「suggest」と「recommend」、どちらも「提案する」「勧める」と訳されますが、ビジネスシーンで使い分けに迷ったことはありませんか?
実はこの2つの単語、「控えめに提案するか」それとも「自信を持って推奨するか」という提案の「強さ」と「確信度」に決定的な違いがあるのです。
この記事を読めば、それぞれの単語が持つ核心的なイメージから会議やメールでの具体的な使い分け、さらには「propose」などの類似語との違いまでスッキリと理解でき、もう英文作成で迷うことはありません。
それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「suggest」と「recommend」の最も重要な違い
基本的には控えめな提案なら「suggest」、強い推奨なら「recommend」と覚えるのが簡単です。「suggest」は選択肢の一つとしての提示、「recommend」は専門的見地や経験に基づく「これがベスト」という推薦です。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの英単語の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。
| 項目 | suggest | recommend |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 選択肢の一つとして、控えめに提案すること | 最も良い選択肢として、強く推奨する(勧める)こと |
| イメージ | 「こんなのはどう?」「~してはどうか」 | 「これがいいよ」「~すべきだ」 |
| 提案の強さ | 弱い(決定権は相手にある) | 強い(専門性や経験による裏付けがある) |
| ビジネスでの対象 | アイデア出し、可能性の示唆、柔らかい提案 | 採用、書籍、レストラン、方針の決定 |
一番大切なポイントは、「suggest」は「もしよければ」という控えめなニュアンスなのに対し、「recommend」は「私ならこれを選ぶ」という自信に満ちたニュアンスがあるということです。
上司やクライアントに対して、角を立てずにアイデアを出したい時は「suggest」、プロとして最適な解を提示したい時は「recommend」が好まれます。
なぜ違う?語源からイメージを掴む
「suggest」は“下から運ぶ”=“控えめに出す”が語源です。「recommend」は“再び委ねる”=“自信を持って任せる”が語源です。この成り立ちを知ると、提案の「suggest」と推奨の「recommend」という違いが明確になります。
なぜこの二つの単語にニュアンスの違いが生まれるのか、語源を紐解くとその理由がよくわかりますよ。
「suggest」の語源:「下から運ぶ」から“控えめな提案”イメージ
「suggest」は、ラテン語の「suggestus」に由来しています。
これは「sub(下に)」+「gerere(運ぶ)」という構成なんですね。
つまり、「下から(そっと)持ち出す」「下から上に運ぶ」ことから転じて、控えめに考えを出す、それとなく示すという意味になりました。
「gest」は「gesture(ジェスチャー)」の語源でもあります。
このことから、「suggest」には「押し付けがましくなく、相手の足元にそっと案を置く」ような、謙虚で柔らかいニュアンスが含まれています。
「recommend」の語源:「再び委ねる」から“信頼の推薦”イメージ
一方、「recommend」は、ラテン語の「recommendare」に由来します。
こちらは「re(強意・再び)」+「commendare(委ねる、任せる)」という構成です。
「commendare」自体が「con(完全に)」+「mandare(手渡す)」から来ています。
つまり、「(自信を持って)完全に任せる」「強く推す」ことから転じて、人や物を称賛して勧める、推奨するという意味になりました。
「command(命令する)」とも関連があり、そこには「確信」や「強さ」が含まれています。
そのため、「recommend」には「私の信用にかけて、これが良いと断言する」という、プロフェッショナルな推奨のニュアンスが強くなるのです。
具体的な例文で使い方をマスターする
アイデア出しや日程調整では「suggest」、商品のおすすめや採用推薦では「recommend」を使います。前者は「選択肢の提示」、後者は「ベストな解の提示」を意識すると自然な使い分けができます。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
ビジネスと日常、それぞれのシーンで見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使い分け
提案の「確信度」と「目的」によって、適切な単語が変わりますよ。
【OK例文:suggest】
- I suggest that we take a break now.
(ここらで休憩にしてはどうでしょうか。) - Can I suggest a different approach?
(別のやり方を提案してもよろしいですか?) - The data suggests a change in consumer behavior.
(データは消費者行動の変化を示唆している。)
会議での柔らかい提案や、データが「~であることを示している(断定は避ける)」という場合には「suggest」がピッタリですね。
【OK例文:recommend】
- I highly recommend this software for data analysis.
(データ分析にはこのソフトを強くお勧めします。) - The committee recommended him for the position.
(委員会は彼をその職に推薦した。) - We recommend booking in advance.
(事前の予約をお勧めします。)
専門家としての助言や、人事評価、公式な推奨事項には「recommend」が適しています。
日常会話での使い分け
日常的な場面でも、ニュアンスの違いは生きています。
【OK例文:suggest】
- What do you suggest I do?
(私、どうしたらいいと思う? ※軽く意見を求めている) - He suggested going for a drink.
(彼は飲みに行こうと提案した。)
【OK例文:recommend】
- Can you recommend a good restaurant nearby?
(近くの美味しいレストランを教えてくれませんか? ※当たり外れのない確かな情報を求めている) - My doctor recommended that I exercise more.
(医者は私にもっと運動するよう勧めた。)
【応用編】似ている言葉「propose」「advise」との違いは?
「propose」は「企画・計画を(公式に)提案する」という意味で、最も堅く、採用されるかどうかの決裁を求めるニュアンスです。「advise」は専門家が「助言する」という意味で、相手のためになる教示を行う場合に使われます。
「suggest」や「recommend」と似た言葉に「propose(プロポーズ)」や「advise(アドバイス)」がありますよね。
これらもビジネスで頻出ですが、明確な使い分けのルールがあります。
「propose」は公式な“提起”
「propose」は、具体的な計画や企画を、公式の場で提案する場合に使われます。
「pro(前に)」+「pose(置く)」という語源通り、議論のテーブルに案を提出して、イエスかノーかの判断を仰ぐイメージです。
結婚の「プロポーズ」も、結婚という契約の申し入れですよね。
「I propose a new budget plan.(新しい予算案を提案します)」のように、しっかりとした準備に基づいた提案に使います。
「advise」は専門的な“助言”
「advise」は、知識や経験のある人が、相手の利益のために教え導くという意味です。
「recommend」に近いですが、より「指導」「忠告」のニュアンスが強くなります。
「I advise you to check the contract carefully.(契約書をよく確認することをお勧めします=忠告します)」のように使います。
「suggest」と「recommend」の違いを文法的に解説
文法的にはどちらも「to不定詞」を目的語に取れない(× suggest to do)という共通点があります。どちらも「suggest/recommend doing(動名詞)」か「suggest/recommend that S (should) V(that節)」の形を取りますが、「recommend」のみ「recommend 目的語 to do」の形が可能です。
専門的な視点から、文法的な特徴の違いについても触れておきましょう。
実はこの二つ、日本人が間違いやすい文法ルールがあるんです。
共通点:to不定詞はNG
「suggest」も「recommend」も、直後に「to do」を置くことはできません。
- × I suggest to go there.
- × I recommend to go there.
正しくは、動名詞(doing)かthat節を使います。
- ○ I suggest going there.
- ○ I suggest (that) we (should) go there.
相違点:recommendは「人 + to do」がOK
ここが大きな違いですが、「recommend」は「recommend 人 to do」という形を取ることができます。
- ○ I recommend him to read this book.
(彼にこの本を読むよう勧める。)
しかし、「suggest」はこの形が取れません。
- × I suggest him to read this book.
「suggest」で人を対象にする場合は、「suggest to 人 that…」や「suggest to 人 + モノ」の形にする必要があります。
この文法の違いは、TOEICなどの試験でもよく狙われるポイントですね。
僕が「suggest」を使って弱気すぎると指摘された体験談
僕も海外クライアントへのプレゼンで、この単語のチョイスをミスして、上司に指摘された経験があります。
自社の新サービスを導入してもらうための、大事な提案の場でした。
僕は相手に配慮するつもりで、控えめにこう言いました。
「We suggest our premium plan for your company.(御社にはプレミアムプランを提案します。)」
プレゼン後、同席していたアメリカ人の上司から言われました。
「君、あそこは『suggest』じゃなくて『recommend』だろ! 自信がないのか?」
上司曰く、プロとして相手の課題を分析し、それがベストな解決策だと確信しているなら、胸を張って「recommend(推奨)」すべきだと言うのです。
「suggest」を使ったことで、「まあ、一つの案としてどうですかね?」という自信のなさや、迷いがあるように聞こえてしまったようです。
相手はお金を払ってプロの意見を聞きたいのだから、ここでは強く背中を押してあげるのが礼儀であり、役割だったのです。
この失敗から、相手への配慮(謙虚さ)と、プロとしての自信(推奨)は、場面によって使い分けるべきだと痛感しました。
それ以来、確信のある提案をする時は、迷わず「highly recommend(強く推奨する)」と言うようにしています。
「suggest」と「recommend」に関するよくある質問
「提案」を表す際、最も一般的なのはどっち?
日常会話やカジュアルなビジネスシーンでの「ちょっとした提案」なら「suggest」が最も一般的です。レストランや映画、本など「おすすめ」を聞いたり教えたりする場合は「recommend」が一般的です。
「suggest」は「示唆する」という意味でも使いますか?
はい、使います。研究結果やデータが主語の場合、「The results suggest that…(結果は~ということを示唆している)」のように、事実を控えめに、しかし論理的に示す際によく使われます。この場合、「recommend」は使いません。
目上の人に「recommend」を使っても失礼になりませんか?
基本的には問題ありませんが、「~した方がいいですよ」というアドバイスのニュアンスが強くなるため、文脈によっては偉そうに聞こえる可能性があります。目上の人に対して自分の意見を述べる場合は、「I would suggest…(~してはいかがでしょうか)」のように仮定法を使って「suggest」を和らげて使う方が、より丁寧で角が立ちません。
「suggest」と「recommend」の違いのまとめ
「suggest」と「recommend」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本は「提案」か「推奨」か:控えめな案出しなら「suggest」、自信を持ったお勧めなら「recommend」。
- 強さの違い:suggestは選択肢の一つ(弱)、recommendはベストな解(強)。
- 文法の違い:recommendは「人 to do」が使えるが、suggestは使えない。
言葉の持つ「確信度」や「熱量」を意識すると、ビジネスでの説得力が格段に上がります。
これからは自信を持って、シチュエーションに合った英単語を選んでいきましょう。
言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、ビジネス敬語の違いをまとめたページなども参考になるかもしれません。
あなたの英語プレゼンが、より力強く相手の心に響くものになることを応援しています!
スポンサーリンク