パルフェとパフェの違い!完璧なデザート「Parfait」の二つの顔

「パルフェ」と「パフェ」、どちらも響きが似ていて、豪華なデザートを思い浮かべますよね。

この二つ、日本では「呼び方が違うだけでほぼ同じもの」として扱われることも多いですが、実はそのルーツをたどると全く異なるデザートなんです。

結論から言うと、フランス発祥の「パルフェ」はアイスクリーム状の冷菓そのものを指し、日本で発展した「パフェ」は背の高いグラスに様々な素材を層状に盛り付けたデザートを指します。

この記事を読めば、二つの言葉の語源的なつながりから、本場フランスと日本での見た目や食べ方の違いまで、スッキリと理解できますよ。

それではまず、二つの「完璧なデザート」の違いを一覧表で見ていきましょう。

結論|パルフェとパフェの違いが一目でわかる比較表

【要点】

「パルフェ」と「パフェ」は、どちらもフランス語の「Parfait(パルフェ=完璧な)」を語源としています。しかし、フランスの「パルフェ」は卵黄やクリームを凍らせたアイスクリーム状の冷菓を指すのに対し、日本の「パフェ」は背の高いグラスにアイス、フルーツ、クリームなどを層状に盛り付けたデザートを指し、異なるものを指す場合があります。

日本国内においては「パルフェ」と「パフェ」をほぼ同じ意味で使うお店も多いですが、ここではそれぞれの発祥地での定義に基づいて違いを比較します。

項目 パルフェ(フランス) パフェ(日本)
語源 フランス語「Parfait(完璧な)」 フランス語「Parfait」を英語風に発音したもの
発祥地 フランス(19世紀後半) 日本(大正時代)
主な構成要素 アイスクリーム状の冷菓(卵黄、砂糖、クリーム) 盛り付けデザート(アイス、フルーツ、クリーム、シリアル等)
容器・見た目 皿に盛られることが多い(コース料理のデザート) 背の高いグラス(パフェグラス)に層状に盛られる
食感 なめらかで均一 層ごとに異なる多様な食感

このように、語源は同じでも、フランスと日本では全く異なるスタイルのデザートとして発展してきたことがわかりますね。

パルフェとパフェの定義と語源

【要点】

「パルフェ(Parfait)」はフランス語で「完璧な」を意味する言葉です。日本の「パフェ」は、この「パルフェ」という言葉が英語風に発音(パーフェイ)され、それが日本で定着したものです。どちらも「完璧なデザート」という意味が込められています。

パルフェ(Parfait)とは?【フランス発祥】

「パルフェ」は、フランス語で「完璧な」を意味する形容詞「Parfait(パルフェ)」がそのままデザートの名前になったものです。英語の「Perfect(パーフェクト)」と同じ語源ですね。

フランスにおける「パルフェ」は、19世紀半ばに生まれたとされ、卵黄、砂糖、ホイップクリームなどを混ぜ合わせ、型に入れて凍らせたアイスクリーム状の冷菓(スフレ・グラッセ)を指します。

パフェ(Parfait)とは?【日本独自】

一方、「パフェ」は日本で独自に進化したデザートです。語源はフランス語の「Parfait」ですが、これがアメリカを経由し英語風の発音「パーフェイ([pɑː(r)’fei])」となり、日本で「パフェ」として広まったとされています。

日本では大正時代に銀座のカフェで提供されたのが始まりとも言われ、フランスのパルフェやアメリカの「サンデー」などの影響を受けながら、現在の「背の高いグラスに層状に盛り付ける」という日本独自のスタイルが確立されたと考えられています。

原材料・製法・見た目(容器)の決定的な違い

【要点】

フランスの「パルフェ」は、卵黄やクリームを主体としたアイスクリーム状の冷菓そのもので、コース料理の一部として皿に盛られます。日本の「パフェ」は、背の高い「パフェグラス」を使い、アイス、フルーツ、ソース、シリアルなどを層状に美しく盛り付ける点に最大の違いがあります。

二つの最も大きな違いは、「デザートそのもの」を指すか、「盛り付けたスタイル」を指すかにあります。

フランスの「パルフェ」:アイスクリーム状の冷菓

フランス料理における「パルフェ」は、あくまでデザートの一種です。卵黄に熱いシロップを加えて泡立て、そこにホイップクリームや風味付けの材料(フルーツピューレやチョコレートなど)を混ぜ、型に入れて冷やし固めます。

「パルフェ」という名前のアイスクリームデザート、と考えると分かりやすいでしょう。

提供される際も、コース料理の最後を飾るデザートとして、ソースやフルーツと共に「お皿」に盛り付けられるのが伝統的なスタイルです。

日本の「パフェ」:背の高いグラスに層を成すデザート

日本の「パフェ」は、特定の冷菓を指すのではなく、「盛り付けのスタイル」そのものを指します。

最大の特徴は、「パフェグラス」と呼ばれる背の高い足付きのグラスを使うことです。この透明なグラスに、アイスクリーム、ソフトクリーム、フルーツ、生クリーム、シリアル、ソース、焼き菓子(ウエハースやビスケットなど)といった様々な食材を、彩りよく層状に重ねて盛り付けます。

この「層を成す美しさ」こそが、日本のパフェの醍醐味であり、フランスのパルフェとの決定的な違いですね。

味・食感・温度の違い

【要点】

フランスの「パルフェ」は、アイスクリーム状の冷菓として、均一で滑らかな食感と味わいが特徴です。一方、日本の「パフェ」は、グラスの底から上まで食べ進めるにつれて、アイスの冷たさ、フルーツの酸味、クリームの甘さ、シリアルの食感などが次々と現れ、その「ハーモニーと変化」を楽しむデザートです。

見た目や構成が違えば、当然、その味わい方も異なります。

味と食感の違い:パルフェの「均一な滑らかさ」

フランスのパルフェは、それ自体が卵黄とクリームで作られた濃厚な冷菓です。そのため、スプーンですくうどの部分も、基本的には均一でリッチな、滑らかなアイスクリームのような食感です。添えられたソースやフルーツと一緒に味わうことで、味の変化を楽しみます。

味と食感の違い:パフェの「多様なハーモニー」

日本のパフェは、「完璧なデザート」という語源の通り、一つのグラスの中で多様な味と食感が層を成しているのが特徴です。

長いスプーンで上から食べ進めていくと、トップの豪華なトッピングから始まり、ひんやりとしたアイスクリーム、甘酸っぱいフルーツソース、なめらかなクリーム、そして底に隠されたサクサクのシリアルやしっとりとしたスポンジなど、一口ごとに異なる食感と風味が現れます。この「味のグラデーション」や「食感のコントラスト」こそが、パフェ最大の魅力と言えるでしょう。

文化的背景・提供シーンの違い

【要点】

「パルフェ」はフランス料理のコースの最後を飾る格調高いデザートとして提供されることが多いです。一方、日本の「パフェ」は、喫茶店やファミリーレストラン、フルーツパーラーなどで、老若男女問わず気軽に楽しむ「アラカルトのスイーツ」として独自の文化を築いています。

フランスの「パルフェ」は、レストランで提供されるコース料理の最後を締めくくるデザート(デセール)としての側面が強いです。特別な食事の最後に出てくる、少し贅沢な一皿という位置づけですね。

対して日本の「パフェ」は、レトロな喫茶店からファミリーレストラン、フルーツパーラー、そして最近では「シメパフェ(夜パフェ)」といった専門文化が生まれるほど、単独のスイーツメニューとして深く根付いています。

大人から子供まで、特別な日でなくても「ちょっと贅沢なご褒美」として気軽に楽しめるのが、日本におけるパフェ文化の特徴です。

体験談|フランスで出会った「パルフェ」はパフェではなかった

僕には、パリのビストロで「パルフェ」という文字を見て、日本で食べるような巨大なパフェを想像して注文した時の思い出があります。

コース料理の最後に運ばれてきたのは、背の高いグラスではなく、白いお皿。

その中央に鎮座していたのは、型で抜かれた美しい半円形の、真っ白なアイスクリームのようなデザートでした。周りにはラズベリーソースが美しく飾られています。

「え、これがパルフェ…?」

スプーンを入れると、アイスクリームよりも少し柔らかく、非常に滑らかで濃厚な口どけ。日本のパフェのようなフルーツやシリアルの層はどこにもありません。もちろん、これはこれで非常に美味しかったのですが、僕が期待していた「パフェ」とは全く別物でした。

あの時、「パルフェ」と「パフェ」は、同じ名前の遠い親戚のようなもので、育った環境(国)が違うとこんなにも姿が変わるのかと、文化の違いを痛感しましたね。

日本に帰国して、喫茶店であの背の高いパフェグラスに盛られたフルーツパフェを見た時は、なんだか故郷に帰ってきたような安心感を覚えました。

パルフェとパフェに関するFAQ(よくある質問)

Q1. 日本で「パルフェ」という名前で売られているものは何ですか?

A1. 日本国内では、「パフェ」と「パルフェ」はほぼ同じ意味で使われていることが多いです
お店のこだわりやイメージ戦略として、フランス語の響きをそのまま使い「パルフェ」と呼ぶ場合もあれば、英語風の「パフェ」と呼ぶ場合もあります。どちらも背の高いグラスに盛られたデザートを指すことがほとんどで、明確な区別はされていないことが多いですね。

Q2. パフェと「サンデー」の違いは何ですか?

A2. 発祥地が異なりますが、現在の日本では明確な違いはありません。
「パフェ」がフランス語源のフランス発祥(後に日本で独自進化)であるのに対し、「サンデー」はアメリカ発祥のデザートです。名前の由来は「日曜日(Sunday)に売られていたから」という説が有力です。本場アメリカのサンデーは、アイスクリームにソースやトッピングをかけたシンプルなものが多いですが、日本ではパフェと同様に豪華に盛り付けられることが多く、厳密な区別は曖昧になっています。

Q3. アメリカにも「パルフェ(Parfait)」はありますか?

A3. はい、ありますが、フランスや日本のものとはまた異なります。
アメリカでの「パルフェ」は、ヨーグルトやグラノーラ、フルーツなどを層状に重ねた、比較的ヘルシーなデザートや朝食を指すことが多いです。日本のパフェのように背の高いグラスを使うこともありますが、アイスクリームや生クリームがメインではない点が大きな違いです。

まとめ|パルフェとパフェ、どちらを選ぶべきか?

「パルフェ」と「パフェ」、その違いをご理解いただけたでしょうか。

語源は同じ「完璧(Parfait)」でも、国や文化によってその姿は大きく異なります。

  • フランスで伝統的な、均一で濃厚なアイスクリーム状の冷菓を楽しみたい時 = パルフェ
  • 日本独自のスタイルである、背の高いグラスで層状のハーモニーを楽しみたい時 = パフェ

ただし、日本国内のカフェやレストランで注文する際は、「パルフェ」も「パフェ」も、ほぼ同じ「グラスに盛られた豪華なデザート」を指すことが多いです。

お店のメニュー写真や説明を見て、その「完璧なデザート」が自分の好みに合うかどうかで選ぶのが一番確実ですね。

当サイト「違いラボ」では、他にもたくさんの「スイーツ・お菓子」に関する違いを解説しています。ぜひ、そちらもご覧になってみてくださいね。

【出典・参考サイト】