「specific」と「particular」の違い!明確な指定と個人的な好み

「specific」と「particular」、どちらも「特定の」と訳されることが多いですが、ビジネスシーンで求められる「具体性」の種類には決定的な違いがあります。

一言で言えば、「specific」は曖昧さを排除した「明確な詳細」、「particular」は他と区別された「個別の特別感」を表す言葉です。

もし、プロジェクトの要件定義で「particular」を使ってしまうと、具体的な仕様ではなく「担当者の個人的なこだわり」のように聞こえてしまうかもしれません。

この記事を読めば、客観的な事実を伝えたい時と、主観的な注目を集めたい時で、どちらの単語を選ぶべきかがスッキリと分かり、誤解のない精度の高い英語表現ができるようになります。

それでは、まず最も重要な違いの一覧表から詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「specific」と「particular」の最も重要な違い

【要点】

「specific」は曖昧さを排除し、詳細で具体的であることを重視します。「particular」は全体の中から「これ」と一つを取り出し、他とは違う特別さや個別に注目することを重視します。ビジネスで「具体的に」と言うなら「specific」が適切です。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの形容詞の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目specific(スペシフィック)particular(パティキュラー)
中心的な意味具体的、明確な、詳細な特定の、個別の、格別な
ニュアンス客観的・論理的(曖昧さがない)主観的・感情的(他とは違う)
対義語general(一般的)、vague(曖昧な)general(全般的)、universal(普遍的)
焦点中身の「詳細・仕様」存在の「個別性・独自性」
よく使う場面指示、仕様書、詳細説明好み、例外、強調、「特に」

一番大切なポイントは、「具体的に詳しく」と言いたい時は「specific」、「これに限っては」と一つを指差す時は「particular」を使うということです。

「Be specific(具体的に言って)」とは言いますが、「Be particular(好みにうるさくあれ)」とは、文脈が限定されます。

なぜ違う?語源からイメージを掴む

【要点】

「specific」は「種(species)」を「作る(fic)」で、分類を明確にするイメージ。「particular」は「小さな部分(particle)」で、全体から一部を切り離して注目するイメージを持つと分かりやすいです。

なぜこの二つの言葉にニュアンスの違いが生まれるのか、語源を紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「specific」の語源:「種(species)」を特定する

「specific」は、ラテン語の「species(種・種類)」+「facere(作る)」に由来します。

これは、あるものがどの「種」に属するかを明確に定義し、他と区別する性質(特異性)を明らかにすることを意味します。

ここから、「曖昧さをなくして、詳細までハッキリさせる」「仕様を定める」という、客観的で論理的なニュアンスが生まれました。

ビジネスで使われる「スペック(spec / specification)」も同じ語源ですね。

「particular」の語源:「小部分(particle)」を取り出す

一方、「particular」は、ラテン語の「particula(小さな部分)」に由来します。

英語の「particle(粒子)」と同じ語源です。

これは、全体の中から「あるひとつの小さな部分」を取り出して、それにスポットライトを当てるイメージです。

そこから、「全体とは違う、これだけの」「特別な」「(個人の)好みが細かい」という、主観的な注目やこだわりのニュアンスが強くなりました。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

指示や計画の詳細を詰める時は「specific」、特定の人物や事例を強調する時や個人のこだわりを表す時は「particular」を使います。「In particular(特に)」は文頭や文末で頻出する便利なフレーズです。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け

情報の「精度」が求められる場面か、「限定」が求められる場面かで使い分けます。

【OK例文:specific】

  • Could you be more specific about the plan?(その計画について、もっと具体的に(詳細に)教えていただけますか?)
  • We need specific data to support this claim.(この主張を裏付けるための明確なデータが必要です。)
  • For a specific purpose(特定の(明確に限定された)目的のために)

【OK例文:particular】

  • Is there any particular reason for the delay?(遅延には何か特別な(これといった)理由はありますか?)
  • I am not talking about any particular person.(特定の誰か(個人)について話しているわけではありません。)
  • In particular, the sales in Asia increased significantly.(特に、アジアでの売上が大幅に増加しました。)

日常会話での使い分け

日常では、「詳しい」か「こだわりがある」かがポイントです。

【OK例文:specific】

  • I specifically told you not to do that.(具体的に(はっきりと)そうするなと言ったはずだ。)
  • Can you give me a specific time?(具体的な時間を教えてくれる?)

【OK例文:particular】

  • He is very particular about coffee.(彼はコーヒーにはとてもうるさい(こだわりがある)。)
  • I have nothing to do in particular today.(今日は特にすることはないよ。)

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じますが、ネイティブには違和感を持たれる使い方を見てみましょう。

  • 【NG】Please be more particular.(もっと詳細に話して。)
  • 【OK】Please be more specific.

「詳細に、具体的に」と言いたい時に「particular」を使うと、「もっと好みにうるさくなって」「もっとえり好みして」という変な意味になりかねません。

具体性を求めるなら「specific」一択です。

  • 【NG】She is specific about food.(彼女は食べ物にこだわりがある。)
  • 【OK】She is particular about food.

「こだわりがある」というのは、「全体の中から特定のものだけを選び取る」という行為なので、「particular」を使います。

「specific about」と言うと、「食べ物について詳細に定義されている」のような硬い響きになります。

【応用編】似ている言葉「special」や「concrete」との違いは?

【要点】

「special」は普通とは違う「特別な」価値、「concrete」は抽象的ではない「具体的な」実体を表します。「specific」は「明確さ」、「particular」は「個別性」に焦点がある点が異なります。

「specific」や「particular」と似た言葉に、「special」や「concrete」があります。

これらも整理しておくと、表現の幅が広がりますよ。

特別でポジティブな「Special」

「Special」は、他とは違う「特別な価値」や「重要性」があることを表します。

「Particular」も「特別な」と訳せますが、「Special」の方がポジティブな感情や評価が含まれることが多いです。

「A particular day(ある特定の日)」に対して「A special day(特別な日=記念日など)」という違いですね。

実体がある「Concrete」

「Concrete」は、「抽象的(Abstract)」の対義語で、目に見える形がある、実態があるという意味での「具体的」です。

「Specific」が「詳細で明確」という意味なのに対し、「Concrete」は「コンクリートのように固まった=実例がある、形がある」というニュアンスです。

「A concrete example(具体的な実例)」のように使います。

「specific」と「particular」の違いを論理学的に解説

【要点】

論理学では、全体(General/Universal)に対する部分として「Particular(特称)」が使われ、類(Genus)に対する種差として「Specific(種)」が使われます。「Particular」は「一部の」、「Specific」は「定義された」というロジックの違いがあります。

少し専門的な視点から、この二つの違いを深掘りしてみましょう。

論理学や哲学の分野では、これらの言葉は明確な概念として扱われます。

Particular(特称・個別)

「General(一般・全体)」と対になる概念です。

全体の中の「ある特定の部分」や「個体」を指します。

例えば、「人間は死ぬ(General)」に対して、「ソクラテスは死ぬ(Particular)」という関係です。

ここでは「他と区別された一つ」という点に焦点があります。

Specific(種差・固有)

「Genus(類)」と対になる概念、あるいはそれを細分化した「Species(種)」に関わる概念です。

あるカテゴリーの中で、それを他と区別するための「固有の性質(Specific difference)」を指します。

例えば、「動物(類)」の中で「人間」を定義するための「理性がある」という性質がSpecificな要素です。

ここでは「定義を明確にするための詳細」に焦点があります。

ビジネスでも、全体の中の一つを指すなら「Particular」、仕様を定義するなら「Specific」という使い分けは、この論理構造に基づいているのです。

上司に「Be specific」と言われて勘違いした体験談

僕も昔、この言葉のニュアンスを取り違えて、冷や汗をかいた経験があります。

海外支社の上司に、新しいマーケティングキャンペーンの企画を説明していた時のことです。

僕は「若い世代をターゲットにします」とか「SNSを積極的に活用します」といった、ふんわりとした概要を熱心に話していました。

すると、上司が眉をひそめてこう言ったんです。

Be specific.(もっと具体的に言ってくれ)」

僕はとっさに、「specific」と「particular(特定の)」を混同してしまいました。

「あ、特定のターゲットに絞れってことか?」と勘違いし、「ええと、特に25歳の男性会社員に絞ります!」と、ターゲットを勝手に狭めて答えてしまったのです。

上司はさらに困惑した顔で言いました。

「No, I mean, give me the details. What kind of SNS? What is the budget? What is the timeline?(違う、詳細(ディテール)をくれと言っているんだ。どのSNS? 予算は? スケジュールは?)」

僕は顔から火が出るほど恥ずかしくなりました。

上司は「ターゲットを絞れ(Be particular)」と言ったのではなく、「話の内容を明確にしろ(Be specific)」と言っていたのです。

「Specific」は「Specification(仕様書)」の親戚。

つまり、数字や固有名詞を出して、誰が聞いても分かるようにハッキリさせろという意味だったんですね。

この経験から、ビジネスで「Specific」と言われたら、それは「詳細データを出せ」という合図だと心得るようになりました。

言葉の定義を曖昧にしておくと、仕事の方向性までズレてしまう。痛い教訓でした。

「specific」と「particular」に関するよくある質問

「specifically」と「particularly」の違いは何ですか?

「specifically」は「具体的に言うと」「明確に」という意味で、詳細を説明する前置きや、目的を限定する(specifically for you)際によく使われます。「particularly」は「とりわけ」「特に」という意味で、他と比較して際立っていること(particularly good)を強調する際によく使われます。「especially」に近いのは「particularly」です。

「in particular」と「in specific」はどちらが正しいですか?

「in particular(特に)」は非常に一般的なイディオムですが、「in specific」という言い方は標準的ではありません。「具体的に」と言いたい場合は「specifically」という副詞を使うか、「to be specific」というフレーズを使います。

「specific」は「特殊な」という意味もありますか?

はい、あります。科学や医学の分野では「特異的な(特定の原因にのみ反応する)」という意味で使われます。例えば「specific medicine(特効薬)」などです。しかし、日常会話で「特殊な(変な)」という意味で使うと誤解を招くので、その場合は「unique」や「unusual」を使うのが無難です。

「specific」と「particular」の違いのまとめ

「specific」と「particular」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. Specific:明確、詳細、具体的。曖昧さの対義語。ビジネスでは「仕様」や「精度」に関わる。
  2. Particular:特定の、個別の、格別な。全体の対義語。ビジネスでは「注目」や「例外」に関わる。
  3. 使い分け:「詳しく」ならSpecific、「とりわけ」ならParticular。
  4. 注意点:「こだわり」を表すのはParticular。Specificは「明確さ」。

言葉の背景にある「具体性」と「個別性」のイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

これからは自信を持って、状況にふさわしい言葉を選んでいきましょう。

言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、ビジネス敬語の違いをまとめたページなども参考になるかもしれません。

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