焼肉屋さんで「赤センマイ」と「センマイ」、どちらを頼むか迷った経験はありませんか?
見た目が少し似ているようにも思えますが、実は赤センマイとセンマイは、牛の胃袋の「別の部位」であり、味も食感も全く異なります。
赤センマイは牛の第4胃(ギアラ)で脂の旨味が強く、センマイは第3胃で独特のコリコリした食感が特徴です。
この記事を読めば、赤センマイとセンマイの具体的な違い、栄養価、そして最も美味しい食べ方や下処理の方法まで明確に分かります。
それぞれの魅力を理解して、次回の焼肉や料理で自信を持って使い分けられるようになりましょう。
それでは、具体的に何が違うのか、詳しく見ていきましょう。
結論|赤センマイとセンマイの違いとは?
赤センマイとセンマイは、どちらも牛の胃袋(ホルモン)ですが、部位が全く異なります。赤センマイは牛の「第4胃」で別名「ギアラ」と呼ばれ、脂が多く濃厚でジューシーな味わいです。一方、センマイは「第3胃」で、脂が少なく淡白であり、独特のコリコリ・ザクザクした食感が最大の特徴です。
焼肉店で定番のホルモンメニューである「赤センマイ」と「センマイ」。
名前は似ていますが、この二つは牛の胃袋の中でも異なる場所を指しており、味わいや食感、適した食べ方が明確に違います。
まず、両者の最も重要な違いを一覧表で比較してみましょう。
| 項目 | 赤センマイ | センマイ |
|---|---|---|
| 牛の部位 | 第4胃 | 第3胃 |
| 別名 | ギアラ、アボミ | 特になし(湯通ししたものは「白センマイ」) |
| 見た目 | 赤みがかった白色。肉厚で開いた形状。 | 黒褐色のヒダが「千枚」のように重なっている。 |
| 味(脂) | 脂が多く、濃厚でジューシー。旨味が強い。 | 脂はほぼ無く、淡白。タレや調味料の味が乗りやすい。 |
| 食感 | 弾力があり、プリプリ・コリコリしている。 | 独特のコリコリ、ザクザクとした歯ごたえ。 |
| 主な食べ方 | 焼肉(塩・タレ)、煮込み | センマイ刺し(湯引き)、焼肉(タレ)、和え物 |
このように、同じ「胃袋」というカテゴリでありながら、赤センマイは「脂の旨味と弾力」を、センマイは「淡白な味わいと独特の食感」を楽しむ部位であることが分かりますね。
「赤センマイ」と「センマイ」の定義と部位の違い
牛には4つの胃があり、赤センマイは「第4胃(ギアラ)」、センマイは「第3胃」を指します。赤センマイは人間と同じように胃液を分泌する胃ですが、センマイは食べた草の水分を吸収する役割を持つヒダ状の胃です。
牛は草食動物であり、食べた草を効率よく消化するために4つの胃を持っています。
食道から順に、第1胃(ミノ)、第2胃(ハチノス)、第3胃(センマイ)、第4胃(ギアラ/赤センマイ)と呼ばれています。
この順番と役割の違いが、赤センマイとセンマイの根本的な違いを生んでいます。
赤センマイ(ギアラ)とは?牛の第4胃
赤センマイは、牛の「第4胃」のことです。
一般的に「ギアラ」という名称で広く知られています。なぜ「赤」センマイと呼ばれるかというと、その内壁が赤みを帯びているから、という説があります(ただし、見た目は加工後では白っぽいことが多いです)。
牛の4つの胃の中で、赤センマイ(ギアラ)だけが人間と同じように「胃液」を分泌して、食べ物を本格的に消化する役割を持っています。そのため、他の胃袋に比べて肉厚で、表面には消化を助けるためのヌメリがあります。
センマイとは?牛の第3胃
センマイは、牛の「第3胃」を指します。
その名前の由来は、見た目通り「千枚」ものヒダがあるように見えることから来ています。
センマイの主な役割は、第2胃(ハチノス)から送られてきた食べ物をさらに細かくすり潰し、水分を吸収することです。この無数のヒダが、その効率を高めています。
赤センマイ(第4胃)とは異なり、消化液を分泌する機能はありません。
見た目・味・食感の決定的な違い
赤センマイ(ギアラ)は肉厚で脂が多く、プリプリとした弾力と濃厚な旨味が特徴です。一方、センマイは薄いヒダ状で脂がなく、ザクザク・コリコリとした独特の歯ごたえと淡白な味わいが特徴です。
部位が違う赤センマイとセンマイは、焼肉屋さんの皿の上でも明確な違いがあります。
見た目の違い(色と形状)
まず見た目ですが、センマイは非常に特徴的です。
センマイは、黒褐色(または灰色)の薄いヒダヒダがたくさん重なったような見た目をしています。この黒い皮を湯通しして剥がしたものが「白センマイ」と呼ばれ、こちらも一般的です。
一方、赤センマイ(ギアラ)は、白っぽく赤みがかった色をしており、センマイのようなヒダ状ではなく、肉厚で開いたような形状をしています。表面はツルツルしている部分と、少しザラザラした部分があります。
味と脂の違い(濃厚 vs 淡白)
味わいの違いは、脂の量に直結しています。
赤センマイ(ギアラ)は、第4胃の壁に多くの脂肪(脂)を含んでいます。そのため、加熱すると脂が溶け出し、非常に濃厚でジューシー、甘みのある旨味が口の中に広がります。ホルモンの中でも特に脂の美味しさを楽しむ部位の一つですね。
対照的に、センマイは第3胃のヒダの部分であり、脂肪(脂)はほとんど含まれていません。そのため、味わいは非常に淡白で、さっぱりしています。肉自体の味を楽しむというよりは、タレや薬味(酢味噌など)の味と、後述する食感を楽しむ部位と言えるでしょう。
食感の違い(弾力 vs コリコリ)
食感は、この二つを区別する最大のポイントかもしれません。
赤センマイ(ギアラ)は肉厚な分、しっかりとした弾力と、プリプリとした歯ごたえが特徴です。噛むほどに脂の旨味が出てきます。
センマイの魅力は、「ザクザク」「コリコリ」と表現される独特の歯ごたえです。他のホルモンにはない、この軽い食感がクセになると人気があります。
赤センマイとセンマイの栄養とカロリー
栄養面では、どちらもビタミンB群や鉄分を含みますが、カロリーと脂質に大きな差があります。赤センマイ(ギアラ)は脂質が多く高カロリーなのに対し、センマイは脂質が少なく低カロリーでヘルシーです。
ホルモン(内臓肉)は、一般的にビタミンやミネラルを豊富に含む傾向があります。
赤センマイとセンマイも同様に、ビタミンB群(特にB12)や鉄分、亜鉛などを含んでいます。
ただし、両者の最大の違いはカロリーと脂質です。
- 赤センマイ(ギアラ):脂質が非常に多いため、ホルモンの中でもカロリーは高めです。ダイエット中の方は少し注意が必要ですが、この脂が旨味の源泉でもあります。
- センマイ:脂質が非常に少なく、ほとんどがタンパク質です。そのため、カロリーは非常に低く、とてもヘルシーな食材です。食感を楽しみながら、カロリーを抑えたい場合に最適です。
(※具体的な数値は部位や個体差によりますが、一般的に赤センマイの脂質量はセンマイの数倍〜十数倍になります。)
おすすめの食べ方と調理・下処理の違い
赤センマイ(ギアラ)は、その脂の旨味を活かして「焼肉」で食べるのが主流です。一方、センマイは丁寧な下処理(臭み取り)が必須で、湯引きして酢味噌で和える「センマイ刺し」や、焼肉で食感を楽しむのが定番です。
部位と味わいが違えば、当然、おすすめの食べ方も異なります。
赤センマイ(ギアラ)のおすすめの食べ方
赤センマイ(ギアラ)の魅力は、なんといっても脂の旨味です。
最もおすすめなのは「焼肉」です。網焼きや鉄板焼きにすることで、余分な脂が落ちつつも、ジューシーな旨味が凝縮されます。塩でシンプルに脂の甘さを楽しむのも良いですし、濃厚な味噌ダレや醤油ダレとの相性も抜群です。
焼き過ぎには注意が必要です。脂が多い部位なので炎が上がりやすいですが、焼き過ぎるとゴムのように硬くなってしまいます。表面に焼き色がついたら、早めに食べるのが美味しく仕上げるコツですね。
また、その濃厚な出汁が出ることから、モツ鍋などの「煮込み料理」にも使われます。
センマイのおすすめの食べ方と下処理
センマイを美味しく食べるためには、丁寧な「下処理」が不可欠です。
センマイには牛が食べた草などの内容物が残りやすく、独特の臭みがあります。そのため、塩や小麦粉で何度も揉み洗いし、流水でヒダの間までしっかり洗い流す必要があります。
最も定番の食べ方は「センマイ刺し」です。
これは生で食べるわけではなく、食中毒防止のために必ず湯通し(ボイル)したものです。湯通ししたセンマイを細切りにし、ネギやキュウリなどの薬味と一緒に、酢味噌(チョジャン)で和えて食べます。センマイのコリコリした食感と、酢味噌の酸味・辛味が絶妙にマッチします。
もちろん「焼肉」でも美味しく食べられます。淡白な味わいなので、しっかりとタレに絡めて焼くと、タレの味と食感の両方を楽しめます。
価格・入手性・保存方法の違い
価格は、一般的に赤センマイ(ギアラ)の方がセンマイよりもやや高価な傾向にあります。どちらも焼肉用のホルモンを扱う精肉店や、大型スーパーで入手可能です。ホルモンは傷みやすいため、購入後はすぐに冷蔵し、当日中に使い切るか冷凍保存が基本です。
価格については、店舗や地域によって差がありますが、一般的には赤センマイ(ギアラ)の方がセンマイよりもやや高値で取引されることが多いです。
これは、赤センマイの方が加工の手間がかかることや、焼肉用としての人気が高いことが理由として考えられます。
入手性については、どちらも焼肉用のホルモンを扱う精肉店や、品揃えの豊富な大型スーパーの精肉コーナーで見かけることがあります。「ギアラ」という名前で売られていることの方が多いかもしれませんね。
センマイは、「黒センマイ(未処理)」と「白センマイ(湯むき処理済み)」の両方が売られている場合があります。下処理の手間を考えると、白センマイの方が家庭では扱いやすいでしょう。
保存に関しては、ホルモン(内臓肉)は精肉よりも傷みやすいため、細心の注意が必要です。
購入した日に使い切るのがベストです。すぐに使わない場合は、下処理を済ませた上で、密閉して速やかに冷凍保存してください。
焼肉店での体験談|赤センマイとセンマイを食べ比べてみて
僕も昔は、センマイのあの独特な黒いヒダヒダの見た目が少し苦手でした。
なんとなく避けていたのですが、ある時、新鮮なホルモンが自慢の焼肉屋さんで「白センマイ刺し」を勧められて食べてみたんです。
これが衝撃的でしたね。
臭みは全くなく、ただひたすらに「ザクザク」「コリコリ」とした軽い食感が口の中で踊るんです。酢味噌のさっぱりした味付けも相まって、これはお酒のつまみに最高だと感動しました。
それ以来、センマイは「焼く」よりも「刺し(湯引き)」で食感を楽しむもの、という位置づけになりました。
一方で、赤センマイ(ギアラ)は、僕の中では「白米の友」です。
赤センマイを網に乗せると、ジュワ〜ッと脂が溶け出して、時には炎が上がります。この香ばしい香りがたまりません。
焼き過ぎて硬くなる直前、一番プリプリした瞬間に引き上げて、タレをたっぷりつけてオン・ザ・ライス。濃厚な脂の甘みとタレの味がご飯に染みて、これ以上の贅沢はないと感じる瞬間です。
同じ「胃袋」なのに、片や最高の「酒のアテ」、片や最高の「ご飯のお供」。この違いを知ってから、焼肉の注文の幅がぐっと広がりました。
赤センマイとセンマイに関するFAQ(よくある質問)
赤センマイとセンマイに関して、特によく寄せられる質問にお答えします。
ギアラと赤センマイは同じものですか?
はい、全く同じものです。赤センマイは牛の第4胃のことで、焼肉店などでは一般的に「ギアラ」という名称で広く知られています。地域やお店によって呼び方が違うだけですね。
センマイはなぜ黒いのですか?白センマイとの違いは?
センマイの表面(第3胃の内壁の粘膜)は、自然な状態で黒褐色(または灰色)をしています。この黒い皮が付いたままのものが「黒センマイ」です。
一方、「白センマイ」は、この黒い皮を湯通し(湯むき)して剥がしたものを指します。食感は白センマイの方がやや柔らかくなり、見た目の印象も変わるため、クセが少なく食べやすいと感じる方も多いです。
センマイは生で食べられますか?
いいえ、生では食べられません。
牛のレバー(肝臓)やセンマイなどの内臓を生で食べることは、O157などの食中毒のリスクが非常に高いため、法律(食品衛生法)で禁止・規制されています。
焼肉店などで提供される「センマイ刺し」は、”刺し”という名前がついていますが、生ではなく、食中毒のリスクを低減するために中心部まで十分に加熱(湯通し・ボイル)する処理が義務付けられています。
まとめ|濃厚な「赤センマイ」、食感の「センマイ」
赤センマイとセンマイの違い、明確にご理解いただけたでしょうか。
どちらも牛のホルモン(胃袋)ですが、その特徴は正反対とも言えるほど異なります。
- 濃厚な脂の旨味と、プリプリの弾力を楽しみたい時は「赤センマイ(ギアラ)」
- 脂っこさよりも、淡白な味わいと独特のコリコリした食感を楽しみたい時は「センマイ」
このように覚えておけば、もう注文で迷うことはないでしょう。
ホルモンには他にも様々な種類があり、それぞれに奥深い魅力があります。ぜひ、食材・素材の違いを知って、あなたの食生活をより豊かなものにしてくださいね。