「state」と「status」の違いとは?一時的な状態か社会的な地位か

「state」と「status」、どちらも日本語に訳すと「状態」となってしまうことが多く、使い分けに迷う英単語の代表格。

特にIT業界やビジネスシーンでは頻繁に登場しますが、そのニュアンスは「そのものが置かれているありさま(状態)」か「社会的な位置づけや進捗(状況)」かという点で明確に異なります。

「システムの状態(State)」なのか「プロジェクトの進捗状況(Status)」なのか、この定義を曖昧にしていると、コードの可読性が下がったり、報告の意図が伝わらなかったりする原因になります。

この記事を読めば、それぞれの単語が持つ本来の意味と正しい使い分け、さらには「condition」などの類語との違いまでスッキリと理解でき、英語のドキュメント作成やコーディングで迷うことがなくなりますよ。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「state」と「status」の最も重要な違い

【要点】

「state」は人や物がその時置かれている物理的・精神的な「ありさま(状態)」を指し、変動する性質を持ちます。「status」は集団の中での「地位(身分)」や、プロセスにおける「進捗状況」を指します。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの単語の決定的な違いを、以下の表にまとめました。これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目statestatus
中心的な意味状態、ありさま、国家、州地位、身分、状況、高い評価
ニュアンス内部的・物理的なコンディション外部的・社会的なポジション
対象物質、精神、政治体制など人、プロジェクト、配送荷物など
ITでの使われ方システムやオブジェクトの保持する「状態」(ON/OFFなど)処理の結果や進捗の「状況」(成功/失敗/完了など)
イメージそのものの「姿・形」そのものの「位置・ランク」

簡単に言えば、氷が溶けて水になるような物質の変化や、精神的な緊張状態などは「state」です。

一方で、会社での役職や、荷物が今どこにあるかといった進捗状況は「status」ですね。

つまり、「中身の状態」がstate、「外から見た位置」がstatusと考えると分かりやすいでしょう。

なぜ違う?語源とニュアンスからイメージを掴む

【要点】

両方ともラテン語の「stare(立つ)」に由来しますが、「state」は「立っている状態・あり方」へと派生し、「status」は「立っている場所・地位」へと派生しました。

なぜこの二つの言葉に違いが生まれるのか、語源を紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「state」のイメージ:固定された「ありさま」

「state」は「立つ(stand)」と同じ語源を持ち、「ある条件で立っていること」を意味します。

そこから、人や物が特定の時点で「どういう状態にあるか」という物理的・精神的なありさまを表すようになりました。

また、確固たる状態で存在することから「国家(State)」や「州」という意味も持っています。

「status」のイメージ:社会的な「立ち位置」

「status」も同じく「立つ」が語源ですが、こちらは「立っている場所」や「姿勢」に焦点が当たっています。

社会の中でどこに立っているか、つまり「地位」や「身分」です。

また、一連の流れの中で今どこにいるかという「進捗状況(ステータス)」を表す際にも使われます。

「ステータスシンボル(地位の象徴)」という言葉があるように、他者との比較やランク付けのニュアンスが含まれることが多いですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

心の状態や物質の形状については「state」、社会的地位や配送状況については「status」を使います。IT用語としても、システム内部の保持データはstate、通信結果などはstatusと使い分けられます。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

日常会話とビジネス・ITシーン、それぞれの場面での使い分けを見ていきましょう。

日常会話での使い分け

【OK例文:state】

  • He is in a state of shock.(彼はショック状態にある。)
  • Water changes its state from liquid to gas.(水は液体から気体へと状態を変える。)
  • The United States of America.(アメリカ合衆国。)

【OK例文:status】

  • What is your marital status?(あなたの婚姻状況=未既婚は?)
  • Check the delivery status of the package.(荷物の配送状況を確認する。)
  • He has a high social status.(彼は社会的地位が高い。)

ビジネス・ITシーンでの使い分け

【OK例文:state】

  • The system is in an error state.(システムはエラー状態にある。)
  • State of Emergency.(緊急事態宣言。)

【OK例文:status】

  • Please report the project status.(プロジェクトの進捗状況を報告してください。)
  • HTTP status code 404.(HTTPステータスコード404=見つかりません。)
  • Status bar.(ステータスバー。)

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じることもありますが、ネイティブには違和感を与える表現です。

  • 【NG】Please let me know the current state of the project.
  • 【OK】Please let me know the current status of the project.

プロジェクトの「進み具合」を聞く場合は、社会的な位置づけや進行度を表す「status」が適切です。「state」だとプロジェクトが「生きてるか死んでるか」のような根本的な状態を聞いているように聞こえます。

  • 【NG】His mental status is unstable.
  • 【OK】His mental state is unstable.

精神的なコンディションは内部的なありさまなので「state」を使います。「status」だと精神のランク付けのようになってしまいます。

【応用編】似ている言葉「condition」「situation」との違いは?

【要点】

「condition」は健康や機械などの調子・条件、「situation」は周囲の環境や事態を指します。「state」はそのもの自体の状態、「status」は位置づけや進捗です。

「state」「status」以外にも「状態・状況」を表す英単語はあります。

これらも整理しておきましょう。

condition(コンディション)

「condition」は、健康状態や機械の調子、あるいは契約の「条件」を指します。

良いか悪いかという変動する調子を表す際に使われます。

  • My car is in good condition.(私の車は調子が良い。)
  • Terms and conditions.(取引条件。)

situation(シチュエーション)

「situation」は、自分を取り巻く「環境」や「局面」を指します。

自分の中身(state)ではなく、周りの状況がどうなっているかを表します。

  • It’s a difficult situation.(難しい局面だ。)

4つの関係性まとめ

  • state:中身のありさま。(不変・一時的問わず)
  • status:外から見た位置・進捗。
  • condition:良し悪しの調子・条件。
  • situation:周りの環境・事態。

「state」と「status」の違いを専門的に解説(IT業界での使い分け)

【要点】

IT・プログラミングにおいて、Stateは「内部の状態(変数の中身やモード)」を指し、State Pattern(ステートパターン)などで使われます。Statusは「処理の結果や経過(成功・失敗・完了)」を指し、Status Code(ステータスコード)などで使われます。

もう少し専門的な視点から、IT業界における使い分けを掘り下げてみましょう。

エンジニアにとって、この2つの使い分けは変数の命名などで非常に重要です。

State:内部的なモードや保持データ

プログラミングにおける「State」は、アプリケーションやオブジェクトが保持している「現在の状態」を指します。

例えば、Reactなどのフロントエンド開発では、コンポーネントが持つデータを「state」と呼びます。

また、「ステートマシン(有限オートマトン)」のように、システムが「待機中」「実行中」「停止中」といったモードを行き来する仕組みもStateで表現されます。

  • Application State:アプリの状態管理。
  • Initial State:初期状態。

Status:外部への報告や結果

一方「Status」は、ある処理を行った結果の「合否」や「進捗」を指します。

HTTPステータスコード(200 OK、404 Not Foundなど)は、リクエストに対するサーバーからの「応答結果」ですよね。

また、タスク管理ツールで「未着手」「進行中」「完了」などを管理する場合も「Status」が使われます。

  • Exit Status:終了ステータス(プログラムの終了コード)。
  • Status Bar:情報を表示する領域。

つまり、システム内部で変わっていく変数が「State」、外部に対して今の状況を知らせるラベルが「Status」という傾向があります。

プログラミングの変数名で「state」と「status」を混同した体験談

僕が新人プログラマーだった頃、コードレビューで先輩に指摘されてハッとした経験があります。

あるECサイトの構築案件で、注文データの管理機能を実装していました。

僕は、注文が「入金待ち」「発送準備中」「発送済み」と変わっていく変数を定義する際、なんとなくかっこいい響きで「orderState」と名付けました。

「注文の『状態』だからStateでいいだろう」と思っていたのです。

しかし、先輩エンジニアからプルリクエストにコメントがつきました。

「ここは『orderState』じゃなくて『orderStatus』の方が適切だよ。これは注文の進捗状況(フロー)を表すものだからね。Stateだと、データそのものの整合性や有効/無効みたいな内部状態に見えちゃうよ」

言われてみれば、その通りでした。

その変数は、ユーザーや管理者に「今どうなっているか」を表示するためのものでした。

一方で、通信処理中のローディング状態(isLoading)や、モーダルが開いているか閉じているか(isOpen)といった、UIの制御に関する変数は「State」として管理されていました。

この指摘を受けて修正したところ、コードの意味がパッと見で理解しやすくなりました。

「Statusはユーザーに見せる看板、Stateはシステムが持つ体調」

この経験から、「英単語のニュアンス一つで、コードの可読性は劇的に変わる」ということを痛感しました。

それ以来、変数名を決める時は辞書を引いて、その単語が持つ本来のイメージを確認するようにしています。

「state」と「status」に関するよくある質問

SNSの「ステータス」はどっちですか?

「Status」です。Facebookなどの投稿を「ステータスアップデート」と言いますが、これは「今何をしているか(状況)」を友人に知らせる機能だからです。

「ステートメント(Statement)」とは何ですか?

これは「声明」や「明細書」という意味です。「state(述べる)」という動詞の名詞形です。金融機関の取引明細書を「Bank Statement」と言ったりします。State(状態)とは少し意味が離れます。

ゲームの「ステータス」は?

キャラクターの強さや能力値(攻撃力、守備力など)を表す「ステータス」は「Status」が使われます。これはキャラクターの「強さの地位・ランク」を表しているからです。ただし、毒や麻痺などの「状態異常」は「State (Status) Ailment」や「Condition」が使われることもあり、文脈によります。

「state」と「status」の違いのまとめ

「state」と「status」の違い、スッキリ整理できたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 本質の違い:「state」は内部的なありさま、「status」は社会的な位置・進捗。
  2. 対象の違い:「state」は物質や精神、「status」は人やプロジェクト。
  3. ITでの使い分け:「state」は内部状態(モード)、「status」は処理結果や進捗。
  4. イメージ:「state」は「形」、「status」は「ランク」。

「State」は内側を見つめ、「Status」は外側(社会や工程)を見つめる。

この視点を持っておけば、英文メールでもコーディングでも、もっと的確に意図を伝えられるようになるはずです。

これからは自信を持って、適切な単語を選んでいきましょう。さらに詳しいビジネス用語については、業界用語の違いまとめページもぜひ参考にしてみてください。

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