「personality」と「character」の違いとは?性格を表す英単語の使い分け

「personality」は外から見える印象や人当たりを指し、「character」はその人の内面にある道徳的な性質や信念を指す言葉です。

どちらも日本語では「性格」と訳されることが多いですが、英語圏では「personality」は変わりやすい外面的な特徴、「character」は変わりにくい内面的な本質として明確に区別されます。

この記事を読めば、日常会話からビジネスシーンまで、相手や状況に合わせて適切な言葉を選べるようになり、誤解のないコミュニケーションが可能になります。

それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「personality」と「character」の最も重要な違い

【要点】

基本的には外から見える印象なら「personality」、内面の道徳的性質なら「character」と覚えるのが簡単です。personalityは対人関係で発揮される魅力、characterは信頼や誠実さに関わる本質です。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目personalitycharacter
中心的な意味外面的・社会的な性格内面的・道徳的な性格
ニュアンス印象、人当たり、魅力品性、人格、信念
変化変わりやすい、磨ける変わりにくい、培われる
評価の視点好かれるかどうか(Like)信頼できるかどうか(Trust)

一番大切なポイントは、「personality」は「どう見えるか」に関わり、「character」は「どうあるか」に関わるということですね。

例えば、パーティーで盛り上げ上手な人は「Good personality」ですが、約束を必ず守る誠実な人は「Good character」と表現されます。

なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)からイメージを掴む

【要点】

「personality」はラテン語の“仮面”が語源で、他者に見せる顔を意味します。一方、「character」はギリシャ語の“刻印”が語源で、魂に刻み込まれた消えない特徴をイメージすると分かりやすくなります。

なぜこの二つの言葉にニュアンスの違いが生まれるのか、語源を紐解くと、その理由がよくわかりますよ。

「personality」の成り立ち:「persona」が表す“仮面”のイメージ

「personality」の語源は、ラテン語の「persona(ペルソナ)」です。

これは古代ローマの演劇で役者がつけていた「仮面」を意味します。

役者が仮面をつけて役割を演じるように、personalityは「社会の中で他者に見せる顔」や「対人関係における振る舞い」を表します。

つまり、その人が本来どういう人間かというよりも、周囲にどのような印象を与えているかという「演出された側面」が含まれる言葉なのです。

だからこそ、トレーニングで磨いたり、TPOに合わせて変えたりすることができるというニュアンスを持ちます。

「character」の成り立ち:「kharakter」が表す“刻印”のイメージ

一方、「character」の語源は、ギリシャ語の「kharakter(カラクテール)」に遡ります。

これは硬貨や石などに印を刻むための「彫刻道具」や「刻印」を意味していました。

一度石に刻まれた文字が簡単には消えないように、characterは長い時間をかけて形成され、魂に深く刻み込まれた「固有の性質」を指します。

ここから、道徳的な正しさ、誠実さ、勇気といった「人間としての芯」や「品性」という意味合いが生まれました。

外見を取り繕っても隠しきれない、その人の本質的な部分を表す言葉なんですね。

具体的な例文で使い方をマスターする

【要点】

初対面の印象や社交性を褒めるなら「personality」、仕事の誠実さや道徳的な判断を評価するなら「character」を使います。NG例として、倫理的な問題に対してpersonalityを使うと軽すぎる印象を与えてしまいます。

言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。

ビジネスや日常会話、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。

日常会話・ビジネスでの使い分け

「好き嫌い」の次元か、「善悪・信頼」の次元かを意識すると、使い分けは簡単ですよ。

【OK例文:personality】

  • She has a cheerful personality that brightens up the room.
    (彼女は部屋を明るくするような陽気な性格をしている。)
  • He lacks personality, so he might be boring at parties.
    (彼は個性に欠けるので、パーティーでは退屈かもしれない。)
  • We are looking for someone with a great personality for the sales position.
    (営業職には、人当たりの良い人柄の人を求めています。)

【OK例文:character】

  • The scandal ruined the politician’s character.
    (そのスキャンダルは、政治家の人格を台無しにした。)
  • Building good character takes time and effort.
    (優れた人格を築くには時間と努力が必要だ。)
  • Employers value character over skills in the long run.
    (雇用主は長期的にはスキルよりも人柄(品性)を重視する。)

このように、その場の雰囲気や対人スキルに関わる場合は「personality」、信用や倫理観に関わる場合は「character」が適していますね。

これはNG!間違えやすい使い方

意味は通じることが多いですが、ニュアンスがズレてしまう使い方を見てみましょう。

  • 【NG】He cheated on the test. He has a bad personality.
    (彼はテストでカンニングをした。彼は性格が悪い。)
  • 【OK】He cheated on the test. He has a bad character.
    (彼はテストでカンニングをした。彼は品性が劣っている。)

カンニングのような「道徳的に悪いこと」をするのは、愛想が悪い(personalityの問題)のではなく、倫理観(character)の問題です。

  • 【NG】She is very shy. It’s her character.
    (彼女はとてもシャイだ。それが彼女の人格だ。)
  • 【OK】She is very shy. It’s her personality.
    (彼女はとてもシャイだ。それが彼女の性格だ。)

シャイであることは道徳的な善悪とは関係なく、対人関係における特徴なので「personality」を使います。「character」を使うと、シャイであることがまるで「道徳的信念」であるかのような重い響きになってしまいます。

【応用編】似ている言葉「nature」との違いは?

【要点】

「nature」は「生まれつきの性質」や「天性」を意味し、変えようのない本能的な部分を指します。personalityやcharacterが環境や経験によって形成される側面を持つのに対し、natureは遺伝的・先天的な要素を強調します。

「personality」「character」と似た言葉に「nature」があります。

これも押さえておくと、言葉の理解がさらに深まりますよ。

「nature」は「自然」という意味でおなじみですが、人の性格について使う場合は「天性」「本性」という意味になります。

決定的な違いは、努力や教育では変えられない、生まれ持った性質を指す点です。

例えば、「It is human nature to make mistakes.(過ちを犯すのは人間の性(さが)だ)」のように使います。

「personality」は磨くもの、「character」は培うもの、「nature」は備わっているもの、というイメージで区別すると分かりやすいでしょう。

「personality」と「character」の違いを学術的に解説

【要点】

心理学において「personality」は、個人の思考・感情・行動の独自性を包括する概念として広く定義されます。一方、「character」は倫理的・道徳的な評価を含む概念として扱われ、近年では「character strengths(性格の強み)」としてポジティブ心理学で再注目されています。

専門的な視点から見ると、この二つの言葉は、研究の対象としての扱いが異なります。

心理学の分野では、「Personality(パーソナリティ)」が主役です。

これは「環境に適応するための個人特有の行動・思考パターン」全体を指す包括的な用語として使われます。

ビッグファイブ理論(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)などの性格分析は、基本的にpersonalityを対象としています。

一方、「Character(キャラクター)」は、かつては心理学でも使われていましたが、価値判断(良い・悪い)が含まれるため、客観的な科学用語としては使いにくい側面がありました。

しかし近年、ポジティブ心理学の分野で「Character Strengths(徳性の強み)」として、誠実さや勇気、思慮深さといった人間的な美徳を科学的に研究する動きが活発になっています。

つまり、学術的には「personality=個人の特徴全体(中立的)」「character=道徳的な核(評価的)」という棲み分けがなされています。

僕が「character」の重みを知った採用面接での体験談

僕も以前、この「personality」と「character」の違いを肌で感じる体験をしたんです。

外資系企業の採用面接を受けたときのことです。

面接官は僕の履歴書を見ながら、これまでの実績やチームでの役割について質問してきました。

僕は「明るくて、誰とでもすぐに仲良くなれる」という自分の長所をアピールしようと、「I have a good personality.」と自信満々に答えました。

面接官はニコリともせず、静かにこう言いました。

「That’s good. But tell me about your character. For example, how do you act when no one is watching?」

(それはいいね。でも、君のキャラクター(人格)について教えてくれ。例えば、誰も見ていないときに君はどう行動するんだい?)

ハッとしました。

彼は僕の「愛想の良さ(personality)」ではなく、困難な状況でズルをしないか、約束を守れるかといった「人間としての芯(character)」を知りたがっていたのです。

その瞬間、僕は「personality」が単なるラッピング(包装紙)であり、「character」こそがギフト(中身)なのだと痛感させられました。

いくら包装紙が綺麗でも、中身が空っぽでは信頼されません。

この経験から、僕はビジネスの場では、単に愛想良く振る舞うだけでなく、誠実さや責任感といった「character」を行動で示すことを意識するようになりました。

言葉一つにも、相手が何を求めているかという深い意図が隠されているんですね。

「personality」と「character」に関するよくある質問

「性格」を英語で言うときはどっちを使えばいい?

一般的な「性格」を指す場合は「personality」を使うのが無難で自然です。特に「明るい」「暗い」「社交的」といった特徴を言うときはpersonalityです。「真面目」「誠実」「責任感が強い」といった人間性を強調したいときはcharacterを使うと、より深いニュアンスが伝わります。

就職面接で重視されるのはどっち?

職種によりますが、接客や営業など対人スキルが必要な職種では「personality」も重要視されます。しかし、どのような職種であっても、長期的に雇用し信頼関係を築く上では「character(誠実さ、信頼性)」が最も重視されます。アメリカの格言に「Hire for character, train for skill(人柄で雇い、スキルは教えろ)」という言葉があるほどです。

「Character」には「登場人物」という意味もありますか?

はい、あります。小説や映画、アニメなどの「登場人物」や「役柄」を指す場合も「character」を使います。これは、物語の中でその人物が持つ「固有の役割・特徴(刻印されたもの)」という意味から派生しています。日本語の「キャラが濃い」などは、この意味に近い用法ですね。

「personality」と「character」の違いのまとめ

「personality」と「character」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  • 中心的な違い:personalityは「外面的な印象」、characterは「内面的な本質」。
  • 語源のイメージ:personalityは「仮面(persona)」、characterは「刻印(kharakter)」。
  • 評価の視点:personalityは「好かれるか」、characterは「信頼されるか」。
  • 使い分け:明るさや社交性はpersonality、誠実さや正直さはcharacter。

言葉の背景にある語源のイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。

これからは自信を持って、的確な言葉を選んでいきましょう。

さらに言葉の世界を広げたい方は、メディア・文化系外来語の違いまとめもぜひご覧ください。

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