ハムスターセレクションの違いは?パフォーマンスを比較

「ハムスターセレクション」は、イースター株式会社が小動物専門獣医師らの指導・協力のもと開発した、非常に人気の高いハムスター用総合栄養食(主食)です。

しかし、「プロ」シリーズが登場し、ラインナップが複雑になったことで、「一体何が違うの?」と迷ってしまう飼い主さんが増えています

このシリーズの最も簡単な答えは、「ハムスターセレクション(通常版)」は全年齢対象のスタンダードフードであり、「ハムスターセレクション プロ」は特定の目的(高たんぱく・低カロリー)に特化した高機能フードだということです。

「プロ」はさらに「パフォーマンス(高たんぱく)」と「メンテナンス(低カロリー)」に分かれており、愛ハムの年齢や体調に合わせて選ぶ必要があります。この記事を読めば、各ラインナップの栄養価や目的の違いがスッキリと理解できます。

まずは、主要ラインナップの違いを比較表で押さえましょう。

「ハムスターセレクション」シリーズの主な違い
項目 ハムスターセレクション(通常版) ハムスターセレクション プロ パフォーマンス ハムスターセレクション プロ メンテナンス
分類 スタンダード・総合栄養食 高機能・総合栄養食 高機能・総合栄養食
主な目的 全年齢の健康維持 成長期・体力回復期(高たんぱく) 体型維持・肥満配慮(低カロリー)
たんぱく質 16.0%以上 18.0%以上(高たんぱく設計) 15.0%以上
脂質 6.0%以上 8.0%以上(高カロリー設計) 2.0%以上(低脂肪設計)
カロリー(/100g) 360kcal以上 375kcal以上 310kcal以上(低カロリー設計)
主な機能性成分 アガリクス、ヌクレオチド、乳酸菌(EC-12株)、野草(おおばこ・たんぽぽ) β-グルカン、ヌクレオチド、乳酸菌(EC-12株)、コラーゲン、DHA・EPA、BCAA β-グルカン、ヌクレオチド、乳酸菌(EC-12株)、DHA・EPA、BCAA、消化酵素、L-カルニチン

【3秒で押さえる要点】

  • 通常版との違い:「プロ」シリーズは、「パフォーマンス(高たんぱく・高カロリー)」「メンテナンス(低カロリー)」という明確な目的に特化しています。
  • パフォーマンス(プロ):成長期の子ハムや、体力をつけたいハムスター向けの高栄養フードです。
  • メンテナンス(プロ):肥満が気になる大人のハムスターや、体型維持向けの低カロリーフードです。

最大の違い:「スタンダード」か「高機能(プロ)」か

【要点】

「ハムスターセレクション(通常版)」は、アガリクスや乳酸菌などを配合し、全年齢の健康維持を目指すスタンダードフードです。「ハムスターセレクション プロ」は、さらにβ-グルカンやBCAAなどを加え、目的別(成長期/体型維持)の栄養バランスに特化した高機能フードです。

「ハムスターセレクション」シリーズを選ぶ際、まず知っておくべきは「通常版」と「プロ」の違いです。

「ハムスターセレクション(通常版)」は、シリーズの基本となる製品です。
小動物専門獣医師らの協力のもと開発され、ハムスターの健康維持に配慮して、アガリクス(β-グルカン源)、初乳成分のヌクレオチド、腸まで届く乳酸菌(EC-12株)、おおばこ・たんぽぽといった野草粉末が配合されているのが特徴です。
たんぱく質は16.0%以上、脂質は6.0%以上で、全年齢に対応できるバランスの取れた総合栄養食となっています。

「ハムスターセレクション プロ」は、通常版のコンセプトを引き継ぎつつ、さらに特定の目的に特化した高機能シリーズです。
通常版のアガリクスに代わり、β-グルカン源としてのアガリクス(※実質的には同様の成分)や、健康維持をサポートするビール酵母、BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)などが追加されています。
そして最大の違いは、この「プロ」シリーズが、「パフォーマンス」と「メンテナンス」という2つの異なる栄養設計に分かれている点です。

「ハムスターセレクション」(スタンダード)の特徴

【要点】

通称「ハムセレ」。たんぱく質16%以上、脂質6.0%以上とバランス型で、全年齢に対応します。アガリクス、ヌクレオチド、乳酸菌(EC-12株)、野草(おおばこ・たんぽぽ)が配合されており、健康維持による免疫サポートに配慮されています。

古くから「ハムセレ」の愛称で親しまれているスタンダードラインです。
小動物専門獣医師や動物園飼育技師の協力のもと開発された、ハムスター用総合栄養食の代表格です。

栄養面では、たんぱく質16.0%以上、脂質6.0%以上、カロリー360kcal以上/100g と、バランスの取れた設計になっています。
特徴的な成分として、健康維持に配慮したアガリクス(β-グルカン源)、免疫維持をサポートするヌクレオチド、お腹の健康維持のための乳酸菌(EC-12株)、さらにおおばこ・たんぽぽの野草粉末が配合されています。

ハムスターが食べやすい小粒タイプで、ゴールデンハムスターからドワーフハムスターまで、全年齢・全種類に対応できる「基本のフード」と言えます。

「ハムスターセレクション プロ」の特徴

【要点】

「プロ」は、特定の健康ニーズに応えるための高機能ラインです。通常版の乳酸菌やヌクレオチドに加え、BCAAやビール酵母などを配合し、目的別に栄養バランスが極端に調整されています。

「ハムスターセレクション プロ」は、通常版の良さを引き継ぎつつ、特定の健康状態に、よりきめ細かく対応するために開発されたシリーズです。

通常版にも含まれるヌクレオチドや乳酸菌(EC-12株)に加え、健康維持をサポートするビール酵母BCAA(分岐鎖アミノ酸)が配合されているのが特徴です。

しかし、最大の特徴は「プロ」という名前の通り、栄養成分の配合比率が「パフォーマンス」と「メンテナンス」で大きく異なる点です。

「パフォーマンス」と「メンテナンス」の違い(プロ)

【要点】

「パフォーマンス」は高たんぱく(18%以上)・高脂質(8.0%以上)・高カロリー(375kcal以上)で、成長期や体力回復期向けです。「メンテナンス」は低たんぱく(15.0%以上)・低脂質(2.0%以上)・低カロリー(310kcal以上)で、肥満配慮や体型維持向けです。

「プロ」シリーズを選ぶ際は、この2つの違いを必ず理解しておく必要があります。

ハムスターセレクション プロ パフォーマンス

  • 目的:成長期や体力回復期向け
  • 栄養:高たんぱく(18.0%以上)、高脂質(8.0%以上)、高カロリー(375kcal以上/100g)設計
  • 特徴:皮膚や毛艶の健康維持に配慮し、コラーゲンやDHA・EPAも配合されています。

育ち盛りの子ハムや、食が細くなって体力が落ちてきたシニアハムスター、または妊娠・授乳期の母ハムスターの栄養補給に適したフードです。

ハムスターセレクション プロ メンテナンス

  • 目的:体型維持、肥満配慮向け
  • 栄養:低たんぱく(15.0%以上)、低脂質(2.0%以上)、低カロリー(310kcal以上/100g)設計
  • 特徴:高繊維質で、消化酵素やL-カルニチンを配合し、体型維持に配慮されています。

運動量が少ない個体や、肥満が気になる大人のハムスター(特にゴールデンハムスターなど)の体重管理に適したフードです。

「ハムスターセレクション」ブランドとしての共通点

【要点】

どのシリーズも、小動物専門獣医師らの指導のもと開発された「総合栄養食」です。腸内環境に配慮した乳酸菌(EC-12株)や、免疫維持に配慮したヌクレオチドなどが配合されている点が共通しています。

ラインナップは異なりますが、全ての「ハムスターセレクション」シリーズには共通する哲学があります。

  1. 総合栄養食:全て「総合栄養食」であり、これと水だけでハムスターに必要な栄養をバランスよく摂取できます。
  2. 専門家の知見:小動物専門獣医師の指導と動物園飼育技師などの協力により開発されています。
  3. 健康サポート成分:腸まで届く乳酸菌(EC-12株)や、初乳成分であるヌクレオチドを配合し、健康維持と免疫サポートに配慮しています。
  4. ペレットタイプ:栄養バランスが偏らないよう、全ての栄養素を固めたペレットタイプ(ハードタイプ)です。
  5. 国産:イースター株式会社の国内工場で製造されています。

どっちを選ぶべき?ハムスターの年齢・状態別おすすめ

【要点】

健康で標準体型なら「通常版(メンテナンス)」が基本です。育ち盛りや痩せ気味なら「プロ パフォーマンス」、太り気味なら「プロ メンテナンス」が適しています。

どのフードを選ぶべきか、愛ハムの年齢や健康状態に合わせて選びましょう。

【ハムスターセレクション(通常版)がおすすめなハムスター】

  • 健康で、特に太っても痩せてもいない標準体型のハムスター
  • どの年齢(全年齢対応)にも合う、バランスの良い基本食を与えたい場合
  • アガリクスや野草(おおばこ・たんぽぽ)配合に魅力を感じる場合

【ハムスターセレクション プロ パフォーマンスがおすすめなハムスター】

  • 育ち盛りの子ハム(成長期)
  • 妊娠・授乳期の母ハムスター
  • 食が細い、または高齢で痩せてきたため、効率よく栄養を摂らせたい場合

【ハムスターセレクション プロ メンテナンスがおすすめなハムスター】

  • 肥満傾向にある、または太りやすい体質のハムスター
  • 運動量が少なく、体重管理が必要な大人のハムスター(特にゴールデン)
  • 低カロリー・高繊維質の食事に切り替えたい場合

僕が出会った「ハムセレ」と「ハムセレプロ」の“粒”の違い(体験談)

僕がハムスターを飼っていた時、このシリーズには大変お世話になりました。最初は「ハムスターセレクション(通常版)」を与えていたのですが、ある時「プロ」シリーズが発売されたので、試しに両方購入して比較したことがあります。

驚いたのは「粒の大きさ」と「硬さ」でした。
通常版の「ハムセレ」は、やや緑がかった色で、比較的小粒で硬さも程々でした。ジャンガリアンハムスターでも問題なく持って食べていました。

一方、「プロ」の「パフォーマンス」は、通常版より粒がわずかに小さく、色が濃い(茶色っぽい)印象でした。イースター株式会社の公式サイトによると、「プロ・パフォーマンス」は1粒あたりの重さが他より少し軽い(=粒数が多くなる)ようです。

飼い主としては、ハムスターの年齢や体調(太り気味か、痩せ気味か)に合わせて、ここまで細かく栄養設計を選べるという選択肢があること自体が、非常に心強く感じました。「プロ」という名前の通り、より専門的なケアをしたい飼い主のニーズに応えてくれるフードだと実感した体験です。

「ハムスターセレクション」に関するよくある質問

Q: ハムスターセレクションは、ゴールデンハムスターもジャンガリアンハムスターも食べられますか?

A: はい、食べられます。「ハムスターセレクション(通常版)」は小粒タイプで、ドワーフ種(ジャンガリアンなど)にも食べやすいサイズになっています。もちろんゴールデンハムスターにも適しています。「プロ」シリーズも全種対応です。

Q: 「パフォーマンス」は高たんぱくですが、腎臓に負担はかかりませんか?

A: 「パフォーマンス」はたんぱく質18.0%以上 と、一般的なハムスターフードの中では高たんぱく設計ですが、これはあくまで「成長期」や「体力回復期」に必要な栄養を補うためのものです。健康な個体であれば問題ないとされますが、腎臓疾患がすでにある場合や、高齢で腎機能が心配な場合は、「メンテナンス」 を選ぶか、獣医師に相談してください。

Q: フードを切り替える時の注意点はありますか?

A: はい、急にフードを変えるとハムスターが警戒したり、お腹を壊したりすることがあります。イースター株式会社も推奨しているように、従来のフードに2割くらいを混ぜて与え、徐々に新しいフードの割合を増やしていく方法で、自然に切り替えるのがおすすめです。

「ハムスターセレクション」シリーズの違いのまとめ

人気の「ハムスターセレクション」シリーズの違いは、ペットの健康状態に合わせた「目的特化型」の栄養設計にありました。

  1. 通常版(ハムセレ):全年齢対象のスタンダードな総合栄養食。アガリクスや野草を配合。たんぱく質16%以上。
  2. プロ パフォーマンス:成長期・体力回復期向けの高機能フード。高たんぱく(18%以上)・高カロリー設計。
  3. プロ メンテナンス:体型維持・肥満配慮向けの高機能フード。低脂質(2.0%以上)・低カロリー設計。
  4. 共通点:すべて獣医師らの指導のもと開発された総合栄養食で、乳酸菌(EC-12株)やヌクレオチドが配合されています。

愛ハムの年齢(成長期か、大人か)や体型(太り気味か、痩せ気味か)をよく観察し、最適な一粒を選んであげてくださいね。ぜひ、他のペット・飼育に関する違いについても、他の記事をご覧ください。

参考文献(公的一次情報)