「platina」と「platinum」の違い!プラチナはどっちが正しい?

「platina」と「platinum」の最も大きな違いは、「オランダ語(およびスペイン語)」か「英語」かという言語の違いにあります。

なぜなら、日本で定着している「プラチナ」という読み方は、江戸時代にオランダ語の「platina」から入ってきたものですが、現在の国際標準や科学用語としては英語の「platinum(プラチナム)」が使われているからです。

この記事を読めば、元素名としての正しい表記や、海外でのショッピングで通じる発音が明確になり、ジュエリーやクレジットカードの話題でスマートに使いこなせるようになります。

それでは、まず両者の決定的な違いを一覧表で詳しく見ていきましょう。

結論:一覧表でわかる「platina」と「platinum」の最も重要な違い

【要点】

最大の違いは「言語」です。「platina」はオランダ語や語源となったスペイン語で、日本での呼び方「プラチナ」の元になりました。「platinum」は英語で、国際的な元素名や英語圏での会話に使われます。

まず、結論からお伝えしますね。

この二つの単語の最も重要な違いを、以下の表にまとめました。

これさえ押さえれば、基本的な使い分けはバッチリです。

項目platina(プラチナ)platinum(プラチナム)
言語オランダ語 / スペイン語
(語源に近い形)
英語
(国際標準)
日本での定着一般的
「プラチナ」というカタカナ語の元
専門的・外来語的
「プラチナム」と表記されることも
主な使用シーン社名(プラチナ万年筆など)、
作品名(ポケモン プラチナなど)
元素名、クレジットカード、
音楽(プラチナディスク)、英語会話
発音の目安プラティーナ(スペイン語風)プラティナム(英語風)

一番大切なポイントは、英語で「プラチナ」と言いたいときは「Platinum(プラチナム)」を使わないと通じないということです。

「Platina」は英語圏では古語や専門用語(鉱物としての粗白金など)として扱われることがあり、一般的ではありません。

なぜ違う?語源(スペイン語と英語)からイメージを掴む

【要点】

語源はスペイン語の「platina(小さな銀)」です。これがオランダ語経由で日本に入り「プラチナ」となりました。一方、英語などの科学界では、元素名らしく「-um」を付けた「platinum」が採用されました。

なぜ日本だけ「ム」がつかない「プラチナ」なのでしょうか。

そのルーツである大航海時代まで遡ると、理由が見えてきます。

platinaのルーツ:小さな銀

16世紀、南米を訪れたスペイン人が、川で光る白い金属を発見しました。

彼らはそれを「銀(plata)」に似ているが少し違うものとして、「platina(プラティーナ=小さな銀、銀のようなもの)」と呼びました。

これがオランダ語にも「platina」として伝わり、鎖国時代の日本に長崎の出島を通じて入ってきたため、日本では「プラチナ」という読み方が定着したのです。

platinumのルーツ:元素としての命名

その後、18世紀になってこの金属が新元素であることが科学的に確認されました。

この時、学術用語(ラテン語由来)として金属元素に付けられる接尾辞「-um」を採用し、「platinum(プラチナム)」と命名されました。

英語圏ではこの学術名がそのまま一般名詞として定着したため、「t」や「m」をしっかり発音する「プラティナム」となったのです。

具体的な例文とシーンで使い分けをマスターする

【要点】

日本国内の会話や製品名は「プラチナ(Platina由来)」でOKです。しかし、海外旅行での買い物や、グレード(等級)を表す英語表現では「Platinum」を使う必要があります。

言葉の違いは、実際の使用シーンで確認するのが一番ですよね。

日本国内と海外、それぞれの場面での使い分けを見ていきましょう。

日本国内(Platina的用法)

カタカナの「プラチナ」として、広く一般的に使われています。

  • プラチナの指輪を買う。(ジュエリー)
  • プラチナチケットを手に入れる。(入手困難なもの)
  • ポケットモンスター プラチナ。(ゲームのタイトル)

ここでは「ム」を付けずに「プラチナ」と言うのが自然ですよね。

英語圏・国際基準(Platinum的用法)

英語を使う場面や、グレードを表す場面ではこちらが正解です。

  • I’d like to see a platinum ring.(プラチナの指輪を見せてください)
  • Platinum card(プラチナカード:クレジットカードのランク)
  • Platinum album(プラチナアルバム:100万枚以上の売り上げ)

「プラチナカード」などは日本でも定着していますが、英語のスペルは「Platinum」です。

【応用編】「ホワイトゴールド」との違いは?

【要点】

プラチナ(白金)とホワイトゴールド(白色金)は全く別の金属です。プラチナは単体の元素(Pt)ですが、ホワイトゴールドは金(Au)に他の金属を混ぜて白く見せた合金です。英語でも明確に区別されます。

よく混同されるのが「ホワイトゴールド」です。

見た目が似ているため間違いやすいですが、中身は別物です。

プラチナ(Platinum / Pt)

原子番号78の元素。生まれつき白い金属です。

変色しにくく、粘り気があるため、細工がしやすく宝石をしっかり留めることができます。結婚指輪の定番です。

ホワイトゴールド(White Gold / WG)

金(Gold)をベースに、パラジウムなどの白い金属を混ぜた合金です。

元々は金色なので、表面にロジウムコーティング(メッキ)をして白く輝かせています。長年使うとメッキが薄れ、地金の黄色味が出てくることがあります。

英語で買い物をする際は、「Platinum」か「White Gold」かをしっかり確認しましょう。

「platina」と「platinum」の違いを化学的に解説

【要点】

日本の学術用語(化学)では「白金(はっきん)」が正式名称です。元素記号は「Pt」。これは英語のPlatinumから来ています。「プラチナ」は工業や宝飾の分野での通称として扱われます。

少し専門的な視点から、この言葉を分析してみましょう。

日本の化学界では、この元素を「白金(はっきん)」と呼びます。

これは、江戸時代にオランダ語の「witgoud(白い金)」や、スペイン語の「platina(銀のような)」という概念を意訳して名付けられたと言われています。

  • 元素名:白金(Platinum)
  • 元素記号:Pt
  • 原子番号:78

しかし、ジュエリー業界では「ホワイトゴールド(白色金)」と混同しないように、「白金」ではなくカタカナの「プラチナ」という呼び名を積極的に使っています。

文部科学省が発行する「学術用語集」などでも、元素名は原則として「白金」とされています。

参考:文部科学省

僕が海外で「プラチナ」と言って通じなかった体験談

僕が初めてハワイに行った時の、ちょっと恥ずかしい失敗談をお話しします。

彼女(今の妻)へのプレゼントに、プラチナのネックレスを買おうとジュエリーショップに入りました。

ショーケースを眺めながら、店員さんに自信満々にこう言いました。

「Do you have Platina necklace?(プラチナのネックレスはありますか?)」

すると店員さんは眉をひそめ、「Pardon?(え?)」と聞き返してきました。

僕は発音が悪かったのかと思い、もっとはっきりと「プ・ラ・チ・ナ!」と言い直しました。

それでも店員さんは困った顔。

しばらくして、店員さんが「Ah! You mean Platinum?(ああ! プラチナムのこと?)」と笑顔になりました。

「英語では最後の『ム』まで言わないと、全く別の言葉に聞こえる」

この時、日本語のカタカナ英語がいかに通じにくいかを痛感しました。

「プラチナ」は日本語(オランダ語由来)、「Platinum(プラティナム)」は英語。この切り替えが重要なんですね。

それ以来、海外では意識して「プラティナム」と発音するようにしています。

「platina」と「platinum」に関するよくある質問

Q. なぜ日本では「プラチナ」と呼ぶのですか?

A. 江戸時代にオランダとの貿易を通じて「platina」という言葉が入ってきたためです。明治以降に英語の「platinum」が入ってきましたが、すでに定着していた「プラチナ」という呼び方がそのまま使われ続けました。

Q. 「プラチナ」と「白金」は同じものですか?

A. はい、同じ元素(Pt)を指します。「白金(はっきん)」は学術的な正式名称、「プラチナ」は宝飾品や日常会話での通称です。ただし、「ホワイトゴールド」を漢字で「白色金」と書くことがあるため、混同に注意が必要です。

Q. 英語の発音のコツは?

A. 「プラチナム」よりも「プラティナム」に近いです。「ti」の部分を「チ」ではなく「ティ」と発音し、最後の「m」で口をしっかり閉じると、ネイティブっぽく聞こえます。

「platina」と「platinum」の違いのまとめ

「platina」と「platinum」の違い、スッキリご理解いただけたでしょうか。

最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。

  1. 言語が違う:platinaはオランダ語・スペイン語由来、platinumは英語。
  2. 日本での定着:オランダ語由来の「プラチナ」が定着している。
  3. 英語での注意:海外では「Platinum(プラチナム)」と言わないと通じない。
  4. 学術名:日本語の正式名称は「白金(はっきん)」。

普段何気なく使っている「プラチナ」という言葉にも、歴史的な貿易の背景や言語の旅路が隠されていたんですね。

これからは、国内のジュエリーショップでは「プラチナ」、海外旅行や英語のメールでは「Platinum」と、スマートに使い分けてみてください。

言葉の使い分けについてさらに知りたい方は、メディア・文化系外来語の違いまとめの記事もぜひご覧ください。

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