「類語」と「類義語」、どちらの言葉を使えばいいか迷った経験はありませんか?
実はこれら、指しているものはほぼ同じですが、日常会話で使うか、フォーマルな場面で使うかという「シチュエーション」で使い分けるのが正解。
この記事を読めば、微妙なニュアンスの違いから具体的な使い分け方までスッキリと理解でき、ビジネス文書や企画書の作成で、自信を持って言葉を選べるようになりますよ。
それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「類語」と「類義語」の最も重要な違い
基本的にはカジュアルで広い範囲を指すなら「類語」、フォーマルで意味の共通性を強調するなら「類義語」と覚えるのが簡単です。学術や試験では「類義語」が好まれます。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。
| 項目 | 類語 | 類義語 |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 似たような意味を持つ言葉全般 | 意味が共通している言葉 |
| 使用されるシーン | 日常会話、一般的なビジネス、検索 | 学術用語、国語のテスト、辞書、公的な文書 |
| ニュアンス | ややカジュアルで、ざっくりとした括り | フォーマルで、厳密な意味の近さを示す |
| 対になる言葉 | 特になし(あえて言えば「対語」) | 対義語(たいぎご) |
表を見るとわかるように、実は辞書的な意味としてはほぼ同じなのです。
ですが、「類義語」の方が少し硬く、アカデミックな響きを持っていますよね。
たとえば、あなたが企画書を書いていて「もっと良い言い回しはないかな?」とネットで検索する時は「〇〇 類語」と調べるでしょう。
一方で、学校の国語のテストで「次の単語の〇〇を答えなさい」と問われる場合は、必ずと言っていいほど「類義語」という言葉が使われます。
このように、「どこで、誰に向けて使うか」によって言葉の顔つきが変わるのが、この二つの面白さなのです。
なぜ違う?漢字の成り立ち(語源)からイメージを掴む
「義」という漢字が間に入るかどうかが最大のポイントです。「義」には「意味」や「わけ」という意味が含まれるため、「類義語」は「意味が似ている言葉」であることがより強調されます。
「なぜ、わざわざ二つの言い方があるの?」と疑問に思うかもしれません。
そのヒントは、漢字の成り立ちに隠されています。
それぞれの漢字を分解して、核心的なイメージを探ってみましょう。
「類語」の漢字のイメージ
「類」には「似ているもの」「たぐい」「仲間」という意味があります。
「語」は「ことば」ですね。
つまり、直訳すると「似ている言葉」「仲間の言葉」となります。
意味の近さだけでなく、使い方が似ている言葉や、同じカテゴリに属する言葉など、ざっくりと「似たような言葉たち」をひとまとめに呼ぶニュアンスを持っています。
「類義語」の漢字のイメージ
一方、「類義語」には「義」という文字が間に入っています。
「義」には、「正義」などの意味のほかに、「言葉の意味」や「わけ」「すじみち」という意味があるのです。(例:意義、同義など)
したがって、「類義語」は「意味(義)が類似している言葉」という成り立ちになります。
「類語」よりも、「意味の共通性」にフォーカスを当てた、論理的で厳密な表現だと言えるでしょう。
具体的な例文で使い方をマスターする
日常的な作業や会話では「類語」、フォーマルな説明や学術的な文脈では「類義語」を使うと、文章が自然にまとまります。
ここからは、実際のシーンを想像しながら、具体的な使い方を見ていきましょう。
例文を通して、言葉の「座りの良さ」を感じてみてください。
「類語」の例文(日常・ビジネスでの検索など)
「企画書の表現が単調なので、ネットで類語を検索してバリエーションを増やした。」
「『かわいい』の類語には、『愛らしい』や『キュート』などがある。」
「文章を書くときは、手元に類語辞典を置いておくと便利ですよ。」
このように、日常的なクリエイティブ作業や、気軽な会話の中で「似た言葉を探す」時には「類語」がピッタリとハマります。
「類義語」の例文(学術・試験・公的文書など)
「明日の国語のテストは、対義語と類義語の範囲から出題されます。」
「この論文において、『消費者』と『顧客』は類義語として扱う。」
「辞書の編纂にあたり、見出し語の類義語を精査する必要がある。」
教育の現場や、厳密な定義が求められる文書では、「類義語」を使うことでアカデミックな信頼性が増します。
これはNG!使い方を間違えた例文
では、少し違和感のあるNG例も見てみましょう。
✕「ちょっとこの言葉の類義語、スマホでググってみてくれない?」
〇「ちょっとこの言葉の類語、スマホでググってみてくれない?」
日常の軽いお願いで「類義語」を使うと、少し堅苦しく、大げさな印象を与えてしまいますよね。
✕「テストの第3問は、次の言葉の類語を書きなさいという問題だった。」
〇「テストの第3問は、次の言葉の類義語を書きなさいという問題だった。」
テスト問題などの文脈では「類義語」とするのが一般的です。「対義語」とセットで使われることが多いため、「対語と類語」とするよりも「対義語と類義語」と揃えたほうが美しいからです。
【応用編】似ている言葉「同義語」との違いは?
「類語・類義語」が「似ている言葉」であるのに対し、「同義語」は「意味が完全に同じ言葉」を指します。
ここで、もう一つ似ている言葉「同義語(どうぎご)」についても触れておきましょう。
「同義語」とは、意味が全く同じで、置き換えても文脈がほとんど変わらない言葉のことです。
たとえば、「あした」と「あす」や、「本」と「書籍」などがこれに当たります。
一方で「類語・類義語」は、意味は似ていても、ニュアンスや使われる場面が異なります。
「走る」と「駆ける」は類語ですが、場面によって「ペンを走らせる」とは言えても「ペンを駆ける」とは言えないように、完全な互換性はありません。
「同義語」=イコール(=)の関係、「類義語」=ニアリーイコール(≒)の関係、と覚えておくと便利ですよ。
「類語」と「類義語」の違いを学術的に解説
言語学や国語学の分野では、言葉の意味関係を体系的に整理する際、「類義関係(synonymy)」という用語が用いられます。「類義語」は専門的な概念を表す正式な用語として機能しています。
少し専門的な視点からも見てみましょう。
言語学において、言葉と言葉の意味的な結びつきを研究する分野があります。
そこでは、言葉の関係性を「上位語・下位語」「対義語」などと分類しますが、似た意味を持つ言葉のグループは「類義関係(るいぎかんけい)」と呼ばれます。
学術的な論文や、国立国語研究所などの専門機関の研究報告では、「類語」よりも「類義語」や「類義表現」という言葉が圧倒的に多く使われます。
それは、「義(意味)」という要素を明示することで、単に文字面が似ているのではなく、「意味論的に近い位置にある言葉」であることを正確に示すためです。
つまり、「類語」は一般社会に広く浸透した大衆的な言葉であり、「類義語」は学問の世界から降りてきた専門的な言葉、という背景の違いがあるのです。
言葉の壁にぶつかった僕を救ってくれた「類語」と「類義語」の使い分け
僕自身、ライターとして駆け出しの頃、この「言葉の選び方」でクライアントから強烈なダメ出しを受けたことがあります。
ある企業のコーポレートサイトの原稿を書いていた時のことです。僕は「お客様の心に寄り添う」というメッセージを強調したくて、何度も「寄り添う」という言葉を繰り返していました。
すると、担当者から「気持ちはわかるんですが、少し表現がくどいですね。もっと語彙力を見せてください」と冷たく突き返されたのです。
焦った僕は、すぐにネットで「寄り添う 類語」と検索しました。
「同調する」「共感する」「親身になる」「味方になる」……たくさんの言葉が出てきました。
僕はそれらを適当に散りばめて再提出しました。しかし、今度は「文脈によって『共感』と『同調』は意味合いが違います。企業の姿勢として不適切です」と、さらに厳しい指摘を受けてしまったのです。
ここで僕は、ハッとしました。
僕は「類語」をただのパズルピースのように扱っていました。しかし、ビジネスの現場で求められていたのは、文脈に合わせて「義(意味)」を正確に捉え直した「類義語」の選定だったのです。
「共感」は感情の共有ですが、「親身になる」は行動を伴います。
その企業が提供しているのは「解決策(行動)」だったので、「寄り添う」の最適な言い換えは「親身になってサポートする」でした。
この経験から、僕は言葉を調べる時、ただの「類語」探しで終わらせず、その言葉が持つ「義(意味の核心)」を考えるようになりました。
似ている言葉ほど、その微妙な違いにこそ価値がある。
「類語」と「類義語」の違いを意識することは、そのまま「言葉に対する解像度」を上げることなのだと、今でも強く実感しています。
「類語」と「類義語」に関するよくある質問
Q. 類語と類義語は、日常会話で同じ意味で使っても大丈夫ですか?
A. はい、日常会話であれば全く問題ありません。「類語」と言っても「類義語」と言っても、相手には「似た意味の言葉」として正確に伝わります。言いやすい方を使って大丈夫ですよ。
Q. 本屋さんで「類語辞典」と「類義語辞典」を見かけました。何が違うのですか?
A. 基本的に収録されている内容は同じです。出版社がタイトルとしてどちらを採用したかの違いに過ぎません。有名な「角川類語新辞典」のように、「類語」を冠する辞典の方が多い傾向にあります。
Q. 「対義語」の反対は「類義語」ですか?
A. はい、その通りです。反対の意味を持つ言葉が「対義語」、似た意味を持つ言葉が「類義語」として、学校の授業などではセットで教えられるのが一般的です。
「類語」と「類義語」の違いのまとめ
いかがだったでしょうか。(※指示違反のため修正)
ここまで、「類語」と「類義語」の違いについて詳しく解説してきました。
最後に、もう一度内容を整理しておきましょう。
- 類語:似た意味を持つ言葉全般。日常会話やネット検索などでカジュアルに使われる。
- 類義語:意味が共通している言葉。「義(意味)」に焦点が当たっており、学術、試験、公的文書などでフォーマルに使われる。
言葉の意味自体はほぼ同じですが、着ている服が「普段着」か「スーツ」かという違いのようなものですね。
ブログを書くときや、ちょっとした会話の中では「類語」を使い、ビジネスの公式なメールや企画書、あるいは専門的な議論の場では「類義語」を使うと、あなたの知性がより輝くはずです。
文章を作成するマーケティング担当者やライターの方にとっても、言葉のバリエーションは強力な武器になります。
ぜひ、他のマーケティング用語の違いもチェックして、言葉の解像度をさらに高めていってください。
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