「such as」と「like」の違い!フォーマル度が劇的に変わる使い分けのコツ

「such as」と「like」、どちらも「~のような」と訳せるため、英語のメールや会話でどっちを使うべきか迷ったことはありませんか?

実はこの2つの表現、フォーマルな「例示」か、カジュアルな「比喩(似ている)」かという点で明確に使い分けられます。

この記事を読めば、ビジネスシーンで恥をかかない正しい選択基準から、ネイティブが感じるニュアンスの違いまでスッキリと理解でき、自信を持って英文を書けるようになります。それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「such as」と「like」の最も重要な違い

【要点】

ビジネスや書き言葉では具体的な例を挙げる「such as」を、日常会話や親しい間柄では「~みたいに」と比喩的に使う「like」を選ぶのが鉄則です。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目such aslike
中心的な意味例えば~のような(例示)~に似ている、~みたいな(比喩・類似)
フォーマル度高い(書き言葉・ビジネス)低い(話し言葉・カジュアル)
ニュアンス具体例を挙げて範囲を限定する性質が似ているものを挙げる
文法的な扱い前置詞句的(直後に名詞)前置詞(直後に名詞)、接続詞的(口語)
ビジネスメール推奨(知的で丁寧な印象)避けるのが無難(稚拙に見える可能性)

一番大切なポイントは、ビジネスメールやレポートでは迷わず「such as」を使うということですね。

「like」は便利ですが、フォーマルな場では「~みたいな感じでさ」といった軽い響きになりがちなので注意が必要です。

なぜ違う?単語の成り立ち(イメージ)から本質を掴む

【要点】

「such as」は「そのような(such)」+「~として(as)」で具体例を指し示すイメージです。一方、「like」は「似ている」という形状や性質の類似を表すイメージが根底にあります。

なぜこの二つの表現にニュアンスの違いが生まれるのか、単語の持つコアイメージを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「such as」のイメージ:枠組みの中の「具体例」

「such」は「そのような」、「as」は「~として」や「イコール」のイメージを持っています。

つまり、「such as A」は「Aという具体的なもの(として挙げられるような)カテゴリー」を指します。

これは、大きな箱(カテゴリー)の中に含まれる「中身(具体例)」を正確に取り出して見せる感覚です。だからこそ、論理的で明確な説明が求められるビジネスや論文に適しているのです。

「like」のイメージ:性質が近い「類似」

一方、「like」の語源は「似ている形状」や「死体(leik)」にまで遡ると言われますが、現代英語では「~と同じような性質を持っている」という「類似」がコアイメージです。

「A like B」と言った場合、「Bそのもの」が含まれるかどうかよりも、「Bに似ているA」という「感じ」や「雰囲気」を伝えることに重きが置かれます。

この「~っぽい」という感覚が、日常会話での使いやすさと、フォーマルな場での不適切さ(曖昧さ)の両方を生んでいるのですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

ビジネスでは「such as」を使って具体例を明確に提示し、日常会話では「like」を使って「~みたいな」と気軽に表現します。文脈に合わない選択は、相手に違和感を与えてしまいます。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け(such as)

クライアントへの提案や報告書では、正確さが命です。

【OK例文】

  • We export fruits such as apples and oranges.
    (我々は、リンゴやオレンジといった果物を輸出しています。※リンゴとオレンジは輸出品の「具体例」として確実。)
  • Many Asian countries, such as Japan, China, and Korea, are facing aging populations.
    (日本、中国、韓国などの多くのアジア諸国は、高齢化に直面しています。)

ここでは「例えばこれらの国が含まれますよ」と具体的に指し示しています。

日常会話での使い分け(like)

友人と話す時は、堅苦しさを抜いて「like」を使います。

【OK例文】

  • I want to visit countries like Italy or Spain.
    (イタリアとかスペインみたいな国に行ってみたいな。※イタリアそのものに行きたい場合もあれば、南欧の雰囲気がある国ならどこでもいい場合もある。)
  • He acts like a child.
    (彼は子供みたいに振る舞う。※比喩表現。彼は実際には大人。)

この「彼は子供のようだ」という比喩の場合、「such as」は使えません。「such as」はあくまで「具体例(包含)」を表すからです。

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じますが、プロフェッショナルさを損なう例です。

  • 【NG(ビジネスメール)】
    Our company provides services like consulting and marketing.
    (弊社はコンサルとかマーケティングみたいなサービスを提供しています。)

これでは、「コンサルっぽいこと」をやっているけれど、詳しくは決まっていないような、自信のない印象を与えかねません。

  • 【OK(ビジネスメール)】
    Our company provides services such as consulting and marketing.
    (弊社はコンサルティングやマーケティングといったサービスを提供しております。)

これなら、「提供サービスの中に、コンサルとマーケティングが確実に含まれている」ことが伝わります。

【応用編】似ている言葉「including」との違いは?

【要点】

「including」は「~を含めて」という意味で、リストの一部を強調して提示する際に使います。「such as」とほぼ同じように使えますが、より「構成要素の一部であること」を明確にするニュアンスがあります。

「such as」や「like」と似た表現に「including」があります。これもビジネスで頻出ですので、押さえておきましょう。

「including」は、全体のグループの中から、特に主要なものや意外なものを「含んでいる」と強調したい時に便利です。

  • Prices, including tax, are subject to change.
    (税金込みの価格は変更される可能性があります。)
  • Everyone went to the party, including Tom.
    (トムを含め、全員がパーティーに行きました。)

「such as」は「例示(例えば~)」、「including」は「包含(~を含んで)」、「like」は「類似(~のような)」と整理すると、迷わなくなりますよ。

「such as」と「like」の違いを学術的に解説

【要点】

厳密な文法(Prescriptive Grammar)では、「like」は例示(inclusion)には使わず、類似(similarity)にのみ使うべきとされてきました。現代では許容されつつありますが、アカデミックライティングでは依然として区別が求められます。

少し専門的な視点から、この二つの表現の「正しさ」について掘り下げてみましょう。

伝統的な規範文法において、「like」は前置詞として「類似」を表すためにのみ使用され、「例示」には使用しないというルールが存在しました。

例えば、「The Elements of Style」(Strunk & White)のような古典的なスタイルガイドでは、「like」を「such as」の代わりに使用することは誤りであると指摘されることがあります。

学術論文や公式な文書においては、この区別が依然として重要視されています。論理性と正確性が求められるアカデミックライティングでは、「like(~に似ている)」を使って具体例を挙げると、「その例そのものは含まない(ただ似ているだけ)」という解釈の余地を与えてしまう可能性があるからです。

詳しくは文部科学省が管轄する大学教育や、海外の大学が公開しているライティングセンターのガイドライン(例:Purdue OWLなど)でも、フォーマルな文体における語彙選択の重要性が説かれています。

「such as」と「like」に関する体験談

僕も留学中、この「such as」と「like」の使い分けで、恥ずかしい思いをしたことがあります。

現地の大学での初めてのプレゼンテーション。僕は少しでもネイティブっぽく話そうと、意識して「like」を多用していました。「We have many problems, like… this and like… that.」といった具合です。

プレゼン後、担当の教授から呼び出されました。厳しい表情でこう言われたんです。

「君の内容は素晴らしいが、話し方が少しカジュアルすぎるね。アカデミックな場では『like』ではなく『such as』や『for example』を使うように。そうでないと、君の知性が正しく評価されないよ」

顔から火が出るほど恥ずかしかったですが、同時にハッとしました。僕は「通じればいい」「流暢ならいい」と思っていましたが、「TPOに合わせた言葉選び」こそが、相手への敬意であり、自分の信頼性を高める鍵だったのです。

それ以来、レポートや発表では意識的に「such as」を使い、友人とランチに行く時は「like」を使う。この切り替えを徹底することで、英語でのコミュニケーションに自信が持てるようになりました。

「such as」と「like」に関するよくある質問

「such as」と「for example」の違いは?

「such as」は文中で名詞をつなげて例示するのに対し、「for example」は独立した文や節として使われることが多いです。例えば、「I like fruits such as apples.」とは言いますが、「I like fruits. For example, apples.」と文を切って使うのが「for example」の典型的なパターンです。

「like」をビジネスで使ってはいけませんか?

絶対にいけないわけではありません。同僚とのチャットや、カジュアルな社内ミーティングなら「like」でも問題ないことが多いです。しかし、顧客へのメール、契約書、公式なプレゼンなど、信頼性が求められる場面では「such as」を使うのがマナーであり、無難です。

「such as」の後に文を続けることはできますか?

基本的には「such as」の後には名詞(または名詞句)が来ます。文(主語+動詞)を続けたい場合は、「for example」を使うか、「such as the fact that…」のように名詞節にする工夫が必要です。

「such as」と「like」の違いのまとめ

「such as」と「like」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本はフォーマル度で使い分け:ビジネス・書き言葉なら「such as」、日常・話し言葉なら「like」。
  2. 意味の違い:「such as」は具体例(包含)、「like」は類似・比喩(~みたいな)。
  3. 迷ったらビジネスでは「such as」:知的な印象を与え、誤解を防ぐことができます。
  4. 文法的な背景:厳密なルールでは「like」での例示は避けるべきとされていることを知っておくと安心です。

言葉の背景にある「具体性」と「類似性」のイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

これからは自信を持って、的確な表現を選んでいきましょう。言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、英語由来語の違いをまとめたページもぜひご覧ください。

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