「くるみやまびこ」と「くるみっこ」の違いは製造元と製法

「くるみやまびこ」と「くるみっこ」。どちらも「くるみ」と「キャラメル」を「クッキー生地」で組み合わせた大人気のお菓子ですよね。

名前の響きや構成が似ているため、「もしかして同じ会社の商品?」「どちらかが真似したの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、「くるみやまびこ」と「くるみっこ」は、製造元も発祥地も全く異なる、似ているけれも別々のお菓子です。

「くるみやまびこ」は長野県諏訪市の「ヌーベル梅林堂」の銘菓、「くるみっこ」は神奈川県鎌倉市の「鎌倉紅谷」の銘菓。

この記事を読めば、この二大くるみ菓子の明確な違い、食感や製法の違い、そしてどちらが手に入りやすいのかまで、スッキリと理解できますよ。

それでは、まず最も重要な違いから見ていきましょう。

結論|くるみやまびことくるみっこの違いを一言で

【要点】

最大の違いは「製造元(地域)」と「製法(食感)」です。「くるみやまびこ」は長野県諏訪市の「ヌーベル梅林堂」が製造し、キャラメルをクッキー生地で完全に包んで焼いた、しっとり食感のバータイプのお菓子です。一方、「くるみっこ」は鎌倉市の「鎌倉紅谷」が製造し、キャラメルをバター生地で上下に挟んで焼いた、サクサク食感の正方形のお菓子です。

似ているようで、実は「しっとり系」と「サクサク系」という明確な食感の違いがあるんですね。

「くるみやまびこ」と「くるみっこ」の違い 比較一覧表

項目 くるみやまびこ くるみっこ
製造元 ヌーベル梅林堂 鎌倉紅谷
発祥地 長野県諏訪地方 神奈川県鎌倉市
製法・形状 キャラメルをクッキー生地で「包む」・バータイプ キャラメルをバター生地で「挟む」・正方形
生地の食感 しっとり、サクサク(商品紹介にはサクサクとの記載もあり) サクサク、ザクザク
キャラメル ぎっしり、濃厚 ぎっしり、自家製、ねっとり
入手難易度 比較的容易(オンライン、長野のSAなど) 非常に困難(行列・即完売)

※「くるみやまびこ」の食感について、公式サイトでは「サクサクのクッキーで包みました」 との表記もありますが、登山家のコメントとして「渇いた口が潤うしっとり感」 との記載もあり、また「くるみっこ」の「サクサク」と比較すると、より水分量が多く「しっとり」しているという食べ比べの感想が一般的です。

「くるみやまびこ」と「くるみっこ」は全くの別物

【要点】

「くるみやまびこ」は長野・諏訪の銘菓、「くるみっこ」は神奈川・鎌倉の銘菓です。どちらも「くるみ・キャラメル・生地」という構成要素は同じですが、それぞれが独自に発展した、地域を代表するお菓子です。

くるみやまびこ とは?【長野・諏訪の銘菓】

「くるみやまびこ」は、長野県諏訪市に本店を構える「ヌーベル梅林堂」が製造・販売する焼き菓子です。

信州八ヶ岳山麓の新鮮な牛乳でじっくり煮込んだ特製くるみキャラメルを、クッキー生地で丸ごと包み込み、スティック状(バータイプ)に焼き上げています。

モンドセレクション最高金賞を20年連続で受賞(2025年時点)するなど、品質も高く評価されており、長野県を代表する銘菓の一つです。「ハーフサイズ」と「ロングサイズ」があり、甘さ控えめの「ライトタイプ」も選べます。

くるみっこ とは?【神奈川・鎌倉の銘菓】

「くるみっこ」は、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮前に本店を構える「鎌倉紅谷(べにや)」が製造・販売する焼き菓子です。

自家製のキャラメルに、ぎっしりとくるみを詰め込み、それを上下からバター生地(クッキー)で挟み込んで焼き上げています。

職人が手作業で仕上げる工程が多く、その絶妙なバランスの美味しさと、可愛らしいリスのパッケージデザインで爆発的な人気を誇ります。今や鎌倉土産の定番ですが、その人気ゆえに非常に入手困難なお菓子としても知られています。

製法・形状・食感の違いを徹底比較

【要点】

製法の違いが食感の決定的な違いを生んでいます。「くるみやまびこ」は生地でキャラメルを「包む」ため、キャラメルの水分が生地に移りやすく、全体として「しっとり」とした一体感があります。一方「くるみっこ」は生地で「挟む」ため、バター生地の「サクサク」感が際立ちます。

製法と形状:「包む」やまびこ、「挟む」くるみっこ

この二つは、お菓子の構造が根本的に異なります。

くるみやまびこ
棒状のキャラメルフィリングを、クッキー生地で完全に覆い隠すように「包んで」います。金型に入れて焼いているため、形状は「ロング」や「ハーフ」の四角いスティック状です。

くるみっこ
クッキー生地を下に敷き、その上にくるみとキャラメルのフィリングを流し、さらに上からクッキー生地を被せて「挟んで(サンドして)」います。大きな型で焼いたものを、小さな正方形にカットして仕上げます。

食感:「しっとり」やまびこ、「サクサク」くるみっこ

この製法の違いが、食感の最大の違いを生み出しています。

くるみやまびこ
生地がキャラメルを包んでいるため、キャラメルの水分が生地に移りやすく、全体として「しっとり」とした食感になります。クッキー生地と中のキャラメルフィリングが一体となった、食べ応えのあるお菓子です。

くるみっこ
生地とキャラメルが層状に分かれているため、バター生地の「サクサク感(またはザクザク感)」が際立っています。中のキャラメルは「ねっとり」としており、くるみが「ぎっしり」入っているため、小さいながらも食感のコントラストが非常に楽しいお菓子です。

製造元・歴史・入手難易度の違い

【要点】

「くるみやまびこ」はヌーベル梅林堂(大正2年創業)のロングセラー商品です。「くるみっこ」は鎌倉紅谷(昭和29年創業)の看板商品で、職人の手作業が多く大量生産できないため、極めて入手困難な状況が続いています。

製造元と歴史(ヌーベル梅林堂 vs 鎌倉紅谷)

くるみやまびこ
製造元の「ヌーベル梅林堂」は、大正2年(1913年)創業の長野県諏訪地方の老舗菓子店です。「くるみやまびこ」は、その看板商品として長年愛されています。

くるみっこ
製造元の「鎌倉紅谷」は、昭和29年(1954年)に鎌倉で創業した菓子店です。「くるみっこ」は、その中でも特に人気を集める看板商品となりました。

どちらもそれぞれの土地で生まれた銘菓であり、どちらかが元祖で、どちらかが模倣品という関係性ではありません。

入手難易度と人気

どちらも非常に人気のあるお菓子ですが、入手難易度には天と地ほどの差があります。

くるみやまびこ
長野県内の直営店やサービスエリア、お土産店のほか、東京のアンテナショップ「銀座NAGANO」や一部の百貨店でも取り扱いがあります。公式オンラインショップでも比較的安定して購入が可能です。

くるみっこ
「日本一手に入りにくいお菓子」の一つと言われることもあります。鎌倉の本店や主要な支店では、開店前から行列ができ、午前中には完売することが日常茶飯事です。公式オンラインショップでも、毎朝9時の入荷と同時に即完売(入荷待ち)となる状況が続いています。

この入手難易度の理由は、職人による手作業の工程が多く、大量生産ができないためです。また、コロナ禍でのSNSによる認知拡大も人気に拍車をかけました。

【体験談】しっとり満足感の「やまびこ」と、サクサク行列の「くるみっこ」

僕もこの二つのお菓子が大好きで、何度もリピートしています。この二つは、似ているようで全く体験が異なります。

「くるみやまびこ」は、長野へスキーに行った帰りのサービスエリアで出会う「旅の相棒」というイメージです。ハーフサイズでも1本食べると、しっとりした生地とぎっしり詰まったキャラメルの満足感がすごい。疲れた体に染みるような、優しくて濃厚な甘さが魅力ですね。

一方、「くるみっこ」は、鎌倉まで「買いに行くぞ」と意気込む「憧れの的」でした。初めて本店の行列に並んで手に入れた時は感動しました。

食べてみると、まずバター生地の「サクサク」とした食感に驚きます。そして、噛みしめると「ねっとり」としたキャラメルと「ゴロゴロ」したくるみが溢れ出してくる。小さいのに、味と食感のコントラストが完璧なんです。

「しっとり一体感」のやまびこか、「サクサクとコントラスト」のくるみっこか。どちらも甲乙つけがたい、素晴らしいお菓子だと思います。

くるみやまびことくるみっこに関するよくある質問(FAQ)

「くるみやまびこ」と「くるみっこ」は似ていますが、どちらかが真似したのですか?

いいえ、そうではありません。「くるみやまびこ」は長野県諏訪市で生まれた銘菓、「くるみっこ」は神奈川県鎌倉市で生まれた銘菓です。どちらも「くるみ」と「キャラメル」「クッキー生地」という相性の良い組み合わせを追求した結果、それぞれの地域で独自に発展したお菓子と考えられます。

どちらが手に入りやすいですか?

圧倒的に「くるみやまびこ」の方が手に入りやすいです。「くるみやまびこ」は長野県内のお土産店やオンラインショップで比較的容易に購入できます。一方、「くるみっこ」は非常に人気が高く、店舗では常に行列、オンラインショップでも毎日即完売するほどの入手困難な商品です。

味の違いを一言でいうと?

「くるみやまびこ」は生地とキャラメルが一体となった「しっとり濃厚な」味わいです。対して「くるみっこ」は、生地の「サクサク感」とキャラメルの「ねっとり感」のコントラストが楽しい味わいです。

まとめ|くるみやまびことくるみっこ、どちらを選ぶべき?

「くるみやまびこ」と「くるみっこ」の違い、これで明確になりましたね。

  • くるみやまびこ:長野・ヌーベル梅林堂。生地で「包んだ」しっとり食感のバータイプ。
  • くるみっこ:鎌倉・鎌倉紅谷。生地で「挟んだ」サクサク食感の正方形タイプ。

どちらも「くるみ+キャラメル+クッキー生地」という黄金の組み合わせを、異なる製法で仕上げた絶品スイーツです。

「しっとりとした一体感と満足感が欲しい時」は「くるみやまびこ」を。

「サクサクの食感とキャラメルのコントラストを楽しみたい時」や、「話題性・希少性のある手土産を渡したい時」は「くるみっこ」を選ぶのがおすすめです。

ぜひ、この二つの銘菓を食べ比べて、あなたの好みを見つけてみてください。他のスイーツ・お菓子の違いを知ることも、お菓子選びの楽しみをさらに広げてくれるでしょう。