「too」と「either」の違い!「私も」と言いたい時の落とし穴

「too」と「either」の違いを一言で言うなら、「肯定文」で使うか、「否定文」で使うかという点に尽きます。

どちらも「〜もまた」という意味で使われますが、相手の「〜しない」という発言に対して「私も(しない)」と同調する際に「too」を使ってしまうと、ネイティブには非常に不自然に響きます。

この記事を読めば、それぞれの言葉が持つ「追加」と「二者択一」のイメージの違いから、会話での自然なレスポンスの仕方までスッキリと理解でき、自信を持って相槌を打てるようになります。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「too」と「either」の最も重要な違い

【要点】

基本的には肯定文(〜する)なら「too」、否定文(〜しない)なら「either」と覚えるのが簡単です。「too」はプラスの追加、「either」はマイナスの共有を表します。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの単語の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目tooeither
中心的な意味〜もまた(肯定)〜もまた(否定)
使われる文の種類肯定文否定文(not … either)
コアイメージそれに加えて(プラス)どちらか一方、どちらも
位置文末(カンマを置くことが多い)文末(否定語と共に使う)

一番大切なポイントは、前の文が「肯定」なら「too」、「否定」なら「either」で受けるということです。

例えば、「私は犬が好きです」と言われて「私もです」なら「I do, too.」ですが、「私は犬が好きではありません」と言われて「私も(好きではありません)」なら「I don’t, either.」となります。

なぜ違う?単語の成り立ち(コアイメージ)から掴む

【要点】

「too」は「過剰・追加」のイメージで、ある状態にさらに積み重ねる感覚です。「either」は「二者のうちのどちらか」が原義で、否定文では「(Aだけでなく)Bもまた(ない)」という並列関係を作ります。

なぜこの二つの言葉に使い分けが必要なのか、語源やコアイメージを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「too」のイメージ:さらに積み重ねる

「too」は、「〜すぎる(過剰)」という意味でも使われますよね。

この言葉の根本には、「基準を超えて、さらに加わる」というイメージがあります。

「Aさんがする」という事実に、「Bさんもする」という事実が「ポンッ」と積み重なる感覚です。

だから、肯定的な事実の追加に使われるんですね。

「either」のイメージ:二者の関係性

一方、「either」はもともと「(2つのうちの)どちらか一方」という意味です。

「Either A or B(AかBのどちらか)」という熟語でもおなじみですね。

否定文で使われる「not … either」は、「Aも(ない)し、Bも(ない)。どちらも当てはまらない」という関係性を示します。

「どちらか一方が例外的に当てはまるわけではない(=両方ともない)」というロジックで、「〜もまた(ない)」となるのです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

相手の発言が肯定文か否定文かを見極めて使い分けます。「I like…」には「Me too」、「I don’t like…」には「I don’t… either」と返します。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

日常会話で頻出するパターンを見ていきましょう。

肯定文への同意(too)

相手が「〜だ」「〜する」と言った場合です。

【OK例文:too】

  • A: I am hungry.(お腹空いた。)
    B: I am, too.(私も。)
  • A: I studied hard yesterday.(昨日は一生懸命勉強したよ。)
    B: I did, too.(私もしたよ。)

肯定の事実に、自分も乗っかるイメージですね。

否定文への同意(either)

相手が「〜ではない」「〜しない」と言った場合です。

【OK例文:either】

  • A: I am not hungry.(お腹空いてない。)
    B: I am not, either.(私も空いてない。)
  • A: I can’t speak French.(フランス語は話せません。)
    B: I can’t, either.(私も話せません。)

否定の事実に、自分も同じく当てはまらないことを示します。

これはNG!間違えやすい使い方

日本人がよくやってしまう間違いを見てみましょう。

  • 【NG】 A: I don’t like natto.(納豆は好きじゃないんだ。)
    B: Me too.(私も。)
  • 【OK】 A: I don’t like natto.
    B: Me neither. / I don’t, either.(私も。)

相手が「嫌いだ(好きではない)」と言っているのに「Me too(私も)」と返すと、文脈によっては「私は(納豆が)好きです」と反対の意味に取られたり、単に英語が不自然だと受け取られたりします。

否定に対して同意する時は、次で紹介する「Me neither」を使うのが最も自然で簡単です。

【応用編】「Me too」と「Me neither」の使い分け

【要点】

会話での相槌として、肯定文には「Me too」、否定文には「Me neither」を使うのが定番です。「Me neither」は「Neither do I」のカジュアルな形です。

いちいち「I don’t … either」と言うのは少し長いですよね。

実際の英会話では、もっと短いフレーズが好まれます。

Me too(私も)

肯定文に対して「私も同じ」と言う時に使います。

  • A: I love this song!(この曲大好き!)
    B: Me too!(私も!)

Me neither(私も[〜ない])

否定文に対して「私も(同じく〜ない)」と言う時に使います。

  • A: I don’t have any money.(全然お金ないよ。)
    B: Me neither.(私も。)

「Me neither」は「Me too」の否定版として非常に便利です。

ちなみに、ネイティブの口語では否定文に対して「Me either」と言うこともありますが、文法的には「Me neither」が推奨されます。

「too」と「either」の違いを文法的な視点から解説

【要点】

「too」は肯定文の文末に置き、通常カンマを伴います。「either」は否定文(notを含む文)の文末に置きます。「also」は文中で使われる点が異なります。

感覚だけでなく、文法的なルールを知っておくと、迷った時の判断基準になります。

専門的な視点から、決定的な違いを解説します。

1. 否定語との共起

「either」は副詞として、必ず否定語(not, neverなど)と一緒に使われます。

「I don’t like it, either.」のように、「not … either」のセットで「〜もまた…ない」という意味を作ります。

一方、「too」は否定語と一緒には使いません。

「I don’t like it, too.」という文は、文法的に誤り(または非常に不自然)とされます。

2. 文中の位置と「also」

「too」と「either」は基本的に文末に置きます。

似た意味を持つ「also」は、文頭や文中(be動詞の後、一般動詞の前)に置かれることが多いです。

  • I also went there.(私もそこへ行きました。)
  • I went there, too.(同上)

書き言葉では「also」、話し言葉では「too」が好まれる傾向があります。

僕が「I don’t like it, too」と言って混乱させた体験談

僕も英語を習い始めた頃、この「too」と「either」の使い分けで失敗したことがあります。

留学生の友人とカフェで話していた時のことです。

友人がコーヒーを指して、「I don’t like black coffee.(ブラックコーヒーは苦手なんだ)」と言いました。

僕も同じだったので、深く考えずにこう答えました。

「Oh, I don’t like it, too.」

すると友人は一瞬怪訝な顔をして、「So… do you like it or not?(で、君は好きなの?嫌いなの?)」と聞き返してきました。

僕の頭の中では「私も(嫌い)」という意味でしたが、文法的にちぐはぐな英語を使ったせいで、相手を混乱させてしまったのです。

「否定の時は either なんだよ」と教えてもらい、「I don’t like it, either.」と言い直してようやく通じました。

たった一語の違いですが、会話のリズムや理解に大きな影響を与えることを痛感した出来事でした。

それ以来、否定文への同意には反射的に「Me neither」や「either」が出るように練習しました。

「too」と「either」に関するよくある質問

「either」の発音は「アイザー」ですか「イーザー」ですか?

両方正しいです。アメリカ英語では「イーザー」、イギリス英語では「アイザー」と発音される傾向がありますが、アメリカでも「アイザー」と言う人は多いです。自分の言いやすい方で構いませんし、どちらで言われても理解できるようにしておきましょう。

「Me either」と言うネイティブもいますが、間違いですか?

文法的には「Me neither」が正しいとされていますが、アメリカの口語などでは「Me either」もよく使われます。「私も(ない)」という意味で通じますが、フォーマルな場や学習段階では「Me neither」を使う方が無難です。

「too」を文頭に持ってくることはできますか?

基本的には文末に使います。文頭で「Too, …」と始めるのは不自然です。文頭で「さらに」「その上」と言いたい場合は、「Also,」や「Moreover,」などを使います。

「too」と「either」の違いのまとめ

「too」と「either」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本ルール:肯定文なら「too」、否定文なら「either」。
  2. 同意のフレーズ:「私も」は「Me too」、「私も(ない)」は「Me neither」。
  3. 文法構造:「either」は必ず「not」などの否定語とセットで使う。

言葉の背景にある「肯定(プラス)」と「否定(マイナス)」のイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

英語学習についてさらに詳しく知りたい方は、英語由来語の違いまとめもぜひご覧ください。

文部科学省の外国語教育に関する資料なども参考にしながら、これからは自信を持って、的確な表現を選んでいきましょう。

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