「sometime」と「sometimes」は、たった一文字「s」があるかないかの違いですが、結論から言うと、「sometime」は不特定の「いつか」という一点を表し、「sometimes」は繰り返される「時々」という頻度を表すという決定的な違いがあります。
なぜなら、「sometime」の「time」は「ある時点」を指しているのに対し、「sometimes」の「times」は「回数(~回)」の複数形に由来し、何回も起きることを意味しているから。
この違いを曖昧にしておくと、約束の日取りを決めたいのに「時々会いましょう」と伝わってしまったり、逆に習慣の話をしているのに「いつかやります」と先延ばしに聞こえてしまったりするリスクがあります。
この記事を読めば、さらに紛らわしい「some time(2語)」との違いも含めて、ビジネスメールや日常会話で自信を持って使い分けられるようになります。
それでは、まず二つの言葉の決定的な違いを一覧表で詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「sometime」と「sometimes」の最も重要な違い
基本的には、「いつか」という一点なら「sometime」、「時々」という頻度なら「sometimes」と覚えるのが簡単です。さらにスペースが入る「some time」は「しばらくの間」という期間を表します。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | sometime | sometimes |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | いつか(不特定の時点) | 時々、たまに(頻度) |
| 時間のイメージ | カレンダー上の「どこか一点」 (未来または過去) | カレンダー上に「点在する複数」 (50%程度の頻度) |
| 品詞 | 副詞(いつか) 形容詞(かつての) | 副詞(時々) |
| 使い方の例 | Let’s meet sometime. (いつか会いましょう) | I sometimes meet him. (時々彼に会います) |
一番大切なポイントは、「s」がつくと「複数回=時々」になり、「s」がないと「ある一回=いつか」になるということです。
例えば、同僚をランチに誘うときに「Let’s have lunch sometime.(そのうちランチに行こう)」と言えば社交辞令的な挨拶になりますが、「We have lunch sometimes.(私たちは時々ランチに行く)」と言えば習慣の説明になります。
なぜ違う?「s」の有無からイメージする「一点」と「複数」
「sometime」は「some(ある)」+「time(時点)」で、特定されていない「ある一点」を指します。一方、「sometimes」は「time」に複数形の「s」がつくことで「数回」となり、そこから「頻度(時々)」という意味が生まれました。
なぜたった一文字でこれほど意味が変わるのか、語源やコアイメージを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。
「sometime」のイメージ:タイムライン上の「どこか一点」
「sometime」は、「some(ある、何らかの)」と「time(時、時点)」が結合した言葉です。
ここでの「time」は、時間の長さや回数ではなく、「ある時点(ポイント)」を指しています。
イメージとしては、カレンダーやスケジュールのどこかに「?」マークがついたピンを一本刺す感じです。「いつかは決まっていないけれど、どこかの一点」を指すため、「(未来の)いつか」や「(過去の)ある時」という意味になります。
「sometimes」のイメージ:タイムライン上に「点在する複数」
一方、「sometimes」には「s」がついていますね。これは複数形の「s」です。
「time」が複数形(times)になると、「回数(~回)」や「度々」という意味を持ちます。つまり、「some(いくつかの)」+「times(回数)」で、「何回か起きること」を表しています。
イメージとしては、カレンダー上にいくつもの丸印がついている状態です。「いつも(always)」ほど頻繁ではないけれど、「全くない(never)」わけでもない。そこから「時々」という頻度を表す言葉として定着しました。
具体的な例文で使い方をマスターする
「sometime」は「Let’s meet sometime next week(来週のどこかで)」のように不確定な予定に使います。「sometimes」は「I sometimes walk to work(時々歩いて出勤する)」のように習慣や頻度を説明する際に使います。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け(アポ・約束)
アポイントメントの調整や、業務の頻度報告などで使い分けが重要になります。
【OK例文:sometime(いつか・ある時点)】
- Could we have a meeting sometime next week?
(来週のどこかで打ち合わせできませんか? ※具体的な日時は未定) - I will call you sometime in the afternoon.
(午後のいつか(どこかの時点で)お電話します。)
【OK例文:sometimes(時々・頻度)】
- The system sometimes crashes.
(そのシステムは時々クラッシュします。 ※頻度の報告) - I sometimes work from home.
(時々在宅勤務をします。 ※習慣)
「sometime next week」のような使い方は、ビジネスメールでの日程調整の第一段階として非常によく使われるフレーズですね。
日常会話での使い分け(習慣・過去)
未来の約束や、普段の生活習慣を話す際にも違いが出ます。
【OK例文:sometime】
- Let’s go for a drink sometime!
(そのうち飲みに行こうよ! ※社交辞令的なニュアンスも含む) - I saw him sometime last summer.
(去年の夏のある時(いつだったか)、彼を見かけたよ。)
【OK例文:sometimes】
- Sometimes I feel lonely.
(時々、寂しくなることがある。) - He is strict, but sometimes very kind.
(彼は厳しいけど、たまにすごく優しい。)
これはNG!間違えやすい使い方
特に「s」の有無で文脈が全く変わってしまうケースに注意しましょう。
- 【NG】 I want to see you sometimes soon.
- 【OK】 I want to see you sometime soon.
(近いうちにいつか会いたいですね。)
「近いうちに」という一点を指しているので「sometime」が正解です。「sometimes」を使うと「近いうちに、時々会いたい(何度も会いたい)」という、少し重たい、あるいは文脈によっては不自然な意味になりかねません。
【応用編】スペースが入る「some time」との違いは?
「some time」と2語に分けると、「しばらくの間」や「少しの時間」という「期間(長さ)」を表します。「I need some time(少し時間が欲しい)」のように、量としての時間を指す場合にこれを使います。
「sometime」と「sometimes」に加えて、もう一つ紛らわしいのが、スペースが入った「some time」です。発音はほぼ同じですが、意味は全く異なります。
この場合の「time」は不可算名詞で「時間」そのものを指し、「some」は「いくらかの」という意味です。つまり「しばらくの時間」「かなりの時間」という「期間の長さ」を表します。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| sometime | いつか | 一点(Point) |
| sometimes | 時々 | 頻度(Frequency) |
| some time | しばらくの間 | 期間(Period) |
【例文:some time(期間)】
- It will take some time to finish this project.
(このプロジェクトを終わらせるには、しばらく時間がかかります。) - Do you have some time to talk?
(話をする時間は(少し)ありますか?)
「いつか(sometime)」なのか、「時間そのもの(some time)」なのか。スペース一つで「点」か「線」かが変わるんですね。
「sometime」と「sometimes」の違いを文法的な視点から解説
文法的には、「sometime」は不特定の時を表す副詞で、文末や文中に置かれます。「sometimes」は頻度を表す副詞で、通常は一般動詞の前やbe動詞の後、あるいは文頭・文末に置かれます。「time」の可算・不可算の性質の違いが根本にあります。
専門的な視点から見ると、これらの違いは「time」という名詞の性質(可算・不可算)とその派生に基づいています。
- Sometime:ここでの「time」は抽象的な「時」の一点を指す副詞的用法として固まったものです。形容詞として使われる場合は「かつての(former)」という意味も持ちます(例:a sometime professor=かつての教授)。
- Sometimes:「time」を「回数」という意味の可算名詞として扱い、それに「some(いくつかの)」がついた複数形が副詞化したものです。頻度副詞(always, usuallyなど)の仲間として機能します。
英語学習において頻度副詞の位置や使い方は重要な要素ですが、この「s」の有無による機能の変化を理解することは、正確な文法運用能力の向上に直結します。詳しくはCambridge Dictionaryの文法解説などでも、これらの使い分けについて詳細に確認できます。
僕が「sometime」を使ってしまい相手を困惑させた体験談
僕も海外とのやり取りを始めたばかりの頃、この「s」の有無で失敗した経験があります。
現地の担当者とチャットでシステムの不具合についてやり取りしていた時のことです。相手から「このエラーはどれくらいの頻度で発生するの?」と聞かれました。
僕は「時々発生するよ」と言いたくて、こう入力しました。
「It happens sometime.」
すると、相手から「When? Do you know the specific time?(いつ? 具体的な時間はわかる?)」と返信が来ました。
僕は首を傾げました。「いや、だから時々だってば…」。
後で気づいたのですが、僕は「s」をつけ忘れたせいで、「(過去の)ある一時点で発生した(あるいは未来のいつか発生する)」という意味で伝わってしまっていたのです。相手は「いつ発生したのか特定したい」と思って、「When?」と聞いてきたわけですね。
「時々(頻度)」と言いたければ、必ず「sometimes」としなければなりませんでした。
「たった一文字の『s』が、会話の『いつ』と『どれくらい』を分けてしまう」。この小さな違いがコミュニケーションのズレを生む怖さを痛感した出来事でした。
それ以来、チャットを送る前に「頻度ならsをつける! 複数回だからs!」と心の中で唱えるようになりました。
「sometime」と「sometimes」に関するよくある質問
「sometime」と「someday」の違いは何ですか?
どちらも未来の「いつか」を表しますが、ニュアンスが違います。「sometime」は「(近い将来の)いつか」「そのうち」という現実的な予定や計画に使われることが多いです。一方、「someday」は「(遠い未来の)いつか」「いつの日か」という、夢や願望に近い、少し漠然としたニュアンスで使われます。
「sometimes」を文頭に置くのは間違いですか?
いいえ、間違いではありません。「Sometimes I go to the gym.」のように、文頭に置いて強調することはよくあります。また、「I go to the gym sometimes.」のように文末に置くことも可能です。文中に置く場合は、一般動詞の前(I sometimes go…)が基本位置です。
「Anytime」と「Sometime」は関係ありますか?
形は似ていますが、意味は異なります。「Anytime」は「いつでも」という意味で、相手に選択権を委ねたり、無制限であることを示したりします。「Call me anytime(いつでも電話して)」のように使います。「Sometime」は特定の(しかし未定の)一点を指すので、意味合いは逆と言えるかもしれません。
「sometime」と「sometimes」の違いのまとめ
「sometime」と「sometimes」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- sometime:「いつか」。カレンダー上の「ある一点」を指す。
- sometimes:「時々」。カレンダー上に点在する「複数回(頻度)」を指す。
- some time:「しばらく」。時間の「長さ(期間)」を指す。
- 覚え方:「s」がついたら複数回=時々。「s」がなければ一回=いつか。
「sometime」と「sometimes」を正しく使い分けることは、単に単語を覚えるだけでなく、相手に「時間の感覚」や「約束の具体性」を正確に伝えるための重要なスキルです。
これからは自信を持って、その場の状況にぴったりの言葉を選んでいきましょう。英語由来語の使い分けについてさらに知りたい方は、英語由来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。
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