「swimsuit」は着用する水着そのもの(個別のアイテム)を指し、「swimwear」は水着類全般を指すカテゴリー名(総称)です。
どちらも日本語では「水着」と訳されますが、英語では「新しい水着を1着買った」と言うときはswimsuitを使い、「今年の水着コレクション」と言うときはswimwearを使うといった明確な使い分けがあります。
この記事を読めば、日常会話での正しい単語の選び方から、海外通販サイトでの検索のコツまでスッキリと分かり、英語でのショッピングやファッションの話題で迷わなくなります。
それでは、まず最も重要な違いから詳しく見ていきましょう。
結論:一覧表でわかる「swimsuit」と「swimwear」の最も重要な違い
基本的には具体的な1着の水着なら「swimsuit」、水着というジャンル全体なら「swimwear」と覚えるのが簡単です。swimsuitは数えられる名詞、swimwearは数えられない名詞(集合名詞)という文法的な違いもあります。
まず、結論からお伝えしますね。
この二つの言葉の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。
これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。
| 項目 | swimsuit (スイムスーツ) | swimwear (スイムウェア) |
|---|---|---|
| 中心的な意味 | 泳ぐために着る服(個別のアイテム) | 水着類全般(カテゴリー、総称) |
| 数えられるか | 可算名詞(a swimsuit, two swimsuits) | 不可算名詞(swimwear)※sはつかない |
| 使われる場面 | 日常会話、個人の持ち物 | ファッション業界、店舗の売り場案内 |
| 含まれる範囲 | ビキニ、ワンピース、トランクス単体 | 水着に加え、ラッシュガードやカバーアップも含む場合がある |
一番大切なポイントは、「swimsuit」は具体的な「モノ」を指し、「swimwear」は「衣類のジャンル」を指すということですね。
例えば、「水着を忘れた!」と言うときは「swimsuit」を使いますが、「水着売り場はどこですか?」と聞くときは「swimwear section」と表現されることが多いです。
なぜ違う?言葉の成り立ち(語源)からイメージを掴む
「swimsuit」の“suit”は「一揃いの服」を意味し、上下セットやワンピースなど着用する個体を指します。一方、「swimwear」の“wear”は「衣類・装身具」全般を表す接尾語で、集合的な概念を意味します。
なぜこの二つの言葉にニュアンスの違いが生まれるのか、言葉の成り立ちを紐解くと、その理由がよくわかりますよ。
「swimsuit」の成り立ち:「suit」が表す“一揃いの服”
「swimsuit」は「swim(泳ぐ)」と「suit(スーツ)」が組み合わさった言葉です。
ここでの「suit」は、ビジネススーツのように「一揃いの服」や「適合する衣服」を意味します。
つまり、泳ぐためにデザインされた、上下が揃った(あるいは一体型の)具体的な衣服を指します。
「1着の服」として数えることができる、物理的な実体のあるイメージですね。
「swimwear」の成り立ち:「wear」が表す“衣類全般”
一方、「swimwear」は「swim(泳ぐ)」と「wear(ウェア)」が組み合わさっています。
英語の「-wear」は、menswear(紳士服)、sportswear(スポーツウェア)、footwear(履物)のように、「~するための衣類全般」という集合的なカテゴリーを表す際に使われます。
この言葉は「概念」や「ジャンル」を指すため、一つ二つと数えることはできません。
水着そのものだけでなく、ビーチで着る羽織りものや帽子など、水泳に関連するファッション全体を包括する広いイメージを持っています。
具体的な例文で使い方をマスターする
友達と話すときや自分の持ち物を指すときは「swimsuit」、お店の看板やファッション誌の記事では「swimwear」を使います。swimwearは「水着業界」や「コレクション」といった大きな視点で語るときに頻出します。
言葉の違いは、具体的な例文で確認するのが一番ですよね。
日常会話やショッピング、そして間違いやすいNG例を見ていきましょう。
日常会話・ショッピングでの使い分け
「モノ」の話か「ジャンル」の話かを意識すると、使い分けは簡単ですよ。
【OK例文:swimsuit】
- I need to buy a new swimsuit for the trip.
(旅行のために新しい水着を買わなきゃ。) - She packed three swimsuits in her suitcase.
(彼女はスーツケースに3着の水着を詰めた。) - That swimsuit looks great on you!
(その水着、すごく似合ってるよ!)
【OK例文:swimwear】
- The department store has a large swimwear section.
(そのデパートには大きな水着(用品)売り場がある。) - Check out the latest swimwear collection.
(最新の水着コレクションをチェックして。) - This brand specializes in men’s swimwear.
(このブランドはメンズ水着(ウェア)を専門にしている。)
このように、個別のアイテムを指すなら「swimsuit」、売り場やブランドの扱う商品を総称するなら「swimwear」ですね。
これはNG!間違えやすい使い方
意味は通じることが多いですが、文法的に不自然になる使い方を見てみましょう。
- 【NG】I bought two swimwears yesterday.
(昨日、水着を2着買った。) - 【OK】I bought two swimsuits yesterday.
(昨日、水着を2着買った。)
「wear」は不可算名詞(数えられない名詞)なので、複数形の「s」をつけることはできません。数える場合は「suits」を使います。
- 【NG】Where is my swimwear?
(私の水着どこ?) - 【OK】Where is my swimsuit?
(私の水着どこ?)
間違いではありませんが、日常会話で自分の特定の水着を探しているときに、ジャンルを指す「swimwear」を使うのは少し堅苦しく、不自然に響くことがあります。「服(clothing)」と言わずに「シャツ(shirt)」と言うのと同じ感覚で、具体的な「swimsuit」を使うのが自然です。
【応用編】似ている言葉「bathing suit」との違いは?
「bathing suit」は「swimsuit」とほぼ同じ意味で使われますが、やや古風な響きがあったり、泳ぐことよりも「水遊び・日光浴」のニュアンスが含まれたりすることがあります。イギリス英語では「swimming costume」という表現も一般的です。
「swimsuit」「swimwear」以外にも、水着を表す英語はいくつかあります。
これも押さえておくと、地域や世代による表現の違いに対応できますよ。
Bathing suit(ベイシング・スーツ)
これはアメリカ英語でよく使われる表現で、「swimsuit」と同義です。
「Bath(入浴・水浴び)」から来ており、スポーツとして泳ぐというよりは、プールや海に浸かって遊ぶ、リラックスするというニュアンスが少しあります。
年配の方が使う傾向が少しありますが、現在でも一般的に通じます。
Swimming costume(スイミング・コスチューム)
これはイギリス英語で一般的な「水着」の表現です。
略して「cossie」と呼ばれることもあります。
アメリカで「costume」と言うと、ハロウィンの仮装などを連想されるので注意が必要ですね。
Bikini / One-piece / Trunks
これらは水着の「形状」を具体的に指す言葉です。
- Bikini:女性用のセパレート(2ピース)水着。
- One-piece:女性用のつなぎの水着。
- Trunks / Swim shorts:男性用の水着(パンツ)。
「swimsuit」よりもさらに具体的に言いたいときに使います。
「swimsuit」と「swimwear」の違いをファッション業界の視点で解説
ファッション業界では、「swimwear」は水着だけでなく、ビーチサンダル、カバーアップ(上着)、帽子などを含めた「リゾートスタイル全体」を提案するカテゴリーとして扱われます。一方、「swimsuit」はあくまでその構成要素の一つである「水着単体」を指す用語として区別されます。
実は、この二つの言葉の使い分けには、ファッションビジネスの視点も深く関わっています。
アパレル業界やECサイトにおいて、「Swimwear」は一つの大きなカテゴリーです。
ここには、ビキニやワンピースといった水着そのものだけでなく、以下のようなアイテムも含まれることがあります。
- Rash guard(ラッシュガード):日焼け防止の上着
- Cover-up(カバーアップ):水着の上に着るドレスやパレオ
- Board shorts(ボードショーツ):サーフィン用のパンツ
つまり、「Swimwear」は「水辺で過ごすための装い一式」というライフスタイル提案の側面を持っています。
一方で、商品単体のタグや詳細説明では「Swimsuit」や具体的な形状名(Bikini topなど)が使われます。
「Swimwear」という大きな箱の中に、「Swimsuit」という個別の商品が入っている、という構造を理解しておくと、ネットショッピングがスムーズになりますね。
僕が海外通販で「swimwear」と検索して戸惑った体験談
僕も以前、この「swimsuit」と「swimwear」の違いを肌で感じる体験をしたんです。
海外のファッション通販サイトで、夏用の競泳用パンツ(トランクス)を探していたときのことです。
検索窓に「Mens swimwear」と入力して検索しました。
すると、検索結果には水着だけでなく、派手なアロハシャツ、ビーチサンダル、サングラス、さらには日焼け止めクリームまでがズラリと表示されたのです。
「えっ、僕はただ泳ぐためのパンツが欲しいだけなんだけど…」
画面をスクロールしても、なかなか目当ての水着だけに絞り込めません。
そこで、検索ワードを「Mens swimsuit」や「Mens swim trunks」に変えてみました。
すると今度は、求めていた水着だけがピンポイントで表示されました。
この時、僕は気づいたんです。
「Swimwear」は「ビーチリゾートという『シーン』全体」を売るための言葉であり、「Swimsuit」は「泳ぐための『道具』」を指す言葉なのだと。
広くウィンドーショッピングを楽しみたいなら「Swimwear」、目的のモノが決まっているなら「Swimsuit(または具体的な名称)」。
この使い分けを知ってから、海外サイトでの買い物がグッと効率的になりました。
言葉一つで、たどり着く売り場が変わってしまうんですね。
「swimsuit」と「swimwear」に関するよくある質問
男性の水着も「swimsuit」と呼びますか?
はい、呼べます。ただし、日常会話では「swim trunks」や「swim shorts」と呼ぶ方が一般的で男性的です。「swimsuit」は男女問わず使えますが、女性用のワンピースやビキニを指す頻度の方がやや高い傾向にあります。競技用のピチッとした水着は「speedo(スピード)」とブランド名で呼ばれることもあります。
「Bikini」と「Swimsuit」は違いますか?
「Swimsuit」は水着の総称で、「Bikini」はその中の一種です。つまり、すべてのビキニはswimsuitですが、すべてのswimsuitがビキニというわけではありません。車(Car)とスポーツカーの関係と同じですね。
「Wet suit(ウェットスーツ)」は「Swimwear」に含まれますか?
広義では含まれますが、一般的には「Water sports gear(ウォータースポーツ用品)」として区別されることが多いです。Swimwearは主にレジャーや遊泳用を指し、保温や保護を目的としたウェットスーツは、より専門的なギアとして扱われます。
「swimsuit」と「swimwear」の違いのまとめ
「swimsuit」と「swimwear」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。
最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 中心的な違い:swimsuitは「個別の水着(1着)」、swimwearは「水着類全般(カテゴリー)」。
- 文法の違い:swimsuitは「可算名詞(数えられる)」、swimwearは「不可算名詞(数えられない)」。
- 使い分け:自分の持ち物や買い物なら「swimsuit」、ファッションの話題や売り場探しなら「swimwear」。
- イメージ:swimsuitは「モノ」、swimwearは「スタイル」。
言葉の背景にある「個体」か「集合」かというイメージを掴むと、機械的な暗記ではなく、感覚的に使い分けられるようになります。
これからは自信を持って、的確な言葉を選んでいきましょう。
さらに言葉の世界を広げたい方は、メディア・文化系外来語の違いまとめもぜひご覧ください。
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