや使い分けに関する他の記事もチェックしてみてくださいね。

本質を理解したプロの言葉選びで、あなたのビジネスをさらに前進させましょう。

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