「業務用」と聞くと、大容量で安い商品が並ぶお店を想像しますよね。
その代表格として「業務スーパー」が有名ですが、街には「肉のハナマサ」や「A-プライス」など、他にも「業務用食品スーパー」と呼ばれるお店がたくさんあります。
「これらのお店、全部同じじゃないの?」と思っている方も多いかもしれません。
実は、「業務用食品スーパー」という言葉と「業務スーパー」という言葉には、「一般的な呼び名(業態)」か「特定のお店の名前(固有名詞)」かという決定的な違いがあるんです。
この記事を読めば、その明確な違いから、運営会社、商品の特徴、そして賢い使い分けまでスッキリと理解できます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
結論|業務用食品スーパーと業務スーパーの違いを一覧表で比較
最大の違いは、「業務用食品スーパー」がプロ向けの大容量商品を扱う小売業態の「一般名称」であるのに対し、「業務スーパー」は株式会社神戸物産が運営する特定のチェーンストアの「固有名詞(ブランド名)」である点です。
まずは、「業務用食品スーパー」という言葉と、「業務スーパー」というお店の違いを一覧表で比較します。
| 項目 | 業務用食品スーパー(一般名称) | 業務スーパー(固有名詞) |
|---|---|---|
| 定義 | 一般名称(業態のこと) | 固有名詞(特定のお店のブランド名) |
| 主な運営会社 | 様々(例:株式会社花正、株式会社トーホーなど) | 株式会社神戸物産 |
| 主な具体例 | 肉のハナマサ、A-プライス、アミカなど | 緑色の看板の「業務スーパー」 |
| 主なターゲット | 飲食店経営者(プロ)、一般客 | プロ、一般客(歓迎を明記) |
| 商品の特徴 | 大容量、プロ仕様、生鮮品(特に肉)に強い店も | 自社グループ工場製品、世界約50カ国からの直輸入品、冷凍食品・加工品に強い |
| 価格戦略 | 大ロット購入による低価格 | 製造・直輸入・FCによるローコスト運営 |
「業務用食品スーパー」と「業務スーパー」:定義とブランドの違い
「業務用食品スーパー」は、「コストコ」や「肉のハナマサ」などを含む、プロ向け・大容量商品を扱う店の「総称・カテゴリー名」です。一方、「業務スーパー」は、そのカテゴリーの中の一つであり、神戸物産が展開する「特定のチェーンストアブランドの名前」です。
この二つの言葉の違いは、「一般名称」か「固有名詞(商標)」かという点に尽きます。
業務用食品スーパー(一般名称)とは、
もともと飲食店の経営者やプロの料理人が仕入れに使うことを想定し、大容量(業務用サイズ)の食品や調味料を低価格で販売する小売業態のことを指す「一般的な言葉」です。
具体的には、以下のようなお店が「業務用食品スーパー」のカテゴリーに含まれます。
- 肉のハナマサ
- A-プライス
- アミカ
- コストコ(会員制倉庫型店ですが、業務用サイズを扱います)
- そして、もちろん「業務スーパー」もこの一種です。
業務スーパー(固有名詞)とは、
緑色の特徴的な看板でおなじみの、株式会社神戸物産がフランチャイズ(FC)展開している特定のチェーンストアの「ブランド名(商標)」です。
「業務スーパー」という言葉は、神戸物産によって商標登録されています。したがって、「業務スーパー」という名前を掲げて営業できるのは、神戸物産とFC契約を結んだ店舗だけなのです。
運営会社とターゲット層の違い
「業務用食品スーパー」は、店舗ブランド(ハナマサ、A-プライスなど)ごとに運営会社が異なります。「業務スーパー」は、株式会社神戸物産が本部として全国にFC展開しています。ターゲットは、どちらもプロ・一般を問わない店が増えていますが、「業務スーパー」は特に一般客の利用を歓迎しています。
運営会社:
「業務用食品スーパー」は一般名称なので、運営会社は様々です。「肉のハナマサ」は株式会社花正(JMホールディングスグループ)が運営し、「A-プライス」は株式会社トーホーキャッシュアンドキャリーが運営しています。
一方、「業務スーパー」は、株式会社神戸物産が本部となり、全国にフランチャイズチェーンを展開する形で運営されています。
ターゲット層:
「業務用食品スーパー」は、その名の通り、元々は飲食店などのプロ(業務筋)をメインターゲットにしていました。もちろん、現在では「肉のハナマサ」のように、一般客の利用も非常に多いです。
「業務スーパー」は、プロのニーズに応える商品を揃えつつも、創業当初から「一般のお客様歓迎」を掲げており、一般家庭でも使いやすい(あるいは驚きのある)商品を積極的に導入することで、幅広い客層の獲得に成功しています。
商品の特徴と品揃えの違い(直輸入品 vs プロ仕様)
他の業務用食品スーパーが、プロ仕様の生鮮品(特に肉)や国産の大容量調味料に強みを持つことが多いのに対し、「業務スーパー」の最大の特徴は、自社グループ工場で製造するオリジナル商品と、世界約50カ国から直輸入する独自性の高い商品(冷凍食品、お菓子、調味料など)にあります。
「業務用食品スーパー」と一口に言っても、店によって品揃えの強みは異なります。
例えば「肉のハナマサ」は、その名の通り「精肉」に圧倒的な強みを持ち、プロが求める巨大な肉のブロックや希少部位などを豊富に取り揃えています。
一方、「業務スーパー」(神戸物産)の最大の武器は、その独自の「商品開発力」と「調達力」です。
- オリジナル商品
自社グループ工場を国内に多数持ち、牛乳パックに入った巨大なデザート(杏仁豆腐や水ようかん)や、うどん、こんにゃく、調味料など、多くのオリジナル商品を製造しています。 - 直輸入商品
これが最大の強みです。世界約50カ国もの国々と直接取引し、大量のコンテナで一括輸入することで、低価格で珍しい商品を提供しています。ベルギーの冷凍フライドポテト、イタリアのパスタソース、ベトナムの冷凍チュロス、スペインのポテトチップスなど、他のスーパーでは見かけない商品が棚に並びます。
「業務スーパー」は、生鮮食品(野菜や肉)も扱っていますが、それ以上に「冷凍食品」「加工品」「輸入品」の独自性が非常に際立っている点が、他の業務用食品スーパーとの大きな違いと言えるでしょう。
価格・品質・パッケージの違い
どちらも「大容量・低価格」が基本です。「業務用食品スーパー」はプロ向けのシンプルな包装が多いです。「業務スーパー」は、製造から販売までを一貫して行う「製販一体」体制と、FCシステムによるローコスト運営を徹底することで、一般客向け商品でも低価格を実現しています。
価格・パッケージ:
「業務用食品スーパー」は、プロが使うことを前提としているため、パッケージは非常に簡素で、とにかく大容量(例:1kgのマヨネーズ、1.8Lのドレッシングなど)が基本です。これにより低価格を実現しています。
「業務スーパー」も同様に大容量・低価格ですが、その安さの秘密は「製販一体」にあります。自社で製造・輸入し、自社の店舗(FC)で販売するという流通の無駄を徹底的に省くシステム(SPA:製造小売業)を構築しているため、一般客向けの商品でも驚くような低価格が実現できています。
品質:
どちらもプロが使う品質基準を満たしていますが、方向性が異なります。「肉のハナマサ」などは高品質な生鮮品を追求する一方、「業務スーパー」は「安全・安心」を担保しつつ、世界中のユニークな商品を手頃な価格で提供することに重点を置いています。
体験談|「業務スーパー」と「肉のハナマサ」を使い分けてみた
僕も以前は、「業務用スーパー」と「業務スーパー」が別物だとは全く意識していませんでした。近所に「肉のハナマサ」と「業務スーパー(神戸物産)」の両方があったのですが、「どっちも大きい肉や冷凍食品が安い店」くらいの認識でしたね。
違いに気づいたのは、テレビで「業務スーパー」の特集を見てからです。
番組では、巨大な「牛乳パック入り杏仁豆腐」や、世界各国から直輸入された「冷凍チュロス」「ベルギーワッフル」などが紹介されていました。「こんな商品、ハナマサで見たことないぞ?」と。
そこで改めて両方の店を意識して見比べてみました。
業務スーパー(神戸物産)に行くと、確かにテレビで見た独自の冷凍食品や、他店では見かけない海外のお菓子、調味料が棚の大部分を占めています。生鮮食品(野菜や肉)はありますが、どちらかというと加工品や冷凍品が主役という印象です。
一方、肉のハナマサ(業務用食品スーパー)に行くと、まず目に入るのは圧巻の精肉コーナー。バーベキューでしか使わないような巨大な肉の塊や、プロ仕様の高品質な牛肉、豚肉がずらりと並んでいます。調味料も、国産メーカーの「1.8L入り業務用ソース」といった、まさに「プロ仕様」が中心でした。
この時初めて、「“業務スーパー”は神戸物産のブランド名で、“業務用食品スーパー”はこういう店の総称なんだ」と明確に理解しました。
今では、冷凍食品や珍しい輸入品、牛乳パックデザートが欲しい時は「業務スーパー」へ、バーベキュー用の良い肉や、いつもの国産調味料を大容量で買いたい時は「肉のハナマサ」へ、と完璧に使い分けています。
業務用食品スーパーと業務スーパーに関するよくある質問(FAQ)
質問1:「業務スーパー」は、飲食店経営者じゃなくても(一般人でも)入れますか?
はい、もちろんです。「業務スーパー」(神戸物産)は、公式サイトでも「一般のお客様大歓迎」と明記しています。会員制でもなく、誰でも自由に買い物ができるスーパーマーケットです。
質問2:「業務用食品スーパー」には、他にどんなお店がありますか?
地域によって様々ですが、全国的に有名なのは「肉のハナマサ」(関東中心)、「A-プライス」(トーホーグループ)、「アミカ」(大光)などがあります。また、会員制ですが「コストコ」や「メトロ」も広義の業務用スーパーと言えますね。
質問3:結局、「業務スーパー」と他の「業務用食品スーパー」はどちらが安いですか?
一概には言えません。得意分野が違うからです。「業務スーパー」は、自社直輸入の冷凍野菜やパスタ、オリジナル加工品などが驚くほど安い傾向にあります。一方、「肉のハナマサ」などは、特定のお肉(例:豚バラブロック)が特売で安くなるなど、生鮮品に強いです。欲しい商品によって、お店を使い分けるのが一番賢い方法ですね。
まとめ|業務用食品スーパーと業務スーパー、どちらを選ぶべきか
「業務用食品スーパー」と「業務スーパー」の違い、明確になりましたでしょうか。
「業務用食品スーパー」は業態の総称であり、「業務スーパー」はその中で最も成功しているチェーンの一つ(神戸物産の固有名詞)でした。
最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、目的別にまとめます。
- 業務スーパー(神戸物産)を選ぶべき人
世界各国の珍しい直輸入食品や、ユニークなオリジナル冷凍食品・加工品(牛乳パックデザートなど)を低価格で試してみたい人。 - その他の業務用食品スーパー(例:肉のハナマサなど)を選ぶべき人
バーベキューやパーティー用に、高品質な精肉(肉の塊)を安く大量に手に入れたい人。国産メーカーのプロ仕様の大容量調味料(醤油、ソースなど)を探している人。
どちらも「大容量・低価格」という点は共通していますが、得意な商品が全く違います。ぜひ、それぞれの強みを理解して、賢く使い分けてみてくださいね。
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