フラクトオリゴ糖の原料の違い:「チコリ」と「さとうきび」は製法と甘さが違う?

健康志向の高まりで、「フラクトオリゴ糖」を食生活に取り入れている方も多いですよね。

ですが、いざ購入しようとすると「チコリ由来」と「さとうきび由来」の2種類があることに気づきます。

「どちらも同じフラクトオリゴ糖じゃないの?」「何が違うの?」と迷ってしまうかもしれません。

実はこの二つ、最終的な成分(フラクトオリゴ糖)は同じですが、その「原料」と「製造プロセス」が根本的に異なります。そして、その違いが風味や甘さの微妙な差にもつながっているんです。

この記事を読めば、「チコリ」と「さとうきび」それぞれの由来の違いから、製法、味の傾向、そしてどちらを選ぶべきかまで、スッキリと理解できます。

それでは、詳しく見ていきましょう。

結論|フラクトオリゴ糖の「チコリ由来」と「さとうきび由来」の違いを一覧表で比較

【要点】

最大の違いは「原料」と「製法」です。「チコリ由来」は、チコリの根に含まれる食物繊維(イヌリン)を抽出・酵素分解して作られます。一方、「さとうきび由来」は、さとうきびから作った砂糖(ショ糖)に酵素を作用させて作られます。成分は同じフラクトオリゴ糖ですが、さとうきび由来の方が甘みが強い傾向があります。

「チコリ由来」と「さとうきび由来」、二つのフラクトオリゴ糖の主な違いを一覧表にまとめました。

項目チコリ由来フラクトオリゴ糖さとうきび由来フラクトオリゴ糖
主な原料チコリ(キク科の野菜)の根さとうきび(または、てんさい)
原料成分イヌリン(多糖類・食物繊維)ショ糖(砂糖・二糖類)
主な製法イヌリンを抽出し、酵素で分解するショ糖(砂糖)に酵素で果糖を結合させる(合成)
味・甘さ(傾向)甘さ控えめ、わずかに風味あり甘みが強い、コクがある
最終成分フラクトオリゴ糖(難消化性オリゴ糖)
健康面での働きプレバイオティクスとして腸内環境をサポート
価格帯(傾向)比較的安価な製品が多いチコリ由来より高価な場合がある

フラクトオリゴ糖とは?(難消化性のオリゴ糖)

【要点】

フラクトオリゴ糖は、オリゴ糖(少糖類)の一種です。多くは胃や小腸で消化・吸収されにくい「難消化性」の性質を持ち、そのまま大腸まで届きます。そこで善玉菌(ビフィズス菌など)のエサとなり、腸内環境を整える「プレバイオティクス」として働きます。

まず、「フラクトオリゴ糖」そのものについておさらいしましょう。

オリゴ糖は、糖質の最小単位である単糖(ブドウ糖など)が2個から10個程度つながった「少糖類」の総称です。その中で「フラクトオリゴ糖」は、砂糖(ショ糖)に果糖(フラクトース)が1〜3個ほど結合した構造をしています。

フラクトオリゴ糖は、自然界ではゴボウ、アスパラガス、玉ねぎ、にんにくなどにも含まれています。

健康食品として利用されるフラクトオリゴ糖の最大の特徴は、「難消化性」であることです。

胃や小腸の消化酵素ではほとんど分解・吸収されずに大腸まで届き、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌の「エサ」となります。これにより腸内環境を整える働き(プレバイオティクス効果)が期待されています。

また、消化・吸収されにくいため、砂糖と比べてカロリーが低い(1gあたり約2kcal)とされ、血糖値もほとんど上げない(GI値ほぼ0)という報告もあります。

【重要】チコリ由来とさとうきび由来の「製造方法」の違い

【要点】

製造プロセスが全く異なります。「チコリ由来」は、チコリの根から食物繊維の「イヌリン」を取り出し、それを酵素で短く「分解」してフラクトオリゴ糖を作ります。一方、「さとうきび由来」は、砂糖(ショ糖)に酵素を作用させ、果糖を「結合(合成)」させて作ります。

同じフラクトオリゴ糖でも、「チコリ」と「さとうきび」では、原料も製造プロセスも全く異なります。

チコリ由来(イヌリンの酵素分解)

チコリは、ヨーロッパなどで野菜として利用されるキク科の植物です。このチコリの根には、「イヌリン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

イヌリンは、フラクトオリゴ糖よりもさらに長く果糖が連なった多糖類です。

チコリ由来のフラクトオリゴ糖は、まずチコリの根からこのイヌリンを抽出し、そのイヌリンに酵素(イヌリナーゼなど)を作用させて、長い鎖を短く「分解」することで製造されます。

つまり、「大きな食物繊維(イヌリン)」を「小さな食物繊維(フラクトオリゴ糖)」に切り分けるイメージですね。

さとうきび(ショ糖)由来(酵素合成)

こちらは、原料としてさとうきび(または「てんさい(砂糖大根)」)から作られた「砂糖(ショ糖)」を使います。

製造方法は、原料のショ糖(ブドウ糖と果糖が1個ずつつながったもの)に、特殊な酵素(フルクトシルトランスフェラーゼなど)を作用させます。

これにより、ショ糖にさらに果糖が1個、2個と「結合(合成)」していき、フラクトオリゴ糖が作られます。

チコリ由来が「分解」であるのに対し、さとうきび由来は「合成」という、アプローチが逆の製法であることが大きな違いです。

味・甘さ・風味の違い

【要点】

どちらも砂糖よりは甘さが控えめですが、比較すると「さとうきび由来」の方が甘みが強く、コクを感じやすい傾向があります。「チコリ由来」は、より甘さが穏やかであっさりしているというレビューが多いです。

最終的な主成分は同じフラクトオリゴ糖ですが、原料や製法の違いからか、市販されている製品の風味には差があるようです。

フラクトオリゴ糖は、砂糖の約30〜60%程度のやさしい甘味を持つとされています。

実際の利用者レビューなどを見ると、「さとうきび由来」の製品は、原料が砂糖(ショ糖)であるためか、「甘みがしっかり感じられる」「コクがある」といった感想が見られます。

一方、「チコリ由来」の製品は、「甘さが控えめ」「あっさりしている」と感じる人が多いようです。

コーヒーやヨーグルトにしっかり甘みを加えたい場合はさとうきび由来、甘さは最小限でプレバイオティクスの効果だけを期待したい場合はチコリ由来、といった選び方もできるかもしれません。

栄養・健康面の違い(働きは同じ「プレバイオティクス」)

【要点】

チコリ由来もさとうきび由来も、最終製品は「フラクトオリゴ糖」であるため、健康面での主な働き(プレバイオティクス効果)に大きな違いはありません。どちらも難消化性オリゴ糖として、腸内環境のサポートが期待できます。

製法は異なりますが、どちらも最終的に得られる主成分は「フラクトオリゴ糖」です。

そのため、難消化性オリゴ糖としての基本的な健康面での働き(プレバイオティクス効果)は、どちらの由来であっても同じと考えてよいでしょう。

どちらも胃や小腸で消化されず大腸まで届き、善玉菌のエサとなります。また、カロリーが低く、血糖値に影響を与えにくいという特徴も共通しています。

ただし、製品によっては純度が異なったり、さとうきび由来の製品には原料の砂糖(ショ糖)や製造工程で生じるブドウ糖などが微量に残存している場合もあります。

使い方・用途の違い

【要点】

どちらも用途は同じです。砂糖の代わりとなる低カロリー甘味料として、コーヒー、紅茶、ヨーグルトなどに加えるのが一般的です。熱にも比較的強いため、煮物などの料理にも使用できます。

どちらのフラクトオリゴ糖も、基本的な使い方は同じです。

  • 甘味料として:砂糖の代わりに、コーヒー、紅茶、ヨーグルト、シリアルなどに加える。
  • 料理に:熱にも比較的安定しているため、煮物や照り焼きなどの料理に、砂糖やみりんの代わりに使うこともできます。
  • 健康食品として:プレバイオティクス(善玉菌のエサ)として、そのままスプーンで摂取する。

ただし、前述の通り、さとうきび由来の方が甘みが強い傾向があるため、同じ甘さを出すために必要な量(グラム数)は、チコリ由来の方が多く必要になる可能性があります。

注意点として、どちらも摂りすぎたり、体質・体調によっては、お腹がゆるくなることがあります。1日の摂取目安量を守ることが大切です。

価格・入手性の違い

【要点】

どちらも健康食品店やオンラインストアで粉末・シロップとして容易に入手可能です。価格は製品によりますが、レビューでは「チコリ由来の方が安価」という声も見られます。

かつてはフラクトオリゴ糖といえばシロップタイプが主流でしたが、現在は粉末(パウダー)タイプも一般的になり、チコリ由来、さとうきび由来ともに、オンラインストアや健康食品店などで広く販売されています。

価格は製品の純度やメーカーによって異なりますが、一部の利用者レビューでは「チコリ由来の方が安価で続けやすい」といった声も見られます。

製造コストや原料の調達コストが価格に反映されている可能性がありますね。

体験談|チコリ由来とさとうきび由来を使い比べてみた印象

僕も腸活のためにフラクトオリゴ糖を愛用しています。最初は何も考えずにシロップタイプを使っていましたが、コストを考えて粉末タイプに変えることにしました。

その時、まさに「チコリ由来」と「さとうきび由来」の2種類があることに気づいたんです。

まず試したのは、レビューで「安価」と書かれていたチコリ由来の粉末でした。毎朝の無糖ヨーグルトにかけてみると、確かに甘みはつきますが、非常に「あっさり」とした上品な甘さ。砂糖のようなガツンとした甘さはなく、言われないとオリゴ糖が入っていることに気づかないかもしれない、と感じるほど自然でした。

次に、さとうきび由来の粉末を試してみました。同じ量をヨーグルトにかけると、まず甘みの強さが明らかに違うことに驚きました。チコリ由来よりも少ない量で、しっかりとした甘さを感じます。レビューにあった通り「味がしっかりある」という印象で、黒糖のようなわずかな「コク」も感じられました。

どちらもお腹の調子に対する体感は変わりませんでしたが、味の好みははっきり分かれましたね。

「甘味料としても期待するなら、さとうきび由来」「甘みは最小限でいいなら、チコリ由来」というのが僕の結論です。結局、コーヒーにも使いたかった僕は、甘みの強い「さとうきび由来」の方をリピートしています。

フラクトオリゴ糖に関するよくある質問(FAQ)

質問1:フラクトオリゴ糖は虫歯になりにくいって本当ですか?

はい、その通りです。フラクトオリゴ糖は、虫歯の原因菌(ミュータンス菌)のエサにならず、酸を作らないため、虫歯の原因になりにくい糖質として知られています。

質問2:フラクトオリゴ糖とイヌリンの違いは何ですか?

「分子の長さ(大きさ)」が違います。どちらも果糖が連なった構造ですが、フラクトオリゴ糖が2〜4個程度の「少糖類(オリゴ糖)」であるのに対し、イヌリンは数十〜数百個連なった「多糖類(食物繊維)」です。チコリ由来のフラクトオリゴ糖は、このイヌリンを酵素で短く分解して作られます。

質問3:フラクトオリゴ糖は加熱しても大丈夫ですか?

はい、一般的な料理の加熱(煮物など)程度であれば、その健康効果は大きく損なわれないとされています。ただし、極端な高温(140℃以上など)や酸性の環境(例:酢を使った料理)で長時間加熱すると、分解が進む可能性はあります。より効果を期待するなら、コーヒーやヨーグルトなど、加熱しすぎないものに使うのが最も確実ですね。

まとめ|チコリ由来とさとうきび由来、目的別おすすめの選び方

「フラクトオリゴ糖」の「チコリ由来」と「さとうきび由来」の違い、明確になりましたでしょうか。

どちらも大腸まで届く「難消化性オリゴ糖」であり、プレバイオティクスとしての健康効果は同じです。最大の違いは、原料と製法にありました。

最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、目的別にまとめます。

  • チコリ由来フラクトオリゴ糖を選ぶべき人
    甘さは控えめで、オリゴ糖の健康効果だけをシンプルに摂取したい人。価格(コストパフォーマンス)を重視したい人。
  • さとうきび由来フラクトオリゴ糖を選ぶべき人
    砂糖の代わりとして、しっかりとした甘みやコクも欲しい人。コーヒーやヨーグルトの甘味料としてメインに使いたい人。

どちらも素晴らしい健康食品です。ご自身の好みや食生活に合わせて、最適なものを選んでみてくださいね。

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