「organization」と「organize」の違い!組織と編成、英語の品詞が分かれば怖くない

「organization」と「organize」、スペルも発音も似ているこの二つの英単語ですが、ビジネスメールや会話でとっさに使い分けられていますか?

実は、「organization」は“組織”や“団体”そのものを指す名詞であり、「organize」は何かを“計画する”や“体系化する”という動作を指す動詞という、品詞と役割の決定的な違いがあります。

この記事を読めば、英文メールで「組織の再編」と言いたい時や、「会議を調整する」と言いたい時に、迷わず正しい単語を選べるようになります。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「organization」と「organize」の最も重要な違い

【要点】

基本的には形ある組織や構造そのものが「organization(名詞)」、組み立てたり準備したりする行為が「organize(動詞)」です。ビジネスでは「会社・団体」対「段取り・整理」という対比で覚えるとスムーズです。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目organization
(オーガニゼーション)
organize
(オーガナイズ)
品詞名詞動詞
中心的な意味組織、団体、構成、構造組織する、計画する、整理する、体系づける
ビジネスでの役割会社、非営利団体、体制図などの「実体」会議の準備、チームの編成、書類整理などの「アクション」
イメージ完成された「箱」や「仕組み」バラバラなものを整える「動作」

一番大切なポイントは、「organization」は静的な“モノ・状態”を指し、「organize」は動的な“行為”を指すということです。

日本語で「オーガナイズする」とは言いますが、「オーガニゼーションする」とは言いませんよね。その感覚と同じです。

なぜ違う?語源の「器官(Organ)」からイメージを掴む

【要点】

両者の語源はギリシャ語の「Organon(道具・器官)」です。「organize」はバラバラな器官を機能するように“組み立てる”こと、「organization」はその結果として機能している“生命体(組織)”そのものを表します。

なぜこの二つの言葉がこのような意味を持つのか、語源を紐解くとその理由がよくわかりますよ。

共通のルーツ:「Organ(器官・臓器)」

これらの単語の親にあたる言葉は「Organ」です。

心臓や胃などの「臓器」や、楽器の「オルガン」を指します。

これらに共通するのは、「個々のパーツが組み合わさって、一つの機能(生命維持や演奏)を果たしている」という点です。

「organize」のイメージ:機能するように並べる

動詞の「organize」は、バラバラのパーツや人を集めて、ちゃんと動くように配置・整理するというイメージです。

「イベントを企画する」のも、会場・人・時間をパズルのように組み合わせて機能させる行為ですよね。

「机を整理する」のも、散らかった文房具を使いやすいシステムに並べ直す行為です。

「organization」のイメージ:組み上がった集合体

名詞の「organization」は、organizeされた結果、一つの生き物のように機能している集団を指します。

会社も、営業・経理・開発といった「器官(部署)」が集まって、一つの法人として生きていますよね。

だから会社や団体のことを「Organization」と呼ぶのです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

会社そのものを指す時は「organization」、会議の調整やチーム作りには「organize」を使います。主語が誰か、目的語が何かによって使い分けるのがコツです。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け

「名詞(主語や目的語)」か「動詞(動作)」かを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:organization】

  • Our organization is committed to diversity.
    (私たちの組織は多様性にコミットしています。)
  • She works for a non-profit organization (NPO).
    (彼女は非営利団体で働いています。)
  • The organization of the new department took three months.
    (新部署の編成(構成)には3ヶ月かかりました。)

【OK例文:organize】

  • I need to organize a meeting with the client.
    (クライアントとの会議を調整(手配)する必要があります。)
  • Could you help me organize these files?
    (これらのファイルを整理するのを手伝ってくれませんか?)
  • We decided to organize a project team.
    (プロジェクトチームを編成することに決めました。)

このように、会社や構造を語るなら「organization」、段取りや整理をするなら「organize」が自然ですね。

日常会話での使い分け

日常会話でも、ニュアンスの違いはあります。

【OK例文:organization】

  • He lacks organization in his daily life.
    (彼は日常生活において計画性(整頓)に欠けている。)

【OK例文:organize】

  • I’m going to organize my closet this weekend.
    (今週末はクローゼットを整理整頓するつもりだ。)
  • Let’s organize a surprise party for him!
    (彼のためにサプライズパーティーを企画しよう!)

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じなくもないですが、文法的に誤っている使い方を見てみましょう。

  • 【NG】 I will organization the event.
  • 【OK】 I will organize the event.

「will」の後ろには動詞が来るので、名詞のorganizationを入れるのは間違いです。「イベントを組織化します(企画します)」と言いたいなら「organize」を使います。

  • 【NG】 We are a global organize.
  • 【OK】 We are a global organization.

「私たちはグローバルな組織です」と言いたい場合、補語には名詞が必要です。

【応用編】似ている言葉「Organizer」との違いは?

【要点】

「Organizer(オーガナイザー)」は、organize(企画・運営)をする「人」や「物」を指します。イベントの主催者や、手帳・収納グッズなどを指す言葉として使われます。

「organization」「organize」の親戚に「Organizer」があります。

これも押さえておくと、ビジネス会話や買い物がよりスムーズになりますよ。

「Organizer」は、動詞「organize」に「〜する人/物(-er)」がついた言葉です。

主な意味は2つあります。

  1. 主催者・まとめ役:イベントや会議を企画・運営する人。「Conference Organizer(会議の主催者)」など。
  2. 整理用品:システム手帳や、引き出しの中を整理する箱。「Closet Organizer(クローゼット収納)」など。

ビジネスの現場では、「彼がこのプロジェクトのオーガナイザーだ」と言えば、中心となって動かしているリーダー的存在を指します。

「organization」と「organize」の違いをビジネス視点で解説

【要点】

経営学において「Organization」は戦略を実行するための“器(構造・文化)”であり、「Organize」はマネジメントの4大機能の一つ(組織化)として、資源を配分し業務を設計する“プロセス”を指します。静的な「器」と動的な「プロセス」の違いです。

MBA(経営学修士)などのビジネス学習の視点から見ると、この二つはマネジメントの根幹に関わる重要な概念です。

1. Organization:組織構造と文化

ビジネスで「Organization」と言うと、単なる集団ではなく、共通の目的を達成するために構造化されたシステムを指します。

組織図(Organizational Chart)や組織文化(Organizational Culture)といった言葉が使われるように、企業の「骨組み」や「性格」を表す静的な概念です。

2. Organize:マネジメント・プロセス

一方、「Organize(組織化する)」は、マネジメントの父と呼ばれるアンリ・フェヨールが提唱した管理過程の一つです。

  • 計画(Plan)
  • 組織化(Organize):誰が何をやるか決め、資源を配分する
  • 指揮(Lead)
  • 統制(Control)

ここでは、目標達成のために人やモノを最適に配置する、極めて動的で能動的なアクションを指します。

「Organize」が上手なマネージャーは、チームの混乱を防ぎ、効率的に成果を出せる人と言えますね。

詳しくは中小企業基盤整備機構(J-Net21)などで組織マネジメントの基礎を確認してみると、組織化の重要性がより深く理解できるでしょう。

「Organize」を「掃除」だと思って赤っ恥!私の勘違い体験談

私が外資系企業に転職したばかりの頃、アメリカ人の上司からこんな指示を受けました。

“Could you organize the project team for the new campaign?”

当時の私は、「Organize」=「整理整頓する」「片付ける」というイメージが強すぎました。

「チームを整理する? ああ、名簿をきれいに並べ替えたり、デスク周りを掃除しろってことかな?」

そう勘違いした私は、プロジェクトメンバーの名簿をエクセルで五十音順に並べ替え、会議室のホワイトボードをピカピカに磨いて報告に行きました。

「ボス! チームの整理(Cleaning)、完了しました!」

上司はポカンとした顔で言いました。

「えっ? 私は君に、誰がリーダーで、誰が分析担当かという『役割分担』と、キックオフミーティングの『段取り』を組んでほしかったんだよ…」

顔から火が出るほど恥ずかしかったです。

「Organize」は単なる「お片付け」ではなく、「機能するように仕組みを作る」こと。

ビジネスにおける「Organize」の重みと、単語の持つ「システム化」のニュアンスを痛感した出来事でした。

それ以来、”Organize”と言われたら「よし、仕組み作りだな」と背筋が伸びるようになりました。

「organization」と「organize」に関するよくある質問

スペルは「z」ですか「s」ですか?(Organization vs Organisation)

アメリカ英語では「z」(Organization / Organize)、イギリス英語では「s」(Organisation / Organise)が使われるのが一般的です。どちらも間違いではありませんが、ビジネス文書では統一することが大切です。日本や国際ビジネスではアメリカ式の「z」が多く使われます。

「Structured」と「Organized」はどう違いますか?

「Structured」は構造や枠組みがしっかりしている状態(骨組み)に焦点があり、「Organized」は物事が整然と管理され、効率的に機能している状態(中身の整理)に焦点があります。「Organized person(几帳面な人)」とは言いますが、「Structured person」とはあまり言いません。

「Organized crime」とは何ですか?

「組織犯罪」のことです。マフィアや暴力団のように、体系だてて(Organizeされて)犯罪を行う集団を指します。単なる「集団」ではなく「機能的に統制された」という意味合いがここにも表れています。

「organization」と「organize」の違いのまとめ

「organization」と「organize」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本は品詞で使い分け:名詞なら「organization(組織)」、動詞なら「organize(組織する・整理する)」。
  2. イメージの違い:完成した「器」か、組み立てる「動作」か。
  3. ビジネスでの意味:「会社・団体」か、「段取り・調整」か。

言葉の背景にある「バラバラなものを機能させる」というコアイメージを理解すると、単なる暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

これからは、英語のメールを書く時も、カタカナ語として使う時も、自信を持って表現できるはずです。

さらに詳しいビジネス用語の使い分けについては、ビジネス用語の違いまとめの記事もぜひ参考にしてみてください。