「記載」と「掲載」の違い!書類はどっち?Webは?迷わないコツ

「記載」と「掲載」、どちらも何かを書いたり載せたりすることですが、明確な使い分けの基準は「記録するために書く」か「広く知らせるために載せる」かという点にあります。

なぜなら、「記載」は書類や帳簿に事実を記す行為を指し、「掲載」は新聞やWebサイトなどで人目に触れる状態にすることを指すから。

この記事を読めば、ビジネス文書やWebコンテンツの作成において、二つの言葉を適切に使い分ける判断力が身につき、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「記載」と「掲載」の最も重要な違い

【要点】

基本的には書類などに書き記すなら「記載」、メディアなどに載せて公開するなら「掲載」と覚えるのが簡単です。「記載」は情報の保存・記録が目的で、「掲載」は情報の周知・公開が目的となります。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリでしょう。

項目記載(きさい)掲載(けいさい)
中心的な意味書類や帳簿などに書き記すこと新聞・雑誌・Webなどに載せること
主な目的記録、保存、証明周知、広報、公開
対象となる媒体申請書、履歴書、帳簿、公的文書など新聞、雑誌、Webサイト、広告など
ニュアンス事実を正確に記す(事務的)広く人に見せる(発信的)

一番大切なポイントは、その情報を「誰に見せるか」「どう扱うか」で判断するということですね。

特定の相手や記録のために書くなら「記載」、不特定多数に見てもらうために載せるなら「掲載」というイメージを持つと良いかもしれません。

なぜ違う?漢字の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

「記載」の「記」は事実を書き留めることを意味し、「掲載」の「掲」は物を高く掲げて人に見せることを意味します。漢字の意味を理解すると、記録か公開かという用途の違いがイメージしやすくなります。

なぜこの二つの言葉にニュアンスの違いが生まれるのか、漢字の成り立ちを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「記載」の成り立ち:「記」が表す“書き留める”イメージ

「記載」の「記」という漢字は、「言(ことば)」と「己(おのれ・糸の端)」から成り立っています。

これは、言葉を糸口として解きほぐし、忘れないように書き留めておくことを意味しています。

「日記」や「暗記」という言葉にも使われますよね。

一方、「載」は「のせる」という意味です。

つまり、「記載」とは書物や書類に、事実を書き記して載せるという、記録としての側面が非常に強い言葉なのです。

「掲載」の成り立ち:「掲」が表す“高く掲げる”イメージ

対して、「掲載」の「掲」はどうでしょう。

この漢字は「手」と「葛(においぐさ・目立つ)」からなり、物を手で高く持ち上げて、人目につくようにすることを表しています。

「掲示板」や「掲揚」といった言葉を思い浮かべると、イメージが掴みやすいのではないでしょうか。

このことから、「掲載」には、書物やWeb上に載せて、世間一般に広く見せるという、公開・周知のニュアンスが強く含まれているのです。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

履歴書や申請書に情報を書く場合は「記載」、広告や記事をWebや誌面に載せる場合は「掲載」と使い分けるのが基本です。対象が個別の書類か、公開メディアかで判断しましょう。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスと日常、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

ビジネスシーンでの使い分け

その情報が「記録」なのか「公開」なのかを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:記載】

  • 経費精算書に交通費の詳細を記載する。
  • 履歴書の職歴欄に、これまでの経験を記載した。
  • 契約書の条文に、解約条件が記載されている。

【OK例文:掲載】

  • 新商品の広告を業界紙に掲載する。
  • 自社のWebサイトに採用情報を掲載した。
  • 今朝の新聞に、社長のインタビュー記事が掲載されていた。

このように、事務的な処理や個別の書類作成には「記載」、メディアを通じた発信には「掲載」が使われます。

日常会話での使い分け

日常会話でも、考え方は同じです。

【OK例文:記載】

  • アンケート用紙に住所と氏名を記載してください。
  • 配送伝票に品名を記載するのを忘れていた。
  • 薬の説明書に副作用について記載がある。

【OK例文:掲載】

  • フリーマーケットのアプリに不用品を掲載する。
  • 広報誌に子どもの絵が掲載されて嬉しかった。
  • ブログに旅行の写真を掲載する。

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じることもありますが、違和感を与える使い方を見てみましょう。

  • 【NG】会社のホームページに、新しい住所を記載した。
  • 【OK】会社のホームページに、新しい住所を掲載した。

ホームページは不特定多数が見るメディアなので、「掲載」が適切です。

ただし、ホームページ内の「会社概要ページ」という特定の箇所に情報を書き加えるというニュアンスであれば、「記載」を使っても間違いとは言いきれませんが、「載せる(公開する)」という意味では「掲載」が自然でしょう。

  • 【NG】会員登録用紙に、プロフィール写真を掲載してください。
  • 【OK】会員登録用紙に、プロフィール写真を貼付(または記載事項として記入)してください。

個別の用紙に情報を載せる場合、「掲載」は大げさすぎます。

写真は「貼付」、文字情報は「記載」や「記入」を使います。

【応用編】似ている言葉「登載」との違いは?

【要点】

「登載」は、公的な記録や書物に載せることを指し、一定の基準や選考を経て載る場合に使われる格式高い言葉です。「掲載」よりも記録としての重みがあり、「記載」よりも公開性が高いニュアンスを持ちます。

「記載」「掲載」と似た言葉に「登載(とうさい)」があります。

これも押さえておくと、ビジネスでの表現力がさらに深まりますよ。

「登載」は、「登」という字が使われている通り、籍(せき)や帳簿などに名前を載せることを意味します。

「掲載」と似ていますが、「登載」には、ある一定の基準をクリアして載せられるというニュアンスが含まれることが多いのです。

例えば、「論文が学術誌に登載される」や「公職選挙人名簿に登載される」といった使い方がされます。

単に載せるだけでなく、そこに「登録される」「記録として残る」という重みが加わるんですね。

一般的なWeb記事や広告には「掲載」を使い、公的な名簿や格式ある記録には「登載」を使うと、非常にスマートです。

「記載」と「掲載」の違いを学術的に解説

【要点】

情報学や文書管理の視点では、「記載」は情報の固定化と証拠能力の保持に重きを置き、「掲載」は情報の伝達と到達範囲の拡大に重きを置くという違いがあります。メディア論的には、フロー情報かストック情報かという観点でも分類可能です。

少し専門的な視点から、この二つの言葉の違いを深掘りしてみましょう。

文書管理や情報学の分野では、情報の「性質」と「目的」によって用語が厳密に区別されることがあります。

「記載」は、ドキュメンテーション(文書化)のプロセスにおいて、情報を物理的または電子的な媒体に固定化し、証拠能力を持たせる行為として位置づけられます。

契約書やカルテへの「記載」が法的な意味を持つのも、このためです。

一方、「掲載」は、マスコミュニケーションの文脈で語られることが多く、情報をパブリックな空間に配置し、不特定多数への到達(リーチ)を目的とする行為です。

ここでは、情報の正確性もさることながら、その情報が「誰に届くか」「どう見られるか」というメディア的な視点が重要視されます。

つまり、内部的な記録や個別の事実確認には「記載」、外部への発信や広報活動には「掲載」という使い分けは、情報のマネジメントサイクルにおいても理にかなっているわけですね。

広報担当として「掲載」と「記載」を混同し冷や汗をかいた体験談

僕も駆け出しの広報担当だった頃、この言葉の使い分けで痛い目を見たことがあります。

ある新製品のプレスリリースを作成していたときのことです。

製品のスペック表や発売日など、細かい情報を間違いなく伝えなければと必死でした。

上司への最終確認メールで、僕は自信満々にこう送ってしまったのです。

「プレスリリースに新製品のスペックを掲載しました。ご確認をお願いします」

すると、上司からすぐに返信が来ました。

「スペックは『記載』だよ。まだメディアに公開(掲載)してないんだから、書類に書いただけだろ? 言葉の重みが違うぞ」

顔から火が出るかと思いました。

たしかに、まだ社内確認用のドキュメント上に文字を打っただけの状態でした。

それを「掲載」と言ってしまうと、まるで既に世に出してしまったかのような誤解を与えかねません。

「記載」は事実を淡々と記すこと、「掲載」は世の中に掲げて見せること。

その漢字が持つエネルギーの違いを、肌で感じた瞬間でした。

それ以来、僕は「これはまだ手元のメモ(記載)か? それとも世に出す看板(掲載)か?」と、常に自問するようにしています。

言葉一つで、仕事のフェーズや責任の所在まで変わってしまうんですよね。

皆さんも、社内確認の段階では「記載」、リリース後は「掲載」と、意識して使い分けてみてください。

「記載」と「掲載」に関するよくある質問

履歴書には「記載」と「掲載」どちらを使いますか?

履歴書は個人の経歴を事実として記す書類なので、「記載」を使います。「職歴を記載する」「記載事項に誤りなし」といった具合です。「掲載」を使うと、履歴書がどこかのメディアに載るような意味合いになってしまいます。

Webサイトのお知らせコーナーに情報を載せるのは?

Webサイトは広く公開されているメディアなので、「掲載」が適しています。「新着情報を掲載しました」「お知らせを掲載する」などです。ただし、お知らせの中にある特定の項目について指す場合は、「詳細は下記に記載しています」のように「記載」を使うこともあります。

メールで「下記をご参照ください」と言うときの中身は?

メール本文中に書かれた情報を指す場合は「下記に記載いたしました」が丁寧です。もし、メールにURLを貼り付けてWebサイトを見てもらう場合は「Webサイトに詳細を掲載しております」となります。メールそのものは私信の性質が強いので、本文中の記述は「記載」とするのが一般的です。

「記載」と「掲載」の違いのまとめ

「記載」と「掲載」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 基本は目的で使い分け:記録や証明のためなら「記載」、周知や公開のためなら「掲載」。
  2. 媒体を意識する:書類や帳簿なら「記載」、新聞・雑誌・Webなら「掲載」。
  3. 漢字のイメージが鍵:「記」は“書き留める”、「掲」は“高く掲げて見せる”。

この二つの言葉を正しく使い分けることで、あなたの作成する資料やメールの精度はグッと高まります。

「伝える相手」と「媒体」を意識すれば、もう迷うことはありません。

自信を持って、言葉を選んでいきましょう。

さらに言葉の使い分けについて深く知りたい方は、文化庁の国語施策情報なども参考になりますよ。

また、ビジネスシーンでの言葉遣いについては、当サイトのビジネス敬語のまとめ記事もぜひご覧ください。

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