「will」と「be going to」の違い!その場の決定か、前からの計画か

「will」と「be going to」の違いを一言で言うなら、「今決めた意志」か、「以前から決まっていた計画」かという点に尽きます。

どちらも「〜するつもり」と訳されますが、使い間違えると「今思いついた適当な約束」に聞こえたり、逆に「事務的な決定事項」のように冷たく響いたりすることもあるので注意が必要。

この記事を読めば、それぞれの言葉が持つ「心の動き」と「進行」のイメージの違いから、ネイティブが自然に使い分けている感覚までスッキリと理解でき、自信を持って未来を語れるようになります。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「will」と「be going to」の最も重要な違い

【要点】

基本的にはその場で決めたことなら「will」、前から決めていたことなら「be going to」と覚えるのが簡単です。「will」は意志の力、「be going to」は既定路線を表します。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの表現の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目willbe going to
中心的な意味意志・予測(その場の判断)計画・予兆(前からの決定)
決定のタイミング今、話している瞬間話すよりも前
予測の根拠主観的な確信・推測客観的な根拠・目に見える予兆
ニュアンス「よし、やるぞ」「〜だろう」
(意志の点灯)
「〜する予定だ」「〜しそうだ」
(レールの上を進んでいる)

一番大切なポイントは、「will」は心が動いた瞬間に使い、「be going to」はすでに準備が進んでいる状況で使うということです。

例えば、電話が鳴って「私が出ます!」と言うときは「I will get it.」ですが、来週の旅行の話をするときは「I am going to visit Kyoto.」となります。

なぜ違う?コアイメージ(語源)からニュアンスを掴む

【要点】

「will」の名詞形は「意志・遺言」で、精神的な「〜するぞ」という気持ちが原点です。「be going to」は「go(行く)」の進行形で、目標に向かってすでに物理的に「向かっている途中」というイメージです。

なぜこの二つの表現にニュアンスの違いが生まれるのか、語源やコアイメージを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「will」のイメージ:意志の光がパッと点く

「will」は名詞で「意志」や「遺言」という意味があります。

ここからわかるように、「〜したい」「〜するぞ」という強い気持ちがコアイメージです。

頭の中で「意志の電球」がパッと点灯するような、その瞬間の心の動きを表します。

だから、未来のことでも「(今思ったんだけど)そうなるだろう」という主観的な予測にも使われるんですね。

「be going to」のイメージ:目的地へ向かう途中

一方、「be going to」は文字通り「go(行く)」の進行形です。

「to(〜へ)」という目的地に向かって、「すでに歩みを進めている(going)」状態を表します。

つまり、単なる頭の中の意志ではなく、すでに準備や計画が始まっている、あるいは原因が積み重なって結果に向かっているという「既定路線」のニュアンスが強いのです。

レールの上を走っている列車のようなイメージですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

「今決めた」ならwill、「前から決めていた」ならgoing to。予測の場合も、「思う」ならwill、「(空を見て)雨が降りそう」ならgoing toです。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

自分の行動を伝える場合

決定のタイミングが鍵になります。

【OK例文:will(今決めた)】

  • (レストランで注文を聞かれて) I‘ll have a beer.(ビールにします。)
  • (重そうな荷物を見て) I‘ll help you.(手伝いますよ。)

その場で「おっ、こうしよう」と思ったことは「will」ですね。

【OK例文:be going to(前から決めていた)】

  • I‘m going to study abroad next year.(来年、留学する予定です。)
  • I‘m going to buy a new car this weekend.(今週末、新しい車を買うつもりです。)

留学や車の購入は、その場の思いつきではなく、計画していたことなので「be going to」が自然です。

未来を予測する場合

根拠があるかどうかがポイントです。

【OK例文:will(主観的な予測)】

  • I think it will rain tomorrow.(明日は雨が降ると思うよ。)
  • He will probably come.(彼はたぶん来るだろう。)

自分の知識や経験に基づいた、単なる推測です。

【OK例文:be going to(客観的な予兆)】

  • (黒い雲を見て) Look at those dark clouds! It‘s going to rain.(あの黒い雲を見て! 雨が降りそうだ。)
  • (ふらついている人を見て) Watch out! He‘s going to fall!(気をつけて! 彼は倒れるぞ!)

「雨雲がある」「ふらついている」という目に見える根拠があり、事態がそちらに向かって進行している場合は「be going to」を使います。

これはNG!間違えやすい使い方

ネイティブが違和感を覚える使い方を見てみましょう。

  • 【NG】 (同僚に「コピー機が壊れてるよ」と言われて) OK, I‘m going to fix it.
  • 【OK】 (同僚に「コピー機が壊れてるよ」と言われて) OK, I‘ll fix it.

「壊れてるよ」と聞いて「あ、じゃあ直すよ」とその場で申し出る場面です。

ここで「I’m going to fix it.」と言うと、「(知ってたよ、)直す予定だったんだ」というニュアンスになり、「じゃあなんで今まで放置してたの?」と思われかねません。

その場のオファーや決断は、必ず「will」を使いましょう。

【応用編】「I’ll」と「I’m gonna」のニュアンスの違いは?

【要点】

日常会話では「I will」は「I’ll」、「I am going to」は「I’m gonna」と短縮されるのが一般的です。「gonna」は非常にカジュアルな響きがあるため、フォーマルな場では避けるのが無難です。

実際の英会話では、教科書通りの発音よりも短縮形が頻繁に使われます。

I’ll(アイル)

「I will」の短縮形です。「意志」を表すので、相手への約束や申し出の際によく使われます。

  • I’ll call you later.(後で電話するね。)

I’m gonna(アイム ガナ)

「I am going to」の短縮形で、口語(話し言葉)の定番です。

予定や決まっていることをカジュアルに伝える時に便利ですが、ビジネスメールや論文などの書き言葉では使いません。

  • I’m gonna grab some lunch.(ちょっと昼飯買ってくるわ。)

「will」と「be going to」の違いを文法的な視点から解説

【要点】

「will」は助動詞で、話者の心理状態(推量・意志)を表します。「be going to」は現在進行形の一種で、事態が未来に向かって進行中であることを表します。

感覚的な違いだけでなく、文法的な背景を知っておくと、より深く理解できます。

専門的な視点から、決定的な違いを解説します。

1. 助動詞としての「will」

「will」は「can」や「may」と同じ助動詞です。

助動詞は「事実そのもの」ではなく、それに対する「話者の主観的な態度」を表す言葉です。

つまり、「will」を使うということは、「私はこう思う(推量)」や「私はこうするつもりだ(意志)」という、頭の中の世界を語っていることになるのです。

2. 進行形としての「be going to」

「be going to」は、「go」の現在進行形(be + doing)に不定詞(to do)がくっついた形です。

現在進行形は「今まさに〜している途中」を表します。

「〜すること(to do)」に向かって「進んでいる途中(going)」なので、単なる意志だけでなく、すでに事態が動き出しているという「客観的な事実」のニュアンスが含まれるのです。

僕がデートの誘いで「will」を使って失敗した体験談

僕も英語を習いたてで留学していた頃、この使い分けで痛い失敗をしたことがあります。

意中の女性を週末のデートに誘おうとした時のことです。

「今度の土曜日、空いてる?」と聞かれ、僕は張り切って答えました。

「I‘ll go to the movies with you!」

僕は「(君と)映画に行くよ!(行きたい!)」という熱意を伝えたつもりでした。

しかし、彼女は少しきょとんとして、「えっ、今決めたの? 私のこと誘う予定じゃなかったの?」という微妙な反応。

実はここで「will」を使うと、「(言われたから)じゃあ、行くことにするよ」という、その場の思いつきや、やや上から目線のニュアンスが含まれてしまうことがあったのです。

ここは「I‘m going to go to the movies. Would you like to come?」(映画に行く予定なんだけど、一緒にどう?)や、もっとストレートに「I was planning to ask you out.」(誘おうと思ってたんだ)と言うべきでした。

「will」の「その場で決めた」というニュアンスが、時として「計画性のなさ」や「軽さ」として伝わってしまうことを痛感した出来事でした。

それ以来、自分の予定や相手への真剣な誘いを語る時は、状況に合わせて言葉を慎重に選ぶようにしています。

「will」と「be going to」に関するよくある質問

「will」と「be going to」は入れ替え可能ですか?

多くの場合、未来のこととしてはどちらを使っても通じますが、ニュアンスが変わります。「明日晴れるでしょう」のような天気予報(単純な予測)ではどちらも使えますが、「電話に出る(意志)」場面で「I am going to get it」は不自然ですし、「来年卒業する(予定)」場面で「I will graduate」と言うと、今決意したように響くことがあります。

「be about to」との違いは何ですか?

「be about to」は「まさに〜しようとしている」という、非常に差し迫った直近の未来を表します。「be going to」よりもさらに「今すぐ」感が強いです。例:「The train is about to leave.(電車がまさに出発するところだ。)」

ビジネスメールではどちらを使うべきですか?

自分の会社が対応することや、相手への約束(意志)を伝える場合は「will」が好まれます(例:We will send you the document.)。一方、すでに確定しているスケジュールや予定を共有する場合は「be going to」が適切ですが、書き言葉では「will」や現在進行形(We are holding a meeting…)で代用されることも多いです。

「will」と「be going to」の違いのまとめ

「will」と「be going to」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 決定のタイミング:今決めたなら「will」、前から決めていたなら「be going to」。
  2. 予測の根拠:主観的なら「will」、客観的な予兆があるなら「be going to」。
  3. コアイメージ:「will」は意志の点灯、「be going to」は目的地への進行。

言葉の背景にある「意志」と「進行」のイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

英語学習についてさらに詳しく知りたい方は、英語由来語の違いまとめもぜひご覧ください。

文部科学省の外国語教育に関する資料なども参考にしながら、これからは自信を持って、的確な表現を選んでいきましょう。

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