「change」と「alter」、どちらも日本語では「変える」「変わる」と訳されますが、英語のネイティブスピーカーはこの二つを明確に使い分けていることをご存知ですか?
結論から言うと、「change」は“全面的に別のものになる・交換する”こと、「alter」は“原型を保ったまま部分的に変える”ことを指します。
この記事を読めば、髪型をガラッと変えたい時と、洋服のサイズを少し直したい時で、迷わずに正しい単語を選べるようになりますよ。
それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「change」と「alter」の最も重要な違い
全体が別のものに変わるのが「change」、元の形を残したまま一部を変えるのが「alter」です。変化の度合いが「大・全面」か「小・部分」かで使い分けます。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの単語の決定的な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ頭に入れておけば、基本的な使い分けで迷うことはなくなります。
| 項目 | change | alter |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 変える、交換する、変化する | (部分的に)変える、作り変える |
| 変化の度合い | 全面的・本質的 | 部分的・表面的 |
| 元の状態 | 別のものになる、跡形もなくなる | 原型は残る、本質は変わらない |
| よくあるシチュエーション | 着替え、乗り換え、心変わり、大変身 | 服のサイズ直し、計画の修正、外見の手直し |
| ニュアンス | リセット、チェンジ | 修正、調整、手直し |
最も重要なポイントは、「change」はAがBに完全に入れ替わるイメージ、「alter」はAがA’(ダッシュ)になるイメージということです。
なぜ違う?語源(交換 vs 他)からイメージを掴む
「change」は“交換する・曲がる”という意味で、全く別の状態への移行を表します。「alter」は“他の”という意味で、別の状態へ少し移す(部分修正)イメージを持つと分かりやすくなります。
なぜこのようなニュアンスの違いが生まれるのか、語源のイメージから紐解いてみましょう。
「change」の語源:交換して別のものにする
「change」は、ラテン語の「cambire(交換する)」に由来しています。
つまり、「古いものを新しいものと取り換える」「AをやめてBにする」というイメージです。
「Change trains(電車を乗り換える)」や「Change clothes(服を着替える)」のように、古い状態を捨てて新しい状態に移行するニュアンスが強いですね。
「alter」の語源:他へ(部分的に)移す
一方、「alter」は、ラテン語の「alter(他の)」が語源です。
これは、「他の状態にする(が、本質はそのまま)」というイメージです。
英語で「alternative(代わりの、二者択一の)」という言葉がありますが、これも同じ語源です。
「Alter a dress(ドレスを直す)」のように、ドレスであることは変わらないけれど、サイズや丈という「部分的な属性」を他の状態にする、という意味合いになります。
具体的な例文で使い方をマスターする
意見をコロッと変えるなら「change」、計画を微調整するなら「alter」を使います。日常会話の「着替え」や「お釣り」は全て「change」の独壇場です。
言葉の違いは、具体的なシチュエーションで確認するのが一番です。
日常会話やビジネスシーンでの自然な使い方を見てみましょう。
「change」を使った例文(全面的変化・交換)
全く別のものになる、あるいは新しいものと取り換える場合です。
【OK例文】
- I want to change my hairstyle.
(髪型を(バッサリ切って)変えたい。) - Let’s change the topic.
(話題を(ガラッと)変えよう。) - He changed his mind.
(彼は(以前の考えを捨てて)気を変えた。) - Can you change this bill into coins?
(このお札を小銭に崩して(両替して)くれませんか?)
「前の状態がなくなる」感覚がポイントです。
「alter」を使った例文(部分的変更・修正)
基本はそのままで、一部を修正する場合です。
【OK例文】
- I need to have this dress altered.
(このドレスのサイズ直しをしてもらわなきゃ。)
※洋服の「お直し」は「alter」の最も一般的な用例です。 - We had to alter our plans slightly due to the rain.
(雨のせいで計画を少し変更する必要があった。) - The landscape has not altered much over the years.
(その風景は長年あまり変わっていない。)
「ドレスはドレスのまま」「計画自体は続行」というように、本質は変わっていません。
これはNG!間違えやすい使い方
文法やニュアンス的に不自然な使い方です。
- 【NG】 I will alter trains at the next station.
- 【OK】 I will change trains at the next station.
電車の乗り換えは「A列車からB列車へ移動する」という「交換」なので、「change」を使います。「alter」を使うと、乗っている電車を改造するような変な意味になってしまいます。
- 【NG】 Please alter my diapers.(赤ちゃんのオムツ替え)
- 【OK】 Please change my diapers.
オムツも「汚れたものを捨てて新しいものにする」ので「change」です。「alter」だと、汚れたオムツのサイズを調整して履き続けることになります(嫌ですよね!)。
【応用編】似ている言葉「modify」や「transform」との違いは?
「modify」は改善のために少し修正するフォーマルな言葉。「transform」は形や性質を一変させる劇的な変化を表します。「vary」は変化をつけて多様にすることを指します。
「change」や「alter」と似た意味を持つ単語は他にもあります。
これらも使い分けられると、表現の幅がグッと広がりますよ。
「modify」:より良くするための修正
「alter」と非常に近いですが、「改善するために、条件などを部分修正する」というポジティブで少しフォーマルなニュアンスがあります。
- We modified the design to make it safer.
(安全性を高めるためにデザインを(一部)修正した。)
「transform」:劇的な変身
「change」よりもさらに劇的で、「外見や性質がすっかり変わる」ことを強調します。映画『トランスフォーマー』のイメージですね。
- The caterpillar transformed into a butterfly.
(芋虫が蝶に変身した。)
「vary」:変化をつける
単調にならないように「多様にする、変化を持たせる」という意味です。
- You should vary your diet.
(食事に変化をつける(いろいろ食べる)べきだ。)
「change」と「alter」の違いを文法的に解説
どちらも他動詞(~を変える)と自動詞(変わる)の両方で使えます。「change」は名詞としても「変化」「お釣り」「着替え」など広く使われますが、「alter」の名詞形は「alteration」となります。
文法的な使い方の違いも整理しておきましょう。
名詞としての使い方の違い
- change(名詞):変化、お釣り、小銭、着替え
例:Keep the change.(お釣りは取っておいて。) - alteration(名詞):変更、改造、お直し
※「alter」自体は名詞としては使いません。
例:The dress needs some alterations.(そのドレスはいくつかお直しが必要だ。)
「お釣り」や「小銭」の意味で「change」を使うのは日常会話で必須です。
より詳しい語法や用例については、Cambridge Dictionaryなどの英英辞典を参照すると、ニュアンスの違いがより深く理解できるでしょう。
美容室で「alter」を使って恥をかいた僕の体験談
僕が海外留学中、意を決して現地の美容室に行った時の話です。
ロングヘアをバッサリ切って、イメージチェンジをしたかった僕は、美容師さんにこう言いました。
「I want to alter my hairstyle!」
「部分的変更」という単語の知識が中途半端にあったため、「自分の髪(原型)はそのままで、形を変えるんだからalterかな?」と思ったんです。
すると美容師さんは、ハサミを持ったままキョトンとした顔でこう言いました。
「Alter? You mean, you want a wig adjustment?(Alter? カツラの調整でもしたいの?)」
僕は慌てて、「No, no! I want a new look! Short cut!(違う違う! 新しい見た目にしたいの! ショートカットで!)」と身振り手振りで伝えました。
美容師さんは笑って、「Oh, you want to change your hairstyle! Got it.(ああ、髪型を変えたいのね! わかったわ。)」と言ってくれました。
後で知ったのですが、髪型をガラッと変えるのは「change」が一般的。
「alter」は「洋服の寸法直し」など、無機質なものを微調整する時によく使われる言葉で、生身の体の一部である髪型を「alter」すると言うと、まるで「髪の毛という物体を加工・修正する」ような、ちょっと不自然で機械的な響きに聞こえたのかもしれません。
この時、「イメチェン」のような大きな変化には、迷わず「change」を使うべきだと痛感しました。
それ以来、美容室では自信を持って「Change my look!」と言えるようになりました。
「change」と「alter」に関するよくある質問
「change the plan」と「alter the plan」の違いは?
「change the plan」は計画そのものを別の計画に差し替える、あるいは内容をガラッと変えるニュアンスです(例:旅行先をハワイから北海道に変える)。一方、「alter the plan」は基本路線はそのままに、詳細やスケジュールの一部を修正するニュアンスです(例:出発時間を1時間遅らせる)。
「Alter ego」はどういう意味ですか?
「Alter ego(オルター・エゴ)」は「別の自分」「分身」という意味です。「Alter(他の)」+「Ego(私)」というラテン語がそのまま英語になった表現です。親友や、物語の中のもう一人の人格などを指して使われます。
パスワードの変更は「change」ですか?「alter」ですか?
「Change password」が圧倒的に一般的です。古いパスワードを捨てて、全く新しいパスワードに「交換」するからです。「Modify password」という表現も見かけますが、これは設定内容を修正するというニュアンスです。「Alter」はあまり使いません。
「change」と「alter」の違いのまとめ
「change」と「alter」の違い、スッキリ整理できましたか?
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 基本の違い:「change」は全面的変化・交換、「alter」は部分的変更。
- イメージ:「change」は別のものになる、「alter」は原型を保って手直しする。
- 使い分け:着替えやイメチェンは「change」、サイズ直しや微修正は「alter」。
- 日常会話:「change」の方が圧倒的に使用頻度が高く、汎用性がある。
「ガラッと変えるならチェンジ、ちょっと直すならオルター」。
この感覚を持っていれば、英語の表現力は格段にアップしますよ。
日常の些細な「変化」を英語にする時、ぜひこの違いを思い出してみてくださいね。
日常会話で使われる外来語や英語表現についてさらに知りたい方は、日常会話の外来語の使い分けまとめもぜひご覧ください。
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